1棟目に新築を買うメリット
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前回の記事では、管理運営・マインド・一般的な不動産知識の3つが初心者の投資家さんにウケが悪いテーマであること、だからそこを強化すれば成功に近づくということについてお話しました。
とはいえ、誰もが最初から田舎のボロ高利回り物件からスタートしなければいけないということもありませんし、むしろお薦めしません。
著作でも同じようなことを書いてますが、こちらのツイートをご覧下さい。
1棟目に新築を買う3つのメリット。
1.新築に良い条件で融資を出す金融機関が、比較的「一棟目の融資」を好む。
2.運営の難易度として中古の方が高い。
3.最初に取得した新築の間取りやデザイン、設備などが、その後に購入する中古物件の価値向上モデルになる。— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) September 18, 2017
今日は「1棟目としての新築」をテーマにします。
◆「一棟目の新築」は融資を受けやすい
不動産投資の初期ステージでは「欲しい物件」よりも「買える物件」を買っていくしかありません。ババ抜きを分かっていながら、規模を拡大していくしかない時期もあるでしょう。
新築アパート(ここでいう新築は、建売または土地とプランがセットになっている形態のことを指します)は、比較的融資が受けやすい投資スタイルです。
中古に比べて入居が安定していたり、修繕になどによる収支のブレが少ないため、事業実績のない初心者の方にも安心して貸し出しができるとうことでしょう。
しかし、新築アパートに有利な貸し出しをしている金融機関の多くは「他の保有物件があると、その評価に関わらずマイナス査定」することが多いです。
年収その他の属性に応じた貸出枠が、例えば「1億円」だったとする場合、他行での借入はそれがどれだけ良い物件を買っていたとしても、残債がそのまま貸出枠からマイナスされたりします。
上記の例だと、5千万円の他行借入があった場合は新築に貸せるグロス金額が5千万円に下がる・・といった感じです。
機械的なのは間違いありませんが、金融機関が「当行を最初に使って欲しい」というメッセージを出している訳ですから、それに従った方が成果は得られやすいでしょう。
◆最初からビッグマック・・
収益用の不動産をひとつ買うというだけで、たくさんの「初めて経験」をすることになります。
何千万円の買い物をするというだけでなく、実印を使った契約、銀行から多額の借入、家に権利書が届く、賃貸管理会社さんとのやりとり、確定申告と納税などなど。
ただでさえ初めてだらけで大変なのに、中古高利回りアパートを買ったりすると、そこに「ハイレベルの入居付け」「修繕」「滞納」などが加わります。
これは言ってみれば、「小学校に入ると同時に学習塾とピアノとスイミングスクールにも入会する」とか「初めてマクドナルドに行ったのに、注文するのがビッグマック」みたいなものですね。
学校に慣れてから塾に行くとか、最初は普通のハンバーガーにするとか、ステップを踏むやり方の方がスムーズにいきます。
不動産投資ってやっぱり大変ですから、やりやすい道が用意されているなら利用するのもアリだよなって思います。
◆新築は、その後の中古のための「高い基準」
そうはいっても、ぼくの場合は難易度高めの中古アパートで不動産投資をスタートしました。
根性で入居付けはしていたものの、当時の自分に不足していたものは
・入居者の支持を得られるオシャレなリフォームスキル
・住宅設備についての知識
・キレイな新しい家に住んだ経験
上記3つです。なかなか満室にならなかった富山のアパートも、今では上記の知識やスキルが増えていますので、簡単に入居付けできたと思います。
新築を最初に取得すると、そこが自分の基準になります。
ニーズのある設備は完備されていますし、床やクロスだけでなく照明や建具など全てが今風でオシャレです。ボロ系しか購入していない投資家さんに比べて、清潔感の基準は何段階もハイレベルになるでしょう。
2棟目以降に中古物件を購入した際に、1棟目の新築に近づけるようなバリューアップを行うことで、物件価値を適切にアップさせられるようになります。
ということで新築を一棟目として選ぶことは、意外とメリットが多いです。
「業者利益が乗っているから、新築は絶対に買わない」という人もいますが、そんな人が買う中古物件だって、誰かが新築で買ったのものの「出口」な訳です。
毛嫌いしないで、購入候補のひとつに入れてみても良いのではないでしょうか。