募集の甘さを改善する方法
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空室を埋める力を持つと、経営が安定して多くの利益を出せるだけでなく、購入できる不動産の幅も広がります。
何もしなくても安定して家賃が入って来るような物件を、乏しい手元資金で購入できるような時代ではありませんので、空室対策はこれからの不動産投資に必須のスキルであると言えます。(これまでも同じでしたけど・・)
◆これまでの復習
空室対策の基本としては、まず「空室の原因は2つしかない」と知ることです。
原因2つとは「家賃が高い」か「募集が甘い」。家賃が高いというのは、提供している価値に比べて高いという意味なので、では価値を上げる方法というのもたくさん知っておく必要がありますね、という話もしました。
今日は残りのひとつ「募集が甘い」場合の対策について説明します。
◆適切な募集を阻む「3つの問題」
募集が甘いというのは、ご自身の空室が適切に募集されていないということで、3つのパターンに分けられます。
1.募集してくれる「人」の問題
2.告知されている「媒体」の問題
3.お薦めのクオリティの問題
ご自身の物件に入居を付けてくれる人が、いつも同じだという大家さんは少なくありません。委託している管理会社の、自分の物件を担当している(らしい)営業マン1名が、ほぼ全ての入居を決めているという状態です。
これが、「管理会社の営業担当5名と、近隣支店の営業担当3名、さらに他の仲介会社のみんなが自分の物件をよく知っていて、総勢25名が案内してくれている状態」に変わった場合を考えてみましょう。
家賃以上の価値が提供されている物件であれば、瞬く間に入居が決まるはずかと思います(むしろ割高な家賃でも決まります)
空室に悩んでいる大家さんの多くは、「募集してくれる人」が絶対的に不足していますから、まずは数を増やすことを考えてみましょう。
◆募集中のお部屋が見つからない
最近のお部屋探しは、ふらりと不動産会社を訪問して「引っ越しするんですけど」というお客さんはほぼいなくなり、ほとんどは事前に賃貸ポータルサイトで目星をつけた上で、仲介店舗に問い合わせをしています。
従って、ポータルサイトにしっかり掲載されているかどうかは、空室の埋まるスピードに直結する大事な要素になりました。
空室がある大家さんは、一度ご自身の物件がポータルサイトにどのように掲載されているかを確認しているといいと思います。
設置されている設備が検索に反映してなかったり、部屋の面積や築年数などの数値が間違っていたり、写真が適当だったり、そもそも掲載されていなかったりして、がっかりするかもしれません。
サイトの掲載には費用が掛かるので、全ての空室が掲載されている訳ではないことは知っておくべきかと思います。
また、現在ユーザー数が一番多いと言われているのは「SUUMO」ですが、こちらは比較的新しいサイトである上に掲載料が高めだということもあって、利用していない不動産会社もまだ多いです。
管理会社がSUUMOと契約していない場合は、他の仲介会社に頼んで掲載してもらうなど、やれることは何でもやってみましょう。
◆自分の物件を「アテ」にされない
賃貸仲介会社(管理会社含む)は、どこかの空室に入居を決めて仲介手数料などの売上を得ることを目的としています。売上の目標が達成できれば良いのであって、決める物件は極端な話どこでも良い訳です。
そして、IT全盛の時代であっても仲介営業マンの力は絶大で、優秀な営業マンであれば、かなりの確率で自分の狙った部屋に決めさせることができるそうです。
ですから「この部屋に決めさせよう」と意図して案内をされるのと、他の部屋の引き立て役として案内されるのでは、成約率が違って当然です。(ちなみに、このような引き立て役のことを「アテ物件」といいます)
自分の部屋を「決め物件」にしてもらえるよう、大家さんとして頑張りたいところです。
案内時の印象が良くて契約に誘導しやすいことはもちろん、条件面(広告料など)でもある程度優位にある必要があります。また、営業マンも人間ですから大家さんの熱意に応えたいという気持ちを持ってくれる人もいます。
営業マンに響くポイントを、試行錯誤しながら探っていく必要がありますね。
募集が甘い3つの要因は、どれかが単独でダメだということは少なく、どれもイマイチであることが多いです。
それぞれのポイントを少しずつ改善させていくだけで、相乗効果で大きな成果につながることも多いので、この機会にぜひご自身の募集状況について見直してみることをお薦めします。