良い不動産投資本の特徴
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不動産投資を勉強する手段は、ひと昔前に比べて格段に増えています。
まるでマニュアルのように細かく解説をしているブログ・ホームページもありますし、最近では投資関連の動画チャンネルも多いです。
しかし、得られる知識の絶対量として一番なのは、今も昔も「書籍」です。
◆書籍がセミナーより優れている理由
セミナーは話術によって内容に面白みを与えたり、書籍には載せづらいカラーの写真をふんだんに使って理解度や具体性を高めたりしています。
その分、与えている知識の量はさほどでもなく、例えばぼくが90分の講演をした場合でも、書籍に換算するとせいぜい30ページ分くらいの分量でしかなかったりします。
もちろん、実践者・成功者による「生の話」にはパワーがありますし、書籍にはないモチベーションの高まりを感じるかと思います。
セミナーは不動産投資スクールのような「多くの内容を網羅したもの」か、逆にひとつのテーマだけを深掘りしたようなものがお薦めです。
◆書籍が動画チャンネルよりも優れている理由
関連動画をいくつかチェックしてみましたが、「この分野に興味があるけど、まだ本格的な勉強をする段階ではない」という人に向いていると思いました。
10分前後に細分化された動画を自分の頭でつなぎ合わせて、体系化された使える知識にしていくのは容易ではありません。数千円出して書籍を買おうと考えるのが普通ですよね。
Youtubeなどの動画は、広告収入を目的としているために「面白くないけど大事なこと」についてほとんど触れられていないことも、書籍の代わりにはならない大きな理由です。
ただし、いわゆる「時事的なこと」を扱っている動画をタイムリーにチェックすることは非常に有益だと思います。
◆条件つきの「○○でもできた」
ということで、やはり不動産投資の勉強は書籍なしでは成立しないのですが、先日「良い書籍の条件」ということでツイートをしています。
◆良い不動産投資本の特徴
1.著者本人の背景(属性や資産)が明確。
2.本に書けないようなテクニックを使っていない。
3.その本ならではのウリが最低1つある。
4.読後感として、ちゃんと前向きになれる。
5.著者が実践していない投資法を、過度に否定・批判していない。— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) August 4, 2020
不動産投資の書籍は、他の投資本(株など)に比べると事実が書かれていることが多いと思います。嘘の割合はかなり少ないです。
家賃収入が1億円あると書いている人は、本当に1億円あることがほとんどです。ただ「事実がすべて書かれている」とは限りません。
特に「〇〇でもできた」というタイトルを代表する、幅広い読者を獲得しようという意欲が旺盛な書籍は、著者が「◯◯でもできた」根本的な理由が伏せられていることが多いので注意が必要です。
「(高属性の旦那がいる)主婦でもできた」
「(自己資金を2千万円持っていた)学生でもできた」
というケースも意外とあります。
また、立て続けに融資を受けて物件を購入できたような人の本に、売買契約書を改竄したり多法人スキームをフル活用していたりといったことは載っていません。
書かれていない背景事情が多いのは、不動産投資本の悪い特徴のひとつでもあります。
◆失敗やリスクだけが書かれた本は有害
不動産投資の勉強のために読む本であるならば、その書籍は基本的に前向きな結論で終わっていなければならないと思います。
リスクや失敗について書かれているのは問題ない(むしろ大事)のですが、そこで終わってしまっている本は意外とたくさんあります。
人の失敗談を見て溜飲を下げただけで終わるような本は、少なくとも「これから頑張ろう」と思っている人には有害です。
◆偏りと自社誘導
不動産投資には数多くのスタンスがあります。
特定の投資法について書かれている本は、それ以外のやり方について全否定していることもありますが、初心者のうちにこういう本を読んでしまうと偏った価値観が身に付いてしまうので、ぼくは危険だと思います。
また、「不動産投資はこれしかない」という形式の書籍は、著者関連の有料サービスに誘導したり、またはそういう物件を扱っている不動産会社が絡んでいたりすることが多いので、そういう意味でも注意が必要ですね。
乱読で100冊以上の書籍を読破するようなガッツのある人だと、膨大な情報の中から適切なものを選び取れるようになりますが、効率よく学習したいという場合は上記のツイートを参考に本を選んでみてください。