東京の区分マンションを100件見た話
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ぼくが最初に購入した物件は、当時住んでいた富山県高岡市から車で15分くらいの場所にある、射水(いみず)市という場所にあるアパートでした。
ただ、そこに行き着くまでにたくさんの不動産を見ました。しかもそれは、富山の一投ものではなくて、主に都内の区分マンションでした。おそらく100件近くは現地に行ってチェックをしたと思います。
◆平日は資料請求、週末に現地
なぜ都内の区分を買おうと思ったのかというと、最初に勉強していた教材で推奨されていたからです。当時は融資が今より厳しく、最初から一棟ものが買えるとも思っていませんでした。
いま持っているファミリータイプではなく、ワンルームがほとんどでした。価格帯としては400~1500万円くらいでしょうか。最初に買付をいれたマンションはJRの武蔵小金井駅の近くにあって、確か800万円くらいだったと思います。
管理がめちゃくちゃなハズレ物件もありました。
上京するには週末を利用するしかありませんので、平日はもっぱら不動産会社のサイトを見て良さそうな物件に問い合わせをします。
今思えばかなり迷惑だったかもしれませんが、同じ不動産会社に1週間で10件くらいの資料請求をするのもザラでした。
2週間で30件の資料請求(1日2件くらい)をすると、だいたい10~15件くらいは「現地に行こう」という水準のものがあるので、月に2回くらい東京に行ってそれを見る・・・という生活が3ヶ月くらい続きました。
◆座席→カプセル→カプセル→座席
東京への移動手段は、深夜バスです。
高岡駅を金曜日の23時くらいに発車して、関越自動車道を通って東京の池袋に着くのが翌朝の5時くらい。さすがにまだ活動できる時間ではないので、まずはこんな時間でもやっている牛丼屋さんかラーメン店で食事をします。
加越能鉄道という会社のバス。当時は「3列独立シート」ではなかったので、隣に誰が座るかで、睡眠の質がかなり変わってしまいました。
そうすると眠くなるので、池袋のカプセルサウナのショートコースで2時間滞在します。お風呂や着替えの時間を除くと、1時間ちょっと寝ることができました。
サウナを出ると8時前後なので、ここから鉄道を駆使してお目当ての区分マンションを見て回ります。
15年前にはスマートホンがありませんので、最寄りの駅から確実に到着できるよう、物件資料と一緒に住宅地図を持っていくのが必須でした。忘れると辿り付けないのです(たまにあった 笑)
6~8件くらい回ると夜になります。宿泊先はいつも同じで、新宿歌舞伎町にあるグリーンプラザという名前のカプセルホテルでした。残念ながら、数年前に廃館となってしまい、いまは建物もありません。
グリーンプラザは宿泊料も4千円ちょっとと安く、館内で食事もできたので重宝しました。疲れたときは奮発してマッサージを受けることもできます。
カプセルホテルで寝られないという人もいますが、前日にはカプセルどころか狭いバス車内で睡眠をとっている上に、1日中歩き回って疲労困憊なので、寝られないはずがありません。
そして翌朝、また館内で朝ごはんを食べたあと、同じように物件を見て回って、夜は適当に済ませたあと、23時55分に池袋駅から出るバスに乗って、月曜の朝6時くらいに高岡駅に戻るというスケジュールでした。
家にダッシュで戻って、着替えて会社に行きます。
◆大量の行動が効率化への道
こうやって文章で書くと大変そうに思えますが、人間何にでも慣れてしまうもので、当時は全然楽勝でこなせていました。困ったのは上述した「たまに物件にたどり着けないことがある」ことと、電車の遅延でした。
幸いにも帰りのバスが遅延して、会社に遅刻するようなことはなかったです。やっていた時期が2004年の4~7月あたりなので、天候に左右されることが少なかったのもラッキーでした。
そして、東京の区分をたくさん見たことは、富山や石川で一棟ものを買う時にもちゃんと役立ちました。
東京や千葉でも、駅前は富山県内と変わらないような場所もたくさんあり、需給関係が安定していれば、閑散としたエリアでも入居はついていました。じゃあ富山や石川でも大丈夫だろう。
利回りは1.5倍くらい地方のほうが高いし・・・といった考え方です。
最も効率的なやり方かと言われたら間違いなく「NO」ですが、このような大量行動は、かなり高確率で良い成果に結びつきますね。たくさんの量をこなしていくと、効率的なやり方も自然に分かってくるように思います。
何をしていいか分からないような方は、何でもいいからバシバシこなしてみるというのも、悪い選択肢ではありません。