遠隔地での賃貸経営は難しい?
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今月の頭に、久しぶりに北陸に行って来ました。
ぼくは現在、石川県の能美(のみ)市と小松市にそれぞれ一棟ものマンションを所有しています。合計で75戸、月の家賃収入は2物件で330万円くらいです。
※以前は金沢市と加賀市にも物件を持っていました。
どちらも購入してから相応の期間が経っているので、今はメールやLINEなどの連絡で事足りることが多いのですが、一応定期的に現地を訪問するようにしています。
管理会社さんとの顔つなぎ的な意味合いもありますが、日頃困っていることについて話を聞いたり相談したり、あとは現地を見てきちんと管理がされているか、バリューアップや修繕の必要性はどうかなどを確認します。
◆遠隔地の不動産を持つことの心配
ぼくの住んでいる横浜から現地までは、飛行機を使った場合で3時間半。東京駅まで出て北陸新幹線ルートで4時間ちょっと掛かります。大した時間ではありません。
よく、遠隔地に不動産を購入することについて異常な恐怖心を持つ人がいますが、そこはちょっともったいない考え方だと思います。
首都圏にお住まいの方が地方で不動産を保有するメリットとしては
・高い利回りとキャッシュフローが得られる
・地元の大家さんのレベルがあまり高くないので競争優位
・経費で旅行に行ける
などがあります。今はむしろ、融資の関係で遠隔地の物件を購入しづらくなっていますが、買えるチャンスがあれば積極的に取り組むべきと考えます。
遠方を心配する方の意見としては「何かあった時に、すぐ現地に行けた方がよい」というのが多いですが、こんな時ぼくは質問してみるのです。
「何かあったとき、現地に行きたいですか?」
「そもそも『何か』って具体的にどんなときですか?」
これにきちんと答えられる人は多くありません。
◆現地に行かなければならないことって?
ぼくが一番現地に頻繁に行くのは、購入してからすぐの「テコ入れ」の時期ですが、それでもせいぜい月に1回くらいです。
世の中には毎週のように遠方に出張するビジネスマンもいますし、このレベルが苦痛になるようでは、そもそもの精神的スペックに難があるかもしれません。
ちなみに、購入して高稼働が安定するようになったら、訪問は年に2回もすれば十分で、あとは趣味的に行くことの方が増えます。
「そろそろカニの季節だから富山に行こうかな」といった感じです(笑)
そして、現地に急行しなければならないようなことって、おそらく何らかのアクシデントのことだと思いますが、それって水漏れのことでしょうか。パッキンの劣化でしょうか。
ぼくはおそらく、物件が火事で焼けてしまったとしても、現地に「急行」するようなことはしません。向かったところで消火活動ができる訳でもありませんしね。
メールやLINEで被害の状況を確認して、保険代理店さんに連絡を入れて、お見舞いなどの手配をして、諸々落ち着いたところでちゃんと予定を立てて現地に行くと思います。
自分の意思と無関係に、現地に急行しなければならないイベント(トラブル)などないのです。
◆出張費用は「投資」
もしかしたら、現地に訪問する経費がアパート経営の収支を圧迫すると思って、遠隔地の投資を躊躇しているのかもしれません。
今回の訪問はJALのビジネスパックを使いましたが、往復クラスJ(新幹線でいうグリーン車のようなちょっと良いシート)を使って3万円くらい。
現地でのレンタカーが1泊で8千円、ガソリンやホテルの駐車場代が合計で3千円弱なので、空港までの往復交通費などを入れても4万円ちょっとで済みました。
これを高いと思うか安いと思うかは人それぞれですが、この訪問活動によって「どこかの部屋の空室期間が1ヶ月短縮できれば元は取れる」ということです。
または、訪問での打合せによって家賃が各部屋500円上げられたり、リフォーム単価がほんのわずかでも引き下げられれば、出張としては完全に合格です。
出張のコストが気になってしまうような人は、おそらくまだ物件を持ってないと思いますが、こういった費用を「投資」ではなく「消費支出」と捉えてしまっている可能性が高いので、そこを改めないと不動産経営は難しいです。
出張費用はもちろん、設備投資や関係先の接待なども含めて「家賃や入居者を”買う”」という価値観で動かなければいけません。