純資産を増やす、とっても簡単な方法
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会社員属性で融資をする金融機関が減り、その結果受けられる融資の総額も少なくなっています。
リーマンショックの前までは、SMBCと地銀数行を駆使して、年収1千万円未満の会社員でも4~5億円くらいの物件を、会社員向けのアパートローンで購入することができました。
スルガの時代は多少のテクニカルな要因がありますが、いずれにしても今は事業性の融資を受けられないと、ほとんどの人は月額100万円レベルのキャッシュフローを達成することができません。
◆純資産は、だいたい足りない
事業性融資を受けるための条件は、主なもので以下の3つ。
・事業として賃貸業に取り組んでいること
・法人化は当然。ある程度「会社っぽい」状態であること
・決算書の各種指標が「貸出OK」と評価されること
この中で、一番難しいのが「決算書の各種指標」です。
指標はたくさんありますが、その中でも大事なのが「自己資本比率」と「債務償還年数」の2つで、これは以前のブログ記事でも詳しく解説しています。
どっちが難しいかというのは保有物件のタイプなどによっても違いますが、不動産の賃貸業は変な経費の使い方をしなければ利益は安定して出るので、どちらかと言えば「自己資本比率を20%以上でキープさせる」方が難しいでしょう。
上記のブログ記事にもあるように、不動産を買う前に1千万円の自己資金があっても、フルローンで1億円の物件を買うとあっという間に「破綻するかも」という水準になります。
◆最初のうちに見切られやすい
そこで、自己資本比率を高めるための行動として
・個人のお金を法人に貸し付ける。または増資する。
・賃貸業以外のビジネスをすることで、利益を積み増しする。
・含み益のある物件を売却する。
という3つの方法を提示しています。
しかし「貸し付ける個人のお金もないんじゃー」「ビジネスが難しそうだから不動産を買ってるのに、本末転倒だ!」「買ったばかりで売れる物件がありません」という反論をされるのが、コンサルなどでよくある”オチ”でした。
(コンサルはプレミア投資部の会員さん向けに、無料で行っています)
ぼくも含めて、多くの人は不動産投資によってお金持ちになろうと頑張っている訳ですが、実際の世の中では「元々お金持ちな人が不動産を買っている」ことの方が多いですし、金融機関のスタンスも「お金持ちに貸す」のが基本です。
このあたりで行き詰まりを感じるケースは多いですし、更には不動産投資で拠出した自己資金と得られるリターンを比べて
「これなら、株や仮想通貨を買った方が手取りが多い」
なんて考え、早めに物件を売っちゃって不動産の世界から抜けてしまう人もいます。
◆他業も売却も要らない「決算書改善方法」
しかし、せっかく買えた良い物件ですから、売却するのは「利益が最大化する」ポイントまで待ちたいところですよね。
でも、上記の通り自己資本比率を上げる方法は何もできない(またはする気がない)から・・・ということであれば、実は良い方法があります。
ある程度保有不動産が増えてくると、小ぶりの物件をひとつ買ったくらいでは資産や決算書に与える影響も、相対的に小さくなります。
では資産の増加、決算書の改善に最も効果的な行動は何かというと「何もせず家賃をもらい借入金を返済する」ことです。読書や筋トレ、あるいは寝ることが最高の活動。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) July 4, 2022
そう。「何もしない」のが自己資本比率を増やす、確実な方法。
物件をただ保有しているだけで、キャッシュフローは積み上がり、元金の返済が進んで「負債」と「資産」の差が広がります。
自己資本(純資産)は手元の現金だけでなく、返済が進んだ物件の内部にも貯まっているもので、目には見えませんが決算書にはしっかり載ってきます。
ジムに行ってる間にも純資産は増えていく。。
不動産投資は、スタートさせたら一生を掛けて取り組んでいくもの。
巷には「数年でメガ大家」みたいな派手な話が溢れていますが、焦ることはありません。1年経てばそれだけ純資産は拡大し、融資も受けやすくなるものです。
ダメダメな決算状況で融資を断られまくるとメンタルにも良くないですし、少し待って「土俵に乗る」状態になってから次のことを考えても遅くはないと思います。
◆ただし古い物件には注意
ただし、築の古い物件を保有しているような人で、「元金の返済額よりも、減価償却の方が大きい」場合は、その物件の償却が終わるまでは、時間が経つほど純資産が減少します。
耐用年数を超えた融資を受けている場合は、注意が必要です。