事故物件告知のガイドライン案

2021年5月26日

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何の予告もなく唐突に発表された感じですが、いわゆる「事故物件」について国土交通省がガイドラインを作成しました。

国交省のガイドラインといえば、この業界では原状回復などのルールを定めたものが知られていますね。

いわゆる東京ルール(このガイドラインを徹底するための条例)を家賃単価の低い地方に流用することは、現地の賃貸業を衰退させるという話を以前に書きました。

※参考記事:「東京ルール」が地方を滅ぼす

 

◆意外と厳しくない告知義務

このガイドラインは今のところ「案」であり、6月中旬から一般に意見を募った上で正式に決定するとされています。

 

既にニュースなどでご存じの方も多いと思いますが、要旨は2つ。


・「他殺、自殺、事故死、原因が明らかでない死亡」が告知対象
・賃貸物件の場合、告知すべきは死亡の発生から概ね3年間


割とシンプルなものです。

となると、上記2点を逆に解釈すれば以下のようになります。


・病死や自然死(老衰など)については告知する必要はない
・賃貸の場合でも、3年経過すれば何も伝えなくて大丈夫


 

原状回復の一件で借主・買主寄りなイメージがついてしまった国交省ですが、今回のガイドラインを見る限りでは、割とフェアな感じがしますね。

しかも、例えば不注意で階段から転げ落ちたとか、風呂場で転倒、お餅が喉に詰まっての窒息など、日常生活上のアクシデントで死亡した場合、事故死であっても告知は不要とされています。

 

◆知りたい人だけが知れば良い

ニュース記事で、「なぜこのような基準になったのか」というのを国交省の担当者が説明していました。

いろいろな事例を説明されていましたが、要するに「人は誰でも死ぬんだ。死んだこと自体が心理的瑕疵(住みたくないな、、と躊躇する気持ち)を生むというのは、判例でも否定されている」ということらしいです。

 

事故物件を公開しているサイトで有名な「大島てる」には、ガイドライン案では告知不要とされている事故も、事案発生後3年以上経過している賃貸物件も掲載されています。

大島さんがガイドラインに沿って情報を削除するとは思えないので(笑)、国交省の決定案がどうであっても、こういったものに敏感な人たちは自分で調べて自ら心理的瑕疵を生み出し続けるでしょう。

どこまで行っても終わりのない情報公開は多くの人を苦しめますし、公開サイトのおかげで選択の自由は確保されているのですから、今回のガイドライン策定は意義のあることではないかと思いました。

 

◆知りたくない、という人もいる

野菜の残留農薬をめちゃくちゃ気にする人もいますし、「食べるのが嫌になるから、余計なこと言わないで」という人もいます。

スーパーで売ってる全ての野菜に、残留農薬とか放射性物質の数値が記載されていたとしたら、たとえそれが国の基準をしっかり満たしていたとしても嫌なものですよね。

「事故死や自殺は永久に告知すべきだ」という人は、「このエリアは1944年頃にB29からの爆撃によって多数の死者が出ました」みたいなことを重要事項説明に書いてほしいのかなって思います。

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