錆と腐食のいろんな知識(やや長い記事)

2020年11月4日

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地味すぎる不動産投資セミナーのテーマ。

これが連続すると、本当に地味すぎてアクセスが減りそうなので、時々は「融資必勝法」みたいな記事も混ぜた方がいいと思いますが(安易)、とりあえず今日は続きを書こうと思います。

2番目のテーマは「腐食と錆」ですね。

築の古い物件を買う人にとっては大事な要素ではないかと思います。

 

◆意外と多い、住宅に使われる金属

まずは「サビ」から。

錆びるというのは、金属が酸化することを言います。金属の表面粒子が空気中の酸素や水と反応して表面から脱落していく科学反応なので、金やプラチナなどを除くほとんどの金属は、理論上錆びます。

アパートなどの共同住宅に使われている金属は、内装や機械部分を除いても

・鉄骨造建物の躯体(骨組み)、コンクリートの中にある鉄骨
・階段などの鉄部
・金属の屋根部分(波板や亜鉛メッキ鋼板など)
・金属サイディング(外壁)
・古い物件の場合は配管

など、結構いろいろあります。

錆びない金属だけで住宅を作ることは不可能なので、放置しておけば程度の差はあれ必ず錆びます。ですから、ちゃんとしたケアが必要です。

 

◆錆の予防は、既に錆びている部分に注意

錆を防ぐための手段として、大家さんがよく目にするのは塗装です。

配管などには使えませんが、階段や通路などに使われている鉄部は塗装をすることで錆の予防ができます。

上述のように、錆とは金属表面が酸素・水と科学反応することによって生じるので、塗装をすることで金属が酸素や水と接触しないようにカバーするのです。

ただし、既に錆びている金属は錆の中に空気や水を保持しているような状態です。だからその上から塗装をしても、内部の錆は進行してしまうことが多いです。

一般的に「さび止め」なんて呼び方をする塗料ですが、錆びの進行を止める効果は薄く、実際には「防錆」と表記した方が良いかもしれません。

 

ですから、塗装をする前には既に発生している錆をしっかり落とす作業が大切になります(これを「ケレン作業」といいます)。工務店さんなどに塗装を発注する際には、錆落としが工程や見積に含まれているかをしっかり確認して下さい。

工賃を必要以上にケチると、この部分を手抜きされることもあります。

 

また、防錆だけを目的とした薬剤やスプレーなども販売されていますが、建物の鉄部ということで言えば、塗装をしないで防錆だけをするということが考えにくいので、結局はきちんと塗装をする・・ということに尽きます。

 

◆赤水対策、あるにはあるけど・・

大家さんを悩ます錆の代表例としては「配管」の錆による、赤水ではないでしょうか。

建物内に水道水を供給する配管は、いまはポリエチレンや塩化ビニールが使われているようですが、昔の建物では鉄や炭素鋼製の水道管が使われていました。錆びるの分かってたと思うんですけどね・・・。

 

この赤水ですが、ぼくも以前所有していた旧耐震のRCマンションで悩まされました。ネットで「赤水 対策」などの検索をして、いろんな対策を検討したのを思い出します。

例えば「配管内部を高圧洗浄して、錆を除去する」という手法があります。

しかし、赤水が出るような錆びた金属管は素材そのものが劣化しており、高圧洗浄の水流に耐えられずに破損してしまうことも多いそうです。ちょっとリスキーですよね。

それから、配管内の水に磁気を帯びさせることで、イオンの働きにより赤錆の上から皮膜を作るような(黒錆化させる・・と説明しているものも)作用によって赤水を改善させるという手法もあります。

これは実例も多くて効果がありそうなんですが、小ぶりのマンションでも100万円単位の費用が掛かり、なかなか実施に踏み切れませんでした。

 

赤水は、水を出しっぱなしにしていれば(その場は)ある程度改善されてしまうので、抜本的な改善をする前に売ってしまおう・・という意向が働いてしまうのが中古ババ抜き系投資の悲しいところです。

磁気による改善手法は、ホテルや分譲マンションなどの大規模施設での採用例が多いそうです。

 

◆腐食は戻らないし、取り除けない

本来の意味で、腐食というのは化学的作用によって外見や機能が失われるような状態を言いますので、錆も腐食の一種です。

ただ、通例では錆が進行して鉄部がぐちゃぐちゃになった状態を「腐食している」と呼ぶことが多いです。

 

この腐食。特殊な塗料を注入し、錆部を水と空気から完全に遮断する工法もありますが、当然高いコストが掛かります(見た目、新品みたいになります)

横山鉄工所という、鉄骨の延命補修を専門にしている会社のHPより。
クリックで当該ページへ。「階段を交換する”よりは”安い」とサイト内でも説明されている通り、それなりの値段しそうです。

 

高利回り物件の再生でなら何とか・・というくらいで、自分が持っている物件を腐食させてしまうような恥ずかしい事態は全力で避けましょう。

 

また、木部も腐食しますが、これは腐朽菌という菌の作用によるものです。

これはこれで奥深い知識がありますので、次の機会にお話させていただきます。

建物のメンテナンスについては、物件の保有が短期~中期のスタンスをとっていると軽視しがちですが、知識的に自分の弱い部分でもあるので今後も研究していこうと思います。

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