軽薄ワードの背景と解説(後編)
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めちゃくちゃ空いてしまった「軽薄ワード」いついての後編です。
◆根拠がないのに、売り物件を良さげに見せるために使われる「軽薄ワード」7選
1. 資産価値大!
2. 積算○○%!
3. フルローン可能性あり!
4. 大手ハウスメーカー施工!
5. 完全非公開物件!
6. 人気エリア!
7. 大規模修繕済み!— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) May 9, 2023
◆求められるから載せるワード
この「非公開物件」というワードですが、主に業者さんからのメールマガジンに使われていることが多いようです。
こんな感じで、だいたいタイトルに書かれていますね。
ただし、こういうメールは少なくとも数百名の投資家さんに一斉送信されている訳で、受け手からすると「何が非公開じゃい!」と思います。
これは実際に業者さんに話を聞いたのですが、「完全非公開=レインズやポータルサイトに載せていない」という意味です。
掲載義務のない一般媒介だったり、専任媒介でも掲載までの猶予中(7日以内)の状態の物件を非公開物件といいます。上記のメールだと「直接お預かりしている」とあるので、後者である可能性が高いですね。
で、レインズに掲載しなければならない日までに売り切ってしまおう・・ということでしょうか。
実際、投資家さんは非公開物件を好みます。レインズはともなく、楽待などのポータルに掲載されている時点で「結構な数の人が買うのを見送った」物件であるので、「であれば自分も要らないや」と思うのが消費者心理でしょう。(消費者ではダメなんですけど)
非公開だから良いということは全くないのですが、消費者(笑)が求めるからわざわざ書いているんだと思います。
◆どういう人気エリア?
これについては特に言及することもありません。。
人気エリアかどうかは完全な主観であり、またこの単語は解釈次第でどうとでも取れることが理由です。
物件概要とかメール紹介で「人気エリア」と書かれていれば、普通は賃貸需要が旺盛で入居付けに困らないというイメージを持ちますが、実際に数字の裏付けが取れていることはほとんどありません。
あと、「人気エリア」として紹介された物件は間違いなく利回りが劇的に低いので、自分の中ではむしろ「削除ワード」です。
◆いつまでが「昼過ぎ」か
最後に「大規模修繕済み」ですが、これも大変曖昧なものです。
例えば、普通の人のやりとりで「じゃあ昼過ぎに連絡しますわ」という話になった場合、だいたい12時半から14時くらいまでの間に連絡が来ると思います。
しかし、言葉を厳密に解釈すれば、12時から24時までは全て1日の中で「昼過ぎ」であり、実際にいけしゃあしゃあと日が落ちてから連絡してくる人もいます。
大規模修繕もこれと同じで「済み」というと修繕したばかりか、せいぜい2~3年前に外壁と屋上防水をやったのかな・・と思いきや、実施時期が平成20年とかだったりします。
もうすぐ次の大規模修繕をしなければなりませんが、1回でもやれば全て言葉上は「済み」ですから、ウソではない訳です。
さらに言うと、前半の「大規模修繕」の方も何をもって「大規模」なのかの解釈は人それぞれであり、部分塗装と雨漏りの修理をもって「自分的には大規模でした!」と開き直る売主さんもいますね。
このように、ウソではないけど解釈次第でいかようにもなる「軽薄ワード」
毒され続けていると、むしろこういう言い回しをマイナスに捉えるようになってしまい、本当に資産価値が凄かったり、先月修繕されてピカピカな物件を見逃してしまうから困ったものです。。