ホステル投資はなぜダメか

2020年9月29日

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少し前の楽待ニュースで「ホステル投資」で投資家さんが騙されてしまったという記事を見つけました。

※楽待サイトより。クリックで当該ページにいけます。

 

ホステル(客室を共用で使うタイプの宿泊所)をお金を出しあって開設し、利益を分配しましょうという仕組みだったようですが、


・不動産を取得するのではなく、転貸によるビジネス
・当初の稼働率を大きく下回り、客単価も減少
・中には、工事まで中断して開業できていないケースもある


という体たらく。

何名かの投資家さんが「被害者」として損害賠償請求の訴訟を起こしたということですが、詐欺(刑事事件)でもおかしくないレベルだと思いました。

 

◆懲りてない人・・

興味深いのは、このホステル投資にはシェアハウスの「かぼちゃの馬車」で損失を出したオーナーが何人も含まれていたということで、うさんくさい話に乗ってしまうマインドは痛い目を見た後でも変わらないんだな・・・と思いました。

ちょっとタチの悪い訪問販売を行うセールスの人が、屋根に「朝日ソーラー(太陽熱温水器)」がついている家を狙うという話を聞いたことがありますが、それと似ています。

もちろん、業者さんが何らかの方法でリストを入手し、カモにしたのでしょう。2件も投資できる財力や属性はすごいです。

 

◆不動産投資の利点とは?

ぼくは「自分でコントロールできること」こそが、株式など他の投資にはない不動産のメリットだと思っています。

日清食品の株を買って、自分でカップヌードルをドカ食いしても株価には影響ありませんが、不動産を買ってリフォームすれば価値が上がります。

 

こういうタイプの投資で上手く行っているものもなくはないと思いますが、建築も運営も他社に完全依存で、投資家はお金を出すだけという仕組みは怖いなと感じます。

自分がやっている賃貸業も多くの人や会社にサポートを受けていますが、全ての業務は「自分でもできる(賃貸管理など)」か「他の業者さんが無数にある(修繕や清掃など)」のどちらかです。

ホステル投資のように、パートナーを変えることが事実上不可能なのはリスクでしかありません。

 

◆絶対に考えなければならなかったこと

Twitterでよく見る名言(?)に「向こうから来る物件は全部クソ」というものがあります。

これはある意味間違っていないと思いますが、大家さんは上手に売り込まれるのもスキルのうちなので、いろんな投資案件に興味を持つことは悪くないと思います。

実際、良い売り物件がメルマガで届くようなことも珍しくありません。

 

ただ、ホステルが本当に有望なものであったとしても、この投資には絶対に気付かなければいけなかったNGポイントがありました。

それは、この投資で得られる驚異的な利回りです。

※クリックで元ページへ

 

利回り44%!!ここで絶対に撤退です

こんな利回りが確実に出せるなら、この投資を持ちかけた会社が普通に金融機関で融資を受けて自分でやってしまえるはずじゃないですか。

利回り44%の売り物件を見つけたときに、銀行に打診をするのではなく見ず知らずの人を集めて「一緒に買いましょう」って誘うかどうかを考えれば、おかしな話であることは一瞬で分かります。

 

◆不動産投資っぽいけど全然違う

誰か説明会で、このこと聞かなかったんですかね。

もしかしたら「プロジェクトの実績がなく、融資が出なかった」というような回答があるかもしれません(正直過ぎますが)

であれば、他人のお金を貸している金融機関でもダメだった案件に、自腹で投資するのは怖いって思いますよね。

 

ということで、これからも似たような話は形を変えて出てくると思いますが、不動産投資の「フリ」をしている魅力的な案件を見つけたときには、それがなぜ自分のところにやってきたのかを考えてみれば、損をするようなことはなくなるでしょう。

 

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