地方の駐車場、軽んずべからず
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地方の不動産投資は、利回りが高く積算も出やすいので長く「サラリーマン投資家の本流」としての地位を築いてきました。
しかし、最近は遠隔地の物件に融資をする金融機関が減ったために、首都圏の投資家さんが地方の物件を買いづらくなってます。
融資の姿勢は今のように渋めのときもあればユルユルのときもあります。銀行というのは、徐行とスピード違反を繰り返しているようなもので、適正速度で走っている時期は多くなりません。
いま地方の物件を買えた人は大きくキャッシュフローを得て、融資が緩まったタイミングで売れば大きな利益を残すことができるでしょう。
◆当たり前の基準は違う
もちろん、利回りが高い分だけ地方物件は運営が難しく「不動産投資で破綻レベルの失敗をした」人の多くは地方&遠隔地で物件を購入しています。
そんな地方不動産の注意点についてもブログで解説していきたいと思いますが、今日はまず駐車場のお話です。こちらのツイートをご覧下さい。
◆地方の駐車場めっちゃ大事
利回りを上げたいために敷地めいっぱい建物を作り、空室が埋まらない物件も多数あります。
・敷地内が基本
・そうじゃなくても、極力すぐ隣
・月極駐車場でも借り上げる
・駐車場ロスで死亡の可能性も
・土地を買う選択肢も東京の感覚とは大違いなので注意しましょう。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) September 26, 2020
地方では敷地内に駐車場がある家がほとんどなので、共同住宅に住んでいる方も「駐車場はあって当たり前」という感覚です。
必ず戸数分以上の駐車場を確保してください。敷地内になければ他の駐車場を借りるということになりますが、場所は隣地が当たり前。道の向い側でも「ちょっと面倒くさいな」と思われます。
マイカーに辿りつくまでに信号を渡らなければなないようだと、賃貸付けには確実にマイナスです。
浄水技術が世界トップの日本では飲み水レベルにキレイな水でトイレを流しても特に贅沢でないのと同じように、土地がふんだんにある地方では玄関からマイカーまで30秒以内なのが当たり前なのです。
◆借り上げの駐車場代をケチらない
敷地内の駐車場がある程度の台数分確保できており、足りない分だけを近隣の駐車場でまかなっているような大家さんもいます。
必要な台数は時期によって違うし、空室が多めの時期は敷地内だけで足りてしまうこともあるでしょう。しかし、近隣駐車場はMAX必要な分を「借り上げ」で確保することをオススメします。
地方の月極駐車場料金は、1台あたりだいたい4~7千円程度です。
使われていない駐車場を借りておくと確かに無駄遣いのように見えますが、入居が決まったときに駐車場の空きがないと、貴重な申込をみすみすリリースしてしまうことにもなりかねません。
地方であっても1部屋の家賃は何万円もしますので、数千円をケチったばかりにその何倍もの家賃をロスすることになるのです。
また、アパートなどの敷地内駐車場料金のほうが、月極よりも安くなっていることもよくあります。絶対おかしいのですが「駐車場は家賃とセット」的な価値観が形成されているのは事実です。
なので、戦略としては月極を5千円で借り上げて入居者さんには4千円で貸すことで、敷地内外の不公平感を払拭することもできます。(家賃に乗せられるかどうかは分かりませんが・・)
◆ライフラインが止まるリスクを抱えている
駐車場の大半を敷地外に依存しているのであれば、その駐車場が借りられなくなるようなことがないか目を光らせておいて下さい。
ぼくが以前所有していたマンションで、敷地全体を借り上げて13台の駐車スペースを作っていた土地に、地主さんが「息子夫婦の家を建てる」ということで土地の賃貸借を解約されてしまったことがありました。
建物の普通賃貸借と違いますから、いわゆる「追い出し」は簡単です。
そのときは、奇跡的にすぐ近くの土地を借り上げることに成功しましたが、足下を見られて高額な借り賃を払うことになりました。
もしどこも借りられる土地がなかったら、空室率は激増して損失を出してしまったことでしょう。地方物件の車はライフラインと同じですから、駐車場用地を所有していないリスクを軽んじてはいけません。
ツイートの終わりに「土地を買ってしまう」とありますが、そうじゃなくても長期間解約不可の契約を巻き直す、解約予告期間をかなり長めに延ばす、解約しようかなという場合にはこっそり自分に(管理会社経由じゃなく)教えてもらうなど、徹底したリスクヘッジをしましょう。
しかし、駐車場が豊富に確保されている売り物件って、利回りが低いんですよね・・両立している売り物は滅多にありません。