中期の不動産投資(純資産拡大フェーズ)
■不動産投資の羅針盤「プレミア投資部」はこちら
■大家さんのための無料Web情報誌「満室経営新聞PLUS」はこちら
だいぶ前に、初期段階の不動産投資についての解説をしましたが、その後の記事を書いてないことを思い出しました。
※関連記事:初期段階の不動産投資(キャッシュ優先とその代償)
そのあとすぐにネタツイート(後でブログ記事になるツイート投稿)をしていたんですけど、記事にし忘れた・・というものです。毎日書いてると「書いたつもり」になっているテーマもあるようです。
昔と違って、自分のブログを読む習慣がなくなってしまったので、たまに読み直してみないといけませんね。
◆トータルの収益を重視する
中級者というのは、必要最低限のキャッシュフローを確保したあと、純資産を拡大していくような人を指します。こちらのツイートをご覧下さい。
◆中期(純資産拡大フェーズ)の不動産投資
・必要な金額+αのCF確保後
・重視すること
出口までトータルで見た利益
資産の組み替え
決算書の各種指標・犠牲になること
短期的なCF
表面利回りサラリーマン大家を卒業。金融機関との関係強化を進め、事業者として活動します。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) August 22, 2020
キャッシュフローを最優先することで、出口の見通しや金利条件など様々なことが犠牲になるという話を前回にしていますが、ある程度のCFが確保できると「真の利益」を追求できるようになります。
利回りやキャッシュフローといった瞬間的なお金の流れではなく、物件を買ってから売るまでのトータル収益が高いものを選べるようになるのです。
◆資金投入で稼ぐ投資
自分の場合でいうと、以下のような変化がありました。
・自己資金をドカンと出して、物件の再生で高収益を狙う
・返済比率が高い区分マンション投資を拡大
・事務所を開設、社員さんを雇用して会社っぽくする
・なるべく多くの銀行と、濃い付き合いをする
数年前に、6千万円で買った古いRCマンションを9500万円で売却したことがあるのですが、店舗の割合や空室が多くて購入時には5千万円の融資評価でした。LTVでいうと83%くらい。
取得税を入れて1500万円くらいの自己資金を出しているのですが、サラリーマン時代にはこういう物件に融資を付けることはもちろん、仮に融資がついても自己資金不足で買えませんでした。
また、今も持ってるアパートのひとつは購入時に全空で、購入直後に内外装の修繕で1600万円くらいのお金を使いました。これも会社員時代は当然ムリ。
ぼくはやったことありませんが、土地を現金で購入して「地主カテゴリー」で融資を受けて新築を建てるような投資家さんもいます。
◆キャッシュフローも元金返済も同じ
区分マンション投資は返済期間が15年程度と短いことが多く、さらに利回りもネットで6%くらいと地方の一棟ものではあり得ないくらい低いので、キャッシュフローはあまり(ほとんど?)出ません。
月々の収支は「ちょい浮き」くらいで、更新料が入ればその分プラスになるといった感じ。
しかし、薄いキャッシュフローの裏では毎月何百万円もの元金が返済されており、「長期借入金の減少=純資産の増加」という形で決算書の数値を良くしていきます。
BS(貸借対照表)において、「物件を買うときにいくらの自己資金を使ったか」は関係ありませんし、キャッシュフローと元金返済の扱いは同じです。
だから、会社が資金不足にならない限りは、自己資金を入れても入れなくても、どちらでも良い物件であればOK。返済期間も別に何年でもOKと考えるようになります。
◆金融機関を積極的に開拓
メガ大家さんレベルを目指すとなると、金融機関との取引が2つや3つでは難しい水準です。金融機関を開拓して取引数を増やす活動が大切になってきます。
そんな時、事務所や社員さんがいるとかなり有利ですし、何より業務がどんどん楽になっていきますが、ない場合は自分で電話をしてアポを取り、自分でキンコーズに行って決算書や確定申告書のコピーを取り、銀行の支店を訪問します。
それで、自社のことをいろいろ話して知ってもらい、まずは自社の審査をしてもらうのです。多くの金融機関で、この作業のことを「スコアリング」と言うようです。
物件を持ち込む前から、どういう条件なら融資を受けられるかをおおよそ把握しておくことで、ローン特約なしの買付が入れられるようになったり、よりレベルの高い不動産購入ができるようになります。
このことは、区分マンションをたくさん買えている理由のところでも説明をしています。
※関連記事:与信の勘違い(区分でも融資を受け続けられる理由)
このようにして、キャッシュフロー星人から総合的な利益を追求するような体制にシフトし、体裁も会社っぽくしていくことで事業者として認識されるようになる・・という訳です。
自分の場合で、不動産投資をスタートしてからこの状態になるまで8年くらい掛かりました。もうちょっと早くやれたら良かったんですけどね。