不動産投資での「不人気な話」を検証
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不動産投資で失敗する人や、勉強やリサーチはしたけど結局買えずに終わる人は少なくありません。
JFAの不動産投資スクールのような「きちんと実践的な勉強」をされた方でも、同社のホームページによると成功率は半分ちょっとくらいだということです。スクールに通っていない人たちの集団であれば、もっと割合は低いでしょう。
ぼくは「教える人」ではありませんが、ブログや各種媒体、講演などでいろんな話をしている中で気付いたことがありますので、今日はその話をしてみたいと思います。
◆セミナー開催数に見る、成功への早道
まずは、先日のツイートをご覧下さい。
◆ブログ、メルマガ、コラム、セミナーなどで人気のないテーマベスト3
1. 空室対策(管理運営)
2. マインド系
3. 基礎的な不動産知識ということは、この3つを強化することが成功への早道、、、だと思います。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) June 26, 2020
不動産投資で「ウケる」テーマは決まっています。「買う話」です。
一方、上記ツイートで挙げたような管理運営やマインドについての話や、または一般的な不動産の基礎については人気がありません。ブログやコラムのアクセス、セミナーの集客数、かつてはアフィリエイトした教材の売れ行きでもそうです。
しかも、この傾向はぼくが不動産投資を始めた15年くらい前と比べると、かなり顕著になってきていると思います。
スクールを運営しているJFAのようなところでも、10年以上前は空室対策やリフォーム「だけ」を扱った単体セミナーを開催していましたが、今は有料でそれ系のセミナーはほとんど開催されていません。
楽待のセミナー紹介ページでも確認してみましたが、「物件購入」が113件検索されたのに対して、「管理運営」をテーマにしたセミナーはわずか3件。。
不動産投資を志した人の過半数が成果を出せないということであれば、過半数と同じやりかたをしていたのではダメでしょう。
最近こそ改善されているかもしれませんが、少し前の異常な過熱ぶりと、それに比例する失敗した人の増加は、「買うこと」だけへの興味の偏重が招いていたと思います。
◆運営の努力か、多額の自己資金か
管理運営の大切さは、運営歴の短いこのブログでも繰り返しお伝えしているつもりですが、そもそもそういった記事のページ閲覧数が「融資」や「情報ルート」についての記事に比べると断然低いです。。。笑
チャレンジ面談にいらっしゃる方でも、とにかく「楽して入居が決まる物件」を潜在的に求める傾向にあります。
楽して入居が決まる物件は、基本的には良い場所にあったり築年数が浅いので利回りが低いです。利回りが一定以上ないと、借入の返済比率の関係で融資を受けられる金額が減ります。
ということは、自己資金がたくさん必要になります。ひとつの物件に数千万円をポンと出せるような人であれば良いのですが、面談に来られる大部分の人はそうではありません。
つまり、不動産投資は「運営を頑張る」か「自己資金をたくさん出す」しか、利益を出せる物件を買う方法はありません。(質の良い新築アパートを買った場合のみ、最初の数年間だけ楽ができます)
そのどちらもコミットできない人が「頭金10万円で都区内の駅徒歩圏で不動産オーナーになれますよ」という甘いトークに乗ってしまうと、新築ワンルームマンションを購入する(=損をする)ことになるのです。
◆マインド ~与えられた条件でコミットできるかどうか
成功している人の多くは、不動産投資において「マインド」の重要性について強調されています。
例えば、上記のように初心者の方がとにかく「楽に入居が決まる物件」ばかりに惹かれてしまうのも、元を正せば「めちゃくちゃ頑張って満室にするぞ」というマインドセットができていないことが原因です。
不動産におけるマインドセットは、かみ砕いて言うと「達成したい目標のために、ある程度の犠牲を払う覚悟がある」とか「自分に与えられた条件を承諾して、行動に移す」というものです。
例をあげると、このようなものでしょうか。
・何がなんでも自己資金を貯める!
・多額の借金が怖くとも、経済的自立のためには融資を受け続けるしかない!
・呈示された金利3%・・自分の属性であればこの金利でいくしかない!
・三井住友LFしか融資が通らない。じゃあもう、自宅を共担に入れよう!
ここで「自己資金ゼロで買う方法はないだろうか」「1%前半の金利で融資を受けている人がたくさんいるから、自分もそうしたい」みたいにグズグズしているような状態を「マインドセットができていない」と言ったりします。
「もっと自分に有利なやり方はあるような気がする」と信じて探求するよりも、さっさと見切りをつけて行動に移した方が成果が出るのは、これまで数多くの不動産投資家さんが証明している原理原則です。
世の中には、誰もがうらやむような条件で投資ができた「武勇伝」に溢れていますが、背景事情もよく分からないおとぎ話に振り回されず、早く着実な積み重ねが成功への道につながっていると思います。