不動産は全力で買いに行き、潔く逃げる
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2つ前の記事で、実際に購入するような物件情報を得た際に「検討にかかる時間」についての話をしました。
今日はその続きとして、どのようなことを考えながら情報を検討していくのかについて体験談も含めてお話しようと思います。
◆「最優先すべき購入条件」に集中
ぼくが購入する物件は、空室の多いものがほとんとです。一番多いもので全空。平均で4割くらい空いてるでしょうか。
もちろん空いていること自体が良い訳ではありません。高利回りで売られている不動産は何かしら安い理由があるもので、自分の中で受け容れられる「安い理由」が高い空室率だというだけです。
どの投資家さんも、ご自身の中で「最優先すべき購入条件」というのがあると思います。
利回りの場合もあるでしょうし、立地だという人もいるでしょう。自己資金の乏しいうちは「融資評価が高い」というのが最優先であることも多いです。
そして当然のことながら、その「最優先すべき条件」を満たしている物件は非常に少ない訳です。
◆全力で買いに行く
例えば自分のように、購入したい物件のひとつが「北陸地方の高利回り物件」だとして、それが実際に出てきたとします。利回り水準としては半年に1棟出るかどうか。
そんな時のマインドについてツイートしています。
エリアや利回りなどの絶対的な基準を満たしている物件、または単に「めちゃくちゃ安い」という物件を見つけた場合、マインドとしては「買う」です。
こういう売り物には当然「ダメなところ、イマイチなところ」がありますが、買う姿勢は崩さず「どうしたら克服できるか」を万策尽きるまで考えます。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) September 13, 2020
上記のとおり、そういう物件情報が出た時点で「買う」と決めます。
そして購入とその後の運営にあたって障害となるポイントを、ひとつずつ潰していくようなイメージで行動をしていきます。
その物件がエリアとしては該当しているけど、まったく知らない場所にあるとすれば、そのエリアについて全力で調べます。
ネットで賃貸需給について確認しますし、どうせ北陸の高利回り物件があるようなエリアなんてエリアの空室率も高いに決まってますから、その中で上手くいくためにはどうすれば良いかを考えます。
売り物件の、賃貸の募集ページを見つけたら室内写真をくまなく見て、改善できそうなポイントをたくさん探します。もちろん改善に掛かる費用も含めて利回りの計算をし直します。
リニューアル費用が高くつくようであれば、何とか安くできないか、または物件価格の交渉ができないかも頑張ります。自分の中での最優先条件を満たしている売り物件を、そう簡単に諦めてはいけません。
◆ローン特約なしで買った一棟もの
自分が購入した物件では「融資特約をつけられない」というのがありました。
銀行に急ぎで資料を送りましたが、当然ながら「回答までは稟議を上げて3週間くらい掛かります」と言われます。
そこを粘って「正式回答でなくても良いです。支店のざっくりとした見解か、それも時間が掛かるなら担当としての感触だけでもいいので早く教えて下さい」と頼み込み、翌日くらいに「おおよそ●千万円、期間15年で(稟議を)上げてみようと思います」という回答を得ました。
「ゼロ(完全否決)ってことはなさそうですか?」「それは大丈夫だと思います」というところまで確認して、買付を入れました。
結果的には、期間は10年に短縮されて共担まで要求されてしまいましたが、最悪否決されてしまった場合の金策まで考えていたので、特に問題はありませんでした。
改善の余地アリアリ(=満室にすぐできそう)な利回り20%超え物件というだけで、ここまでする価値は十分にあったという訳です。
※ちなみに、本当に融資が否決された場合は手持ちの現金を全部集めて法人のお金も貸付金として拝借し、買って満室にしたらバックファイナンス、それもできなければ売ってしまおうと思ってました。
◆逆も然り。捨てる勇気
このように、買うべき物件については全力で取りに行く姿勢が必要ですが、その逆もあります。
逆に、良い物件があって買付が通ったあと「聞いてないよ」というものがポロポロ出てくることがあります。
賃借人との変な契約条件だったり、管理組合のおかしなルールだったり売主のワガママだったり。そんな時は、楽しみにしていたキャッシュフローや売却益に執着せず秒で見切る。追わないこと。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) September 13, 2020
買付も融資も通って、いざ契約・・・というときに、買う理由の根幹が揺らぐような事実が発覚してしまうことがあります。
「せっかく頑張ったのに・・・融資も通ってるし」という惜しい気持ちは分かるのですが、買うべき理由に黄信号が灯ったのですから買ってはいけません。
それが契約前日であろうと、契約の途中だろうと(経験済み)撤回しなければなりません。
多くの人が、このような行動パターンの逆をしてしまいます。貴重な物件を何とかなる理由で流し、買う価値がなくなった物件を惰性でそのまま買ってしまったりするのです。