不動産の「勝ち確」についての考察
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毎日、朝から晩までコロナの報道ばかりで、テレビ局も観ている人もよく飽きないなぁと感心する日々ですが、今度は緊急事態宣言(2ヶ月ぶり3度目)で、お酒の提供を禁止するとか夜は電気を消すとか・・もうバカすぎて笑っちゃいますよね。
日本がどんどんダメになりますが、コロナで土地や建物が朽ちる訳ではありませんので、大衆が「自粛」と称して頑張るのをやめている間も、自分はバリバリやっていこうと思います。
◆往復のコストを回収するだけ
さて、今日は不動産投資で「勝ちを確定」させるということについてお話したいと思います。こちらのツイートをご覧下さい。
購入諸費用7%、売却諸費用4%とすると、不動産を買って同価格で売る場合、買値のわずか11%以上をネット家賃で回収すれば利益を出せる計算です。
物件の価値を維持・向上させていくことがてきればそう簡単に損はしないと思うんですよね。キャッシュフローだけ見てるから失敗する。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) April 15, 2021
「わずか11%の家賃を回収するだけで利益が出る」というものですが、ツイート中の「購入諸費用」とは、仲介手数料3%に登記費用、それから半年後くらいにやってくる不動産取得税を合計したら大体このくらい・・という数字です。
1億円の物件なら700万円くらい。
売却諸費用は、同じく仲介手数料と買う時よりはぐっと低い登記(抵当権抹消)費用の合計です。
ひとつの不動産を買って売るだけで、11%のコストが掛かってしまうというのは、なんとも割が悪いですね。
これが一般の商品であれば利益を出すのは至難の業ですが、不動産は保有しているだけで家賃という収益を生みます。
◆簡単なようで難しい理由
一般的な表面利回り10%のアパートがあったとして、空室や経費を除いたネット利回りが7%だとすると、往復の売買に必要なコストは1年ちょっとで回収できることになります。
所得税(または法人税)を支払うとしても、3年運用したあとで買値と同額で売却すればトータル収支が黒字なのは間違いないでしょう。いわゆる「勝ち確」です。
なんだか、めちゃくちゃ簡単なように見えますよね。
しかし実際は、不動産を購入して損をする人はたくさんいます。それはなぜかというと、さらっと書いてある「買値と同額で売却する」ことが意外と難しいから。
建物は年々古くなるので価値が下がり、何もしなければ数年後の売却想定額は買値よりも安くなることが一般的です。ではどうするか。
一般的な不動産投資としては、3つの要素で「勝ち確」を目指します。
◆勝ち確をめざすための要素
ひとつめは「不動産の下落以上に家賃で稼ぐ」というものです。
不動産の価値が年に1%下がり、一方家賃による収益が税引き後で購入価格の5%だとすると1年に4%の「実質利益」が生まれ、往復の売買コストである11%を3年で上回ることになります。
それ以降はいつ売却しても「勝ち確」です。
ふたつめの要素は「価値が下がらない不動産を買う」というものです。
建物が古くなっても価格が上がる不動産というのは存在します。日本の通貨供給量は爆発的に増えているのに、一等地の面積はほとんど増えないからです。
年に1%ずつ価格が上がっていく不動産を買えば、家賃収入の利益がまったくなくても11年で売買コストを回収。勝ち確となります。
そしてみっつめは「自分で価値を上げる」ことで建物の老朽化による下落を食い止めるというもの。
これは、入居率の改善やリフォームなどで本当に価値を上げるものと、はじめから相場より安く買うものに分かれますが、これが上手にできると非常に短期間で「勝ち確」の状態が作れます。
極端な話、1億円で売れる不動産を9千万円で買うだけで、自分のものになった瞬間から勝ち確です。
空室が多くて安く売られていたアパートを買って満室にすれば、確実に買値以上で売れるでしょう(でなければ、買値が高かったということです)
◆要素の積み重ねで、勝ったり負けたり
ということで、不動産は
・価値が下落しても家賃の回収がそのペースを上回る
・さらに、なるべく価値の落ちにくい場所を狙う
・さらにさらに!相場よりも安く買うことを常に心がける
・さらに!さらに!さらに!買ったあとの価値向上に努める
ということで、何重にも「勝ち確になりやすい要素」を積み重ねることによって、成功する確率を限りなく100%に近づけることができるという訳です。
損をしてしまう人は、そもそも相場よりも高く買ってしまい、さらに価値の下落に家賃の回収が追いつかず、自分で価値を上げていこうという努力もしないという、何重にも「負け確」の要素を積み重ねて失敗しているんですね。
家賃収入や利回りももちろん大事ですが、不動産の失敗は「売値が下がる」ことで確定することがほとんどなので、価値の維持向上にしっかりと目を向けることが大事だと考えます。