ワンルームの営業マンはめっちゃ優秀
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今日は特に役に立つという訳でもない話をします。テーマは新築区分マンション。
このブログを読んでいる方なら、新築ワンルームマンションが投資として成立しない(損をする確率が極めて高い)のかをご存じかと思いますが、それでも投資用のワンルームは毎年建築され、売れ続けています。
こちらの記事にあるように、知識や情報が乏しく勉強もせず、しかも楽をしてお金を稼ぎたい人がいるので、そのニーズを満たすために新築ワンルームが建ち続けているという訳です。
◆安くなると売れないワンルーム
今日は、ワンルームが売れているもうひとつの側面についてお話します。
売れてる理由。それは「営業マンが優秀だから」です。
稼げる営業マンとして思い浮かぶのは、外資系の金融を除けば不動産でしょう。高額なインセンティブがモチベーションとなり、優秀な人が集まってくる構図は何十年も変わっていません。
ワンルームの価格には営業マンへのインセンティブがたくさん含まれていますが、そのインセンティブを半減してその分の価格を下げたとすると、優秀な営業マンは他社や他業界に移ってしまい、マンションは売れなくなってしまうことでしょう。
高額で投資としての価値を下げるほど、より多く売れてしまうのは困ったものですが、これも変わることはありません。
◆「担当」に溶け込みすぎている
ぼくもサラリーマン時代にはワンルームの営業を受けていました。
既に不動産投資を始めていた後で買う気はありませんでしたが「それでも話をさせてくれ」というのでファミレスで面談をしたことがあります。
いやあ、もう本当に優秀な人でしたよ。当時の自分より少し若いくらいの社員さんでしたが、見た目も話し方もさわやかで印象が良かったです。
その営業マンは、当時ぼくがいた三井住友海上の「担当」だということでした。こちらで指名した訳でもないのに担当とか言うんだ・・と思いました。
しかし、さすが担当ということで会社のことをよく知っています。
「寺尾さんは入社9年目ということですから、課長代理ですね」と挨拶されたので、びっくりです。「年収もこのくらいでしょうか。であれば税率が・・・」ということで、人事や給与水準のことも把握していました。
そして「うちの会社のことはご存じないと思いますので、説明させていただきます」といって鞄から取り出したのは、会社案内ではなくて「三井住友海上の社内システムから検索した、同社の会社情報」でした。
社員の誰かが、検索・印刷して営業マンに渡したのです。
大したものですよね、よほど気に入られて信用されていないと成し得ないことです。
当然、無断でこういうのを渡すのは規則違反ですし、見事に担当先に溶け込んでいました。
◆優秀なセールストーク
それからの説明もかなり上手で、「もっと儲かる不動産投資がある」ということを除けば特段の矛盾点もありません。
自分の場合は、キャッシュフローを目的で不動産を買っていること、ワンルームを買うことで与信を毀損してしまうこと、立地よりも利回りを重視していることなどを丁寧に説明してお断りした訳ですが、面談は終始よい雰囲気でした。
ワンルームの営業というと、少し前に話題になったツーブロックのゴリラさんのようなイメージがあるかもしれませんが、そういう人はごく一部です。
このゴリラ営業マンに契約をさせられた人もそうですが、ワンルームマンションはクーリングオフができますので、脅して契約しても続きません。
その営業マンは、ぼくの同期の社員の名前を何人も出し「ご購入いただきました」と言っていたので、やはり脅しではなくきちんと納得させて売ってきたのでしょう。
実際、脅しができるような風貌でもありませんし。
あと、当時の三井住友海上では無事故だった場合に保険料の一部が戻るという自動車保険「もどリッチ」という商品を販売していたのですが
「ワンルーム投資で、税金がもどリッチです!」
って言ってました。この殺し文句で「担当先」の社員を落としてきたのです。
優秀ですよねぇ。