「大きな物件を買うのが怖い」人に役立つ話
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チャレンジ面談にお越しになる方の多くが、中期的な目標として「給料と同じくらいのキャッシュフロー」を目指しています。
限られた自己資金の中でそれを達成しようとする場合、平均で3~5億円くらいの規模を購入しなければなりません。1億円あたり200万円のCFが得られたとして、5億円購入でCF1千万円という計算です。
◆失敗と破産の区別
しかしながら、多くの物件を買うことについて非常に消極的というか、恐怖感がある人も同じようにたくさんいらっしゃり、「物件は買いたくないけど家賃は欲しい」といった矛盾を抱えていたりします。
特に「最初は規模の小さいもので」といった人が多いので、今日はそういう人に向けた記事です。
こちらのツイートをご覧下さい。
◆したくないのは「失敗?」「破産?」
規模が小さければ確かに破産のリスクは減ります。億単位の家賃収入と預金がある人でも、借入ゼロの何もしてない人より破産リスクは高い。
だからといってグロス金額だけが小さいボロ物件を、運営力もないのに買おうとするのは「失敗」の確率を上げるだけ。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) December 1, 2020
まず、金額についてのキャパシティを広げる必要があります。
億単位の借金なしにリタイアレベルの家賃収入は得られませんので、そこは恐怖心なり拒絶反応なりを克服しなければなりません。
そんな時に参考になるかもしれないのが上記のツイートです。初心者の方は「失敗」と「破産」とを明確に区別できていない人も多いので、そこは修正しましょう。
小ぶりの物件、給料の範囲内で支払っていけるレベルの規模であれば、確かに自己破産につながるリスクは減ります。しかしそれでは目標にも届きません。
そして、「成功する(儲かる)か失敗する(損をする)」かは、物件の規模とは関係ありません。むしろ1~2千万円で売られているジャンクな中古アパートは運営も難しく、失敗確率は高いでしょう。
だから買い手が少なく、その結果として安く売られているのです。
◆融資の「本数」にも制限がある
もちろんキャッシュで物件を購入するなら、小規模でも構いませんし物件種別も問いません。
メガ大家さんでも、最初はワンルームをキャッシュ購入したような人は多いです。
ただ、融資を使うなら話は別で、1億円のRCマンションを1棟買うのと2千万円の中古アパートを5棟買うのは融資の付きやすさが全然違います。
サラリーマン属性を活用して短期で買い進めたいのなら、ひとつの金融機関が融資可能な範囲でなるべく大きな物件を選んでいくことが大切で、そこを理解していない人は割と多くいます。
融資金額の制限があるのと同様に、融資「本数」の制限もあることは理解しておいてください。
◆不動産を買うことは「消費」ではない
規模の大きな不動産を買うことに怖さを感じる人に、役立つことを教えましょう。
実は不動産というのは買うことができるのと同時に、売ることもできます。しかし不動産を買ったことがない人は売ったこともないはずなので、そこを忘れてしまっている人が多いです。
例えば海外旅行に行く際に、空港などで日本円を米ドルに替えたとしましょう。
その時あなたは「お金を消費した」と思うでしょうか。そうではなく「両替した」と思うはずですし、実際その通りです。
不動産を買うときも同様で、現金・預金が不動産に変わっただけです。
これは法人の貸借対照表(バランスシート BS)でも同様で、不動産を買うこと自体に資産の増減はありません。
きちんとした価格で購入すれば、同価かそれ以上の金額で売却することができます。
だから、不動産(土地・建物)は「資産」に計上されるのです。
◆美味しいステージ
ということで、規模に対する恐怖心を払拭するためのお話をさせていただきました。
ぼくは現在8億円以上の債務を抱えておりまして、自分の賃貸経営が完全に失敗した場合、毎月500万円以上の返済を他の収入でまかなうことは不可能ですから、間違いなく破産ということになります。
ただ面白いのは、これから保有規模が増えて例えば2倍の16億円の債務を抱えたような場合でも、賃貸経営失敗のゴールは同じように破産だということです。
一方、「上手く行った場合」のリターンは、保有規模が増えるほど大きくなります。資産も使えるお金もどんどん増えていきますし、事実そうなってます。
失敗した場合のダメージは変わらず、上手くいった場合のリターンだけが増えていく。
破産と失敗の区別ができて自分のキャパシティを広げられれば、そういう美味しいステージにたどり着くことができます。