属性が低い人の不動産投資ステップ
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属性という言葉自体はあまり好きではありませんが、サラリーマンの不動産投資を語る上で避けて通れない要素であることは間違いありません。
年収を中心に、勤続年数や雇用の安定度を総合的にまとめた尺度であり、医師や高収入士業を筆頭に、上場企業や外資系勤務、一般会社員、個人事業主・・という感じでヒエラルキーが構成されています。
属性が良いと、不動産投資のスタートダッシュとしては有利です。
ただし、以前の記事で書いたように、高い属性が全ての面で優れているかというと、そんなことはありません。記事の最後にあるように、サラリーマン投資家の枠を超える頃には属性という尺度は決算書に置き換わっていきます。
◆負けるフィールドで勝負しない(キャッシュ購入)
今日は、あまり属性が高くない人が不動産投資を進めていく方法について説明します。こちらのツイートをご覧下さい。
属性が低い人の不動産投資ステップ
1.何としてもお金を貯める
2.最初から法人作ってキャッシュ購入
3.リフォーム資金を公庫から借りる
4.必ず黒字決算
5.他業もやって細かく稼ぐ最初から事業化してしまうことで、自分の(金融機関からの)評価から属性を切り離すのです。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) 2020年5月22日
まず、お金を貯めてキャッシュで物件を購入します。戸建でも区分でも何でもいいです。最初の物件購入資金を借りようという考えは捨ててください。
人間なにごとも平等ではありません。勝負をするなら自分に有利なフィールドですべきであり、この段階で「何とかお金を借りよう」と頑張るよりも、さっさと貯めてしまった方が良いのです。
すごい規模に成長した大家さんでも、最初は小ぶりの物件から始めていた人は少なくありません。とにかく始めることが大事です。
あの100億円超えスーパーカーメガ大家の佐藤元春さん(恒志堂グループ代表)も、ひとつめの物件は100万円くらいの区分を競売で購入されています。
◆会社を作って、黒字にする
購入物件が小さくても、最初からご自身の不動産法人を設立して法人で物件を保有してください。
最初の売上が立てば、あなたも立派な事業主です。創業者の強い味方である日本政策金融公庫から少額の融資が受けられるようになるでしょう。
既に担保となる不動産を所有していますので、建物の修繕資金としてお金を借りるのです。審査次第では無担保で融資してもらえる可能性もあります。
融資の金額と修繕費用の金額によっては、借りたお金を実質的に次物件の購入資金へ回すこともできます。もちろん、この一戸だけをしばらく保有しても構いません。大切なのは、「決算」です。
なんとしても(といっても売上を膨らますこと以外で)黒字の決算書を作ります。
使った経費を自腹(個人)で負担しても、修繕費を資産計上してでも、法人の経常利益を黒字にすることが重要で、これが今後の融資につながっていくのです。
◆他業もあり。決算書の指標を上げる
また、ここで作られた法人はちゃんとした事業法人で、高属性サラリーマン大家さんが一棟目取得と同時に設立する「資産管理法人」とは別ものです。
資産管理法人は、金融機関から「個人と同一視」されるために、法人の事業目的に余計な項目を入れません(不動産の保有や管理だけに限定される)が、今回作ったのは普通の会社です。どんどん事業をやって稼ぎましょう。
メルカリで不要品を売ったりちょっとした転売をしてみたり、面白い記事を書いてNoteで売ってみたり(1000円のレポートを100人が読めば10万円になります)、不動産系ならレンタル収納ビジネスなどもお薦めです。
そうやって、法人の売上と利益、自己資本比率を上げていくのです。
ですから、兼営する事業は何でも良いものの、借入を伴うものはNGですし、できればロットは小さくても利益率の高いものが望ましいです。
決算書の指標については、過去のHOME’Sコラムに書いていますので、そちらをご覧下さい。ちょっと難しいけど大切です。
※関連記事
・事業者に求められる自己資本比率について
・自己資本比率を上げる方法
・債務償還年数を縮めて、優良企業になる
※こちらも:ほかのビジネスも考えてみよう
◆決算書によって属性を切り離す
これら一連の取り組みは、言うなれば「自分の”会社経営者”としての評価を、”サラリーマンとしての評価(=属性)”より上げる」ことを目的としています。
サラリーマンとして年収を2倍にするのは至難の業ですが、会社経営者としてそれなりの評価を得ることは、黒字でさえあれば難しいことではありません。(そのくらい、世の中には赤字の会社が多い)
この段階まで来ると、金融機関の担当者からも「会社の社長」として認識され、仮に会社員のままだったとしても勤務先のことは割とどうでも良くなります。
特に最近は、「属性が高い」と評価される会社員のレベルも以前より上がっていますので、なるべく早い段階でご自身の不動産投資を事業化しておくことが、規模拡大に有効です。