「良いスタート」なんてムリ

2020年7月13日

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不動産投資で経済的自由を実現したいと強く思っている人であっても、なかなか一棟目を買うことに踏み出せず「良いスタートを切る」ために、何ヶ月何年も行動に移せないままの人は多いです。

著書の中で「10km走らなきゃいけないのを、”なんとかして9kmで済ます方法はないだろうか”と考えているうちに、さっさとスタートした人はゴールしている」という話を書いています。

良いスタートを切るよりも、早くスタートするほうが成果は出ます。

 

◆みんな大して良いスタートではない

メガ大家さんの「1物件め」を調べてみても、


・どこにでもあるハウスメーカーの築浅アパート
・100万円くらいの区分
・融資が通るというだけで買った北海道のRCマンション
・公庫で買った中古高利回りボロアパート


みたいな感じで、特にぱっとするような要素はありません。

 

「1棟目の物件が生涯最高の取引でした」というような投資家さんがほとんどいないことからも「良いスタートよりも早いスタート」の方が上手くいくことを物語っているのではないでしょうか。

 

チャレンジ面談に来られる人でも、そういうタイプは少なくありませんので「なぜ、ここまで良いスタートを切ることに執着するのだろう」と考えてみました。

いくつかツイートをしていますが、おそらくこういったところに理由があるのかもしれません。

 

◆(イメージするような)良いスタートが切れる人とは?

昔の自分も含めて、これから不動産投資をしていこうと考えている人のほとんどは、十分な自己資金(金融資産)を持っていません。

本来「100万円のキャッシュフロー」みたいな状態を不動産で実現するのであれば、最低でも5千万円くらいの自己資金が必要なんだろうと思います。

 

しかし、実際にはそうじゃない人も成功しています。ぼくも、850万円くらいの自己資金から3年ちょっとで上記の状態を達成しました。なぜかというと、


・年収が高かった。(1050万円くらい)
・地方在住で、地元に利回りの高い物件がたくさんあった。
・とにかくフルで融資がつく物件を、好みにかかわらず買い進めた。
・わずかな金融資産を全て投げ打った。(補足①)


というような要素が重なったからだと思います。

金融資産の乏しい方が短期で物件規模を増やしていこうとすると、相応の勤務先属性に比べて、上記のようにかなりムリをしないといけません。

 

◆「普通の人はできない」し「自分は普通の人」

数千万円レベルの金融資産がなくても、不動産投資で規模を増やしていくことはできます。しかし、その手段にはあまり選択肢がありません。

自分が欲しいような物件を買える確率は極めて低いと思います。

 

そこを受け容れられるかどうかで、「普通のサラリーマンが数年でリタイア」という当面のゴールに辿り付けるかどうかが決まります

でも、なかなか行動に移せない事例では「金融資産が少ないので、逆に全部使ってしまうのは怖い」と言ってみたり「東京にしか住んだことがないので、地方の物件はちょっと・・」なんて躊躇してしまうんですよね。

 

少し厳しい話になりますが、良いスタートが切れるのは


・別の事業で成功を収めて、既にメインバンクとの関係ができている人
・良い場所に立派な土地を保有している地主さん
・成功している開業医、弁護士、公認会計士などの専門職
・普段の給与がほとんど住民税でなくなってしまうようなエリートサラリーマン(補足②)


のような人に限られます。

「そんな人、人口の1%もいないのに何言ってんだ」とお感じの方。そうです。本来不動産投資(融資をきちんと受けて、場所も見栄えも良い物件を買うような投資)というものは、普通の人にはできないものなのです。

 

そこを自分の努力と根性で割って入ろうとしているんだ・・・と自覚できれば、少しは腹も据わるのではないでしょうか。

だいぶ前に少し似たコラムを書いていますので、こちらもご覧下さい。

HOME’Sコラム:ハイクラスサラリーマンの「選民思想」

 

◆自分の立ち位置を把握して、それでも頑張れるかどうか。

「~でもできた」系の書籍や断片的な情報によって、「どんな人でも」「自分の好きなやり方で」成果が出せると思い込んでしまうのは、読書や勉強のマイナス面ではないかと思います。

自分の(投資家としては)大した高くもない立ち位置を認識し、目標達成のためには手段は厭わないというつもりで頑張れば、おそらく相当な高い確率でうまくいくはずです。

もちろん、プライドが邪魔をして「そこまでして頑張りたくない」という人もいるでしょう。それはそれで早く見切りが付けられて良かった訳で、スタートを切れなくて不毛な時間を費やすよりはマシです。

 

※補足①「金融資産を投げ打った」ことについて

フルローンでも諸費用の支払いがあるので、どんどんお金は減っていきます。キャッシュフローが増えても、1年やそこらで回収できるものではありません。それでも規模拡大を追求した結果、一番少ない時期には「預かっているはずの敷金」さえも大きく割り込むほどまで自己資金を投入しました。


※補足②「給与が住民税でなくなる」ことについて

金融系などでびっくりするくらいの高額給与を取っている人は、月給に比べて賞与の割合が非常に高いです。賞与が月給の20ヶ月分ということもあります。そうすると、前年の高額な収入をもとに計算された莫大な住民税が、年収に比べると高くない月給から天引きされるので、月の手取りがほとんどなくなってしまうことがあります(逆に納めにいくケースも)

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