Casa社長のVシネ恫喝を考えてみました。
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滞納保証会社は、大家と管理会社さんの業務負担やストレスを大幅に削減することに成功したありがたい仕組みですが、最近大手の「Casa」の社長がなんだか凄いということで、話題になっています。
Casaは売上高でみると、業界4位。
日本セーフティ、全保連、日本賃貸保証(JID)に次ぐ規模となっています。
◆まるでVシネマ!(台本があるんじゃ・・)
ことの発端は、週刊文春の記事でした。
同社の宮地正剛社長が、会議のような場所で社員や役員を激しく罵倒しているところを「隠し録り」された音声がリークされ、「社会の公器である上場企業のあり方が問われる」ということで問題になりました。
記事が出てから同社の株価は大暴落。1週間で30%近くも下がりましたが、さらに追加の記事も出てしまってもう、踏んだり蹴ったりです。
実際の音声がyoutubeにアップされているので聴いてみてほしいのですが・・
ぼくはこれを聴いたときに、ぼくも好んで観ている任侠物のVシネマみたいだなと思いました。セリフの言い回しとか間の取り方など、完全にそれです。
宮地社長もきっと小沢仁志さんや白龍さんのファンに違いありません。
ちょっとご自身のセリフに酔っている感はあるものの、前半部分で言ってることはそれなりに正論だと思います。終盤はもう、笑っちゃいますけどね。。
◆保証会社のビジネスモデル(保険とは違う)
上記のyoutubeとは別の動画で、更に強くて暴力的な口調で社員さんを罵倒しているものがあるのですが、そこでは主に「滞納家賃をしっかり回収する」ことができない社員さんを恫喝しています。
社長自らがVシネマ恫喝をするかどうかは別にして、家賃保証会社は滞納された家賃の大部分を回収しないと事業が成立しない仕組みになっており、そこは似たようなモデルに見える保険会社や共済とは大きく違います。
各入居者さんから集めている保証料は、「家賃を回収できなかった大家さんへの支払い原資」ではなく、大部分が「会社の運営費用」になります。
いわゆる「支払い原資としての保険料」として保証料を考えるのなら、あんな低い金額では到底やっていけないのが実情で、あまりに高すぎる保証料だと保証会社への加入を半ば義務化することも難しくなり、結果として強引な回収をするしかありません。
いってみれば、滞納保証会社は「家賃回収の代行業」に近いです。
やさしく諭すことによって、納得も得心もして家賃を支払うような人は滅多にいません。他の借金なども含めて「払わないと怖いところ」から払うのです。
※ぼくも現在、滞納保証会社さんから裁判をされていますが、最初に電話がかかってきたときには担当者さんも怖い感じでした。
ぼくが、きちんと理由を説明して「御社も被害者ですよね」という言い分を分かってもらったので、その後は大丈夫でしたが・・・(でも訴えるなんてずるい)
◆ハートフルな回収などない
ということで、滞納保証の根本的な仕組みや法制度が変わらない限りは、恐怖心を植え付ける強引な回収行為はなくならないでしょうし、保証会社というのは「そういう」側面を持っていることは知っておくべきかと思います。
滞納者に対して恐怖を与えるような行動をさせるためには、自社の社員に対してやさしーく説明していては難しいものです。
滞納保証会社は、代位弁済した家賃の大部分を回収しないと事業が成り立たない
↓
みんな家賃払いたくないし、取立は強引になる
↓
恐怖心を与える取立をさせるには、上司や社長が優しいままでは難しい保証会社って「そういうころだ」という認識は、少なくとも大家さんは持ってないと、と思います
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) December 10, 2020
みんなの嫌がる仕事をやってくれているのだから、もちろん良いとは言いませんが・・うーん・・・まあ、ご無事でっていう感じですね。