物件再生に必須な「あら探し」の極意
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利回りの高い物件を入手し、そして実際に高い利回りを実現するための方法として、最も確実性が高いのが「空室の多い物件を買って、満室にする」というものです。
空室が多いという以外にも、不動産が安く売られるケースはたくさんありますが、そのほとんどは「築年数が古すぎる」とか「立地が超絶に悪い」など、自分で改善しづらいものです。
しかし、前の大家さん(=売主)の経営力が低かったために空室が多いというアパートやマンションは、自分の頑張りでいかようにも改善できます。ぼくが一棟ものでメインにしている戦略でもあります。
自分がこれまで保有した、新築以外の一棟ものの平均表面利回りは19%弱と非常に高いのですが、安く買えている理由は「空室が多いから」に他なりません。
◆空室だらけ→満室 再生の流れ
3~4割空きは当たり前。全空のアパートも満室にしてきましたが、空きだらけ物件を埋めていくルーティンは、ほぼ確立されています。
◆空きだらけの物件再生の流れ
・徹底的に「あら探し」する
・満室運営を目指す強い気持ちを管理会社さんと共有する
・短期間で一気に物件価値を上げ、ステージングや撮影で「すげー」と思われる
・満室祝勝会を一緒に計画する
・燃料をくべ続けるこれで満室。祝勝会で盛り上がりましょう!
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) July 1, 2020
空室対策については、これまでもブログ記事にしてきましたが、全体像としては上記ツイートのようなプロセスがあって、「価値を上げていく」「募集力を強化していく」「管理会社さんとの関係を強化する」というのは、その中のひとつひとつの戦略ということになります。
この流れは空室再生系の不動産投資において非常に重要ですので、これから何度かに分けて説明していきたいと思います。
◆イジワル小姑になって「あら探し」
今日は最初のステップについてお話します。空室だらけのアパート・マンションは、入居者を寄せ付けないような「イマイチなところ」が必ずあります。
管理会社さんなどと話をするときには「改善ポイント」なんて言い方をするのですが、簡単にいうと「あら探し」です。
※こういう言い方の細かい配慮は、「呼び捨てしない」習慣と同じように、じわじわと効果を発揮します。参考記事:誰にでもできる「印象を良くする方法」
物件購入前にも、「ここを良くしたら入居が決まるようになるな」という感じでアテを付けておきますが、決済をしてから最初にするのが「徹底的なあら探し」なのです。
購入した物件の前に車を停めてから、建物の周りを一周し、空き室ひとつを入念にチェックしていくプロセスで、このような改善すべき点が100くらいは出てきます。
このブログの読者さんは「ハッピー&リッチ」のマインドで、物事を前向きに考えられる方ばかりだと思いますが、この時ばかりは徹底的に「イヤな性格」になり、1つでも多くの悪いところを見つけましょう。
「ちょっと汚れているけど、逆に味があっていいかも」なんてポジティブな思考は排除してください。そして、見つけ出した改善ポイントはきちんと紙に書き出します。
◆シートを作ってしっかり書き込む
「100個というのは大袈裟でしょう」なんて思っているうちは、あら探し小姑としては白帯レベルです。
門扉の塗装が剥がれてる、雑草が生え放題、放置自転車、ゴミ置き場の表示、ゴミ捨てルール無視、掲示板の張り紙の角度、鳩の糞が通路に散乱、郵便受けにチラシが満載、共用通路に私物が陳列、駐車場の白線が消えて見えない、周りが引くような改造車が停めてある、階段の照明が点滅している。
ここまで書いても、まだ部屋の中に入ってもいない段階です。
各部屋で重複している項目もカウントしたら、100どころか一桁増えてしまうくらいのアラ・・・じゃなくて改善ポイントが書き出されると思います。
空きが多い物件を購入した際には、間取りに応じた「改善ポイントを書き出す帳票」を作っておくと、あとで見返す時に便利だと思います。
玄関であれば郵便ポストやチャイム(インターホン)、表札、開閉スピードの調整、旧式の鍵であれば取り替え・・と、いろいろ出てきます。
このあら探し作業はものすごく大変で、空室がたくさんあると1日では終わらないこともありました。物件購入が夏の暑い時期だったりすると、熱中症で倒れかねませんので気をつけましょう。
このシートはそのままリフォーム会社さんとの打合せにも使えますし、上手に使えば管理会社さんへのアピールにもなります。書き込みが多いほど満室になる確率があがると信じて頑張ってください。