クソ物件オブザイヤー2020
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今年になって、ブログと併せてTwitterの更新頻度を上げたり、閲覧を増やしたりしていますが、Twitterの年末風物詩となっているのが今日ご紹介する
「クソ物件オブザイヤー」
という、不動産投資家さんにとっても価値のあるイベントです。
◆クソ物件オブザイヤーとは?
このクソ物件オブザイヤー。
略して「KBOY」。今年はあの「正直不動産」とのコラボで、作者の大谷アキラさんがメインのイラストを描いています。すごい迫力。
何も知らない人が公式ページを読むと、
・「クソ」というのは経典の「空即是色」から来ている
・グリップ君という名前のゴリラがルールを説明している
・JTの株を高値で買った(らしい)黒人の作業員が代表者
などの混乱を来す要素があるのは間違いありませんが、その辺の概要はそのゴリラの人(グリップ君)のTwitterをフォローしてると大体分かってきます。
なので、ここでざっくりどういうものかを説明しますとKBOYは
「不動産業界の注目された出来事やプロジェクトを、140文字で面白く紹介する」
というものです。
名称のとおり解釈すると、欠陥住宅や変な間取り、入居がつかない不人気物件を選ぶかのように思いますが、そうではありません。
◆「稼ぎたい」その一念がクソ物件を生む
このイベントを知っておくことでの不動産投資家さんのメリットは、端的にいうと「広い不動産の世界を、なんとなく垣間見ることができる」というものです。
アパート経営は広大な不動産世界の、ほんのごく僅かの島国でしかありません。地球における日本みたいなものです。
そしてその世界の登場人物はみんな同じ目的・・・「お金を稼ぐ」ことについて貪欲です。
そして時には暴走したり、脱法行為を犯してしまったり、顰蹙もののウルトラテクニックを使ったり。そんな「我欲に正直な不動産業界」の人たちの行動や成果物が、ときにクソ物件として注目され、イベントのおかげで歴史に名を残すことになるのです。
例えば、KBOY2019で1位を獲得したのはこの作品(?)でした。
【三井の日本橋バーコード】
再開発組合を設立したいけれど借地権者2/3の同意が集められない…。そこで三井不動産はわずか84㎡の雑居ビル敷地を30筆に刻み借地人を水増しするウルテクを炸裂。へルミッペ一・ウーレ・プロケ…謎の合同会社30社が現れて無事再開発できました。#クソ物件オブザイヤー2019 pic.twitter.com/l2ibNBK7qN— どエンド君 (@mikumo_hk) November 12, 2019
借地権者の多数派をとるために、天下の三井不動産が敷地を30分割して新しく設立した30社に名義変更、別の意味の多法人スキームで再開発→無事に高島屋を含んだ高層ビルが完成。
確かに、図面がバーコードみたいです。
2017年の優勝作品は「カーサ桜上水」という分譲マンションなのですが
・分譲マンションの建物が建ってない更地部分を土地所有者が転売
・その土地を買った業者さんが、敷地内に戸建を建築
・結果、分譲マンションが違法建築状態に
というものすごいもので、航空写真で現地を見ると明らかに異様な感じです。
※日刊SPA!より。クリックで当該ページへ(詳細説明あり)
◆世界を知り、時流を読む
KBOY投稿作品は、面白いものだといろんな人が補足コメントをしたり解説を入れたりしてくれるので、前提知識が乏しくても楽しむことができます。
言ってみれば、KBOYとは「業界に精通している人たちによるオモシロ解説がついた、不動産業界●大ニュース」といったもので、イベント名からイメージされる「バカにする」的な要素はほとんどありません。
不動産投資のノウハウが短絡的に得られる訳ではありませんが、このイベントを追っていくことで「不動産の世界を知っている」感は、間違いなく強くなるでしょう。
素人大家さん業界より遙かに広いプロ不動産業界をリスクなく垣間見ることができる、貴重で楽しいイベントとしてウォッチしてみることは、大きな学びになることと思います。
もちろん、ぼくたち大家さんが知ることのできた2020年の不動産ニュースもたくさんあります。
レオパレスの危機と救済、パンケーキ屋さんによる「家賃払わない法律」の提言、民法の改正、姫路の不動産王、先日紹介した微妙な不動産テック、コロナ融資などなど。
文才に自信のある人は、こういったニュースを面白おかしく紹介すると、一気に拡散されてフォロワーさんも増えていくでしょう。
そんなこんなで、KBOY2020は本日からエントリー開始です。