大家さんを悩ます「付加価値の低い」業務
■不動産投資の羅針盤「プレミア投資部」はこちら
■大家さんのための無料Web情報誌「満室経営新聞PLUS」はこちら
人に与えられた時間は有限かつ平等であり、その時間をどう使うかはそのまま「人生をどう生きるか」に直結します。
できることなら、自分がやり甲斐を感じられたり成長できたり、または単純に楽しかったりするような有意義なことに限られた時間をつかいたい。
誰でもそう思っているはずです。
◆低付加価値の業務に流れてしまう理由
不動産投資は資産と収入を比較的安全かつ効率的に増やすことができ、さらに様々な人との交流や経験を通じて人間的な成長をもたらしてくれます。
大きく考えれば、不動産投資に費やす時間は価値のあるだと思います。
ただ、不動産投資には様々な側面があるのも事実。スペシャルな物件を見つけてから数時間の行動(調査、購入交渉、融資付けなど)が人生を激変させるようなこともあれば、誰がやっても同じ結果になる単純作業も意外と多いです。
こちらのツイートをご覧下さい。
◆大家さんの低付加価値業務
・印鑑証明や登記簿などの取得
・税金や電気代などの支払い
・コピー(銀行提出資料など)
・捺印
・ファイリング
・Excelなどへの入力
・書類の郵送これらを削減(誰かにやってもらう)し、高い付加価値の業務に集中すると規模は増えていくと思います。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) October 10, 2020
何千万円の資金調達や購入判断の裏には、膨大な低付加価値業務があります。
法務局に登記簿を取りに行くという作業に効率化などありません。朝イチでいくとちょっと混んでるから午後の方が良いとかその程度です。
電気代を100回払いに行っても、何かのスキルが上達して電気代が削減できる訳ではありません。
大家さんにはもっと大きな価値を生み出す業務がたくさんあるのですが、上記ツイートのような低付加価値業務に終われると、価値ある業務に使う時間がなくなってしまいます。
また、このような作業でもそれなりに「仕事をしているという感じ」を味わうことはできてしまうので、楽なほうに流されてしまうこともあるでしょう。
銀行を開拓しようと思ってアポイントの電話をするよりも、キンコーズでコピーの仕上がりを待っている方が頭も使わず楽ちんです。
◆必須なのは付加価値の「低い」ほう
やっかいなのは、高い付加価値を生む業務は「サボっていても(成果が出ないだけで)特に問題ない」のに対し、作業系の低付加価値業務そのものをなくすことはできないということです。
固定資産税の支払いをサボって物件探しばかりしていたら、既存の不動産を差し押さえられることになります。
だから結論は「自分以外の誰かにやってもらう」ことしかありません。
簡単なのは、専業主婦(またはそれに近い)奥様に手伝ってもらうことですね(もちろん逆でも良い)お役所や銀行など、大家さんの仕事は平日の日中でないとできない作業が割と多く含まれていますので、その時間に動ける人が近くにいると有利です。
事務員さんを雇用するのも良いですが、事務所の開設や本人の常勤ができないような状態で社員さんを使うのはかなりハードルが高いです。
◆過渡期は一部を外注して乗りきる
社員さんを雇うのはまだ早い。かといって家族にも頼めない。そういう場合は過渡的に一部を外注化しつつ、効率よく仕事を回すしかありません。
まず、土日休みの人でしたら週末の数時間を確保して、自分でやらなきゃいけないような作業を完遂します。
・金融機関用の伝票を自宅で記入して捺印もしておく
・確定申告や決算書などの銀行提出用の資料は、多めに印刷してストック
・法務局関連はネット申請を活用する
・印鑑も自分で押す
・外注できる事務処理は意外とたくさんある
面倒くさそうですが、一度やればあとは簡単になりそう。(クリックで法務局の該当ページに)
経理の入力業務は顧問税理士さんが代行してくれることもありますし、入力代行だけをやっている会社もあります。費用が安いところよりも作業が早いところを選びましょう。
そのほか、いわゆる「WEB秘書」サービスもいろいろあります。その場にいないので書類系の業務(ファイリングなど)を頼むことができませんが、PC内でやれる仕事はなんでも頼めます。
こういうのはすべからく「自分でもできる」のですが、そこを敢えて他人に頼んでみないと進歩がありません。
◆でも、体制を整えるのは大事
低付加価値の仕事をまとめたり、一部外注化することにより少しでも効率よくやる方法について考えてみました。なかなか苦しい(効率的とは言えない)場面もありますが、成長の過渡期ということで頑張るしかありませんね。
ワンルームの事務所とパート社員さんで、月額15万円くらいのコストが掛かることを考えると仕方ありません。
しかし、事務所や事務員さんを揃えることは、金融機関から(サラリーマン大家さんではなく)事業者として認められることにも寄与しますので、なるべくなら頑張って体裁を整えることをオススメします。