「こんな経費、知らなかった」という失敗
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今日も不動産投資の失敗について。少しネットで検索するだけで、様々な失敗事例を見つけることができますが、パターン化すると以下のどれかに当てはまると思います。
◆失敗のパターン
・空室が埋まらない
・計画した家賃が入らない
・想定外の運営コストが掛かる
・建物や設備の故障
・入居者や近隣のトラブル
・物件価格が想定以上に下がる
・事故と災害これで全部網羅できてると思います。
パターンが分かれば対処法も分かる訳で、これから研究していきます。— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) July 9, 2020
今日は上記の中から「想定外の運営コストが掛かる」についてお話したいと思います。
◆経費の読み誤りは格好悪い
上記の失敗パターンのうちで、今回のテーマである「想定外の運営コスト」によって経営が立ちゆかなくなるというのが、ぼくは一番ダサいのではないかと思っています。
空室が埋まらないとか家賃が下がってしまうことは、周辺の環境が変化したり競合がたくさん出てきてしまうなどの外的要因によって起こりえます。
もちろん、そこまで想定して事業計画を組むべきですし、競合に負けない運営努力はすべきだと思いますが、仕方のない側面もあります。
しかし「想定外の運営コスト」は、物件を買った本人にとって「のみ」想定外であることも多く、売主さんとかある程度勉強している投資家さんなら「え?そんなことも知らなかったの?」ということがほとんどだからです。
こちらは「マンション経営大学」というホームページからの資料ですが(画像クリックで当該サイトへ)
・固定資産税が収支に反映されていない。
・修繕積立金が1000円というのは非現実的。
くらいのことは、すぐに突っ込めると思います。
しかし「固定資産税が掛かるなんて知らなかった」「管理費に含まれていると思っていた」というような人は意外と多く存在します。
◆よくある中古一棟ものの経費
中古の一棟もの物件の場合だと、
・エレベーターのメンテナンス費
・エレベーター、給水ポンプなどの動力電気代
・一般的な原状回復費用
・共用部の水道代
・消防などの点検費用
・入居付けの際の広告費
・借地の場合の地代
・共用部の清掃費用
・樹木の剪定、雑草の処置(草刈りや除草)
といったコストが掛かるのですが、知らずに購入してしまう人もいます。
一棟ものを買うような人の中には、固定資産税を忘れてしまうような人はいない思いますが、地方の積算超過物件を買ったりすると、その金額の高さに驚くことでしょう。
投資用物件の販売(仲介)会社が物件資料と一緒に提示する収支シミュレーションでは、こういった経費を15~20%くらいのざっくりとした金額で想定しているところも多くあります。
しかし自分の経験上、こんな程度で収まる物件は稀です。
参考記事(HOME’S):経費率15%という”超”適当な予測
場所と築年数によっては、経費率が30%を超えるような物件も珍しくありません。慣れてくるまでは、こういった収支の予測はしっかりと行うことをお勧めします。
◆自分も知らなかった経費とは?
ただ、ぼくも物件を買うまで知らなかった経費というものがありまして、それが「水道メーターの交換費用」でした。
日本には「計量法」という法律がありまして、水道メーターは8年ごとに交換することが義務づけられています(ガスメーターなども交換期限が定められています)
ほとんどの自治体で「戸建は自治体が負担、共同住宅は所有者が負担」という運用になっており、これはぼくがアパート経営を始めて数年経つまで知らなかったことです。
交換費用は戸あたり何万円もしますので、保有期間中に交換時期が来ると結構な負担を強いられることになります。
水道メーターが新品になっても入居付けには何のメリットもありませんので、できれば避けたい支出なのですが、違反の罪は意外と重く「懲役6ヶ月以下、罰金50万円以下」とのことですので放置する訳にはいきません。
ただでさえ多くのリスクに囲まれている不動産投資ですから、ちょっと勉強するだけで防げるような失敗は早めにつぶしておくに限ります。