最近の貯金なさすぎ問題
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不動産投資では、上級者になるほど融資の話をしなくなります。
ぼくも初心者の頃には「○○銀行は積極的らしいよ」という話題に興味を持ったものですが、実際のところ融資に積極的かどうかは「借りる人(会社)次第」です。
同じ支店の同じ担当者に持ち込んでも通らない人は通らないし、なんなら同じ物件を持ち込んでもダメな人はダメだということが分かってくるので、一般的な融資についての情報共有をしてもらっても意味がないという訳ですね。
特別な融資制度や協会融資についての情報は共有する価値がありますが、結局のところ融資は「自分次第」です。
◆「良い物件」よりも「貸せる人」が優先
なかなか融資が通らない人についてのツイートをご覧ください。
ずっと融資が受けられない人に割と共通するパターンが「資産背景や実績が足りてない分を、すごい物件を持ち込むことで埋め合わせようとする」ことですが、融資はまず「良い物件かどうか」より「貸せる人かどうか」を見られます。だから高属性の会社員だと新築1Rでオーバーローン出たりするのです。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) March 16, 2023
物件のパワーで自分の属性や資産背景上のマイナス面をカバーすることは、極めて難しいことです。
例えば自分は、金融機関最強の牙城と言える三菱UFJ銀行に、去年口座開設を試みましたがダメでした。お金を借りたいんじゃなくて預金がしたいという話なのに、断られてしまうのは不条理を感じます。
そんな三菱UFJに「明日にでも買値の倍で転売できるようなスペシャル物件」を持ち込んでも、当然融資を受けることはできません。
逆のパターンはツイートにもありますが、買った瞬間に大損することが確定するような不動産であっても、物件に対しての十分な資産背景があれば(ワンルームの場合は安定した給与収入)どんなダメ物件でも融資が通ったりもします。
◆貯金以外ならなんでもする人
ツイートにある「資産背景が足りてない」というのは、初心者・未経験者の場合は要するに「貯金が少ない」ということです。
貯金をするというのは、これまでしていない人にとっては大変な苦痛を伴う作業のようで、「自己資金ゼロでもできる」というキラーワードはどの時代でも関心を惹きます。
実際には結構ヤバめのインチキをしない限り、今の時代は自己資金ゼロのまま買うよりも貯金をして正々堂々と融資を通す方が簡単です。
前に書いた「貯金をして不動産投資買うのは難しい」という記事と矛盾するように思えますが、これは既にある程度の貯金がある人に対してのものです。
最近は、本当にゼロに近い貯蓄状態のまま「ゼロ円でゲットしたい」とか「転貸式の戸建賃貸をしたい(※)」というような人に会うこともあります。
※募集されていない空き家を見つけて所有者と直接交渉するという、極めて高度なコミュニケーションスキルが必要な事業。
また、自己資金の作り方も、地道な貯金や副業ではなくて「新車の転売(※)」なんかの高リスクな手法に興味が持たれていたりと、そこまで節約するのが嫌なのかなぁ・・と怖くなることも。
※比較的借りやすいマイカーローンで新車を購入。自動車に所有権留保されない場合はそのまま車を売却しても残金を一括返済する必要がないので、そこで浮いたお金を元に不動産を買おう・・といった危ないノウハウ。
◆まともな選択肢を採れる貯蓄額
不動産投資は、資産があるほど安全で手堅い物件を買えるようになります。
そういうものが買えないうちは、場所やスペックをある程度妥協して、入居付けに苦労するような物件を買っていくしかないのも事実ですが、「貯金800万円での選択肢」と「貯金50万円での選択肢」には大きな差がありますし、リスクの度合いも桁違いです。
上記の記事くらいの自己資金があると、割とまともな投資スタンスを選ぶことができますので、そのあたりを目掛けてしっかり貯金に励みましょう。
最近は軽い噂話程度の情報を鵜呑みにして「お金全然なくても不動産投資ができる」と思い込んでいる人が増えたなぁと思って、今日の記事を書きました。
個人的には、自己資金ほぼゼロ系の人で「会社が休みの日にアルバイトをしよう」という人がまったくいないのが不思議です。
一番確実に、かつ過度な節約をしなくてもお金が貯まる手段だと思うのですが。