不動産投資のダメなところから導く投資スタイル
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以前の記事で、不動産投資が優れている点について説明しましたが、もちろん不動産が完璧だということはなく、他の投資に比べて劣っている点もたくさんあります。
ぼくは不動産投資を始めて以来、株式などの他の投資にほとんど手を出していませんが、上手にバランスをとっていろんな投資をされている人もいます。
不動産だけに資金を全力投入して買い進める時期もありますが、そうでない時期は比較的資金に余裕があるタイミングも出てきます。そんなときに他の投資についても知っていると、より高い収益が狙えると思います。
◆ダメなところを知り、より良く投資する
不動産のダメな点についてツイートしています。ダメなところを知ることで、より良いお付き合いができる。人間関係と同じではありませんか。
◆不動産が他の投資よりダメなところ
・取引の手数料が高い
・複利の効果がほとんどない
・流動性が低く、現金化しづらい
・ある程度のコミュ力が必要
・税負担が大変株などで安定して勝ちづけている人は、不動産の上記のようなところがイヤって言うことが多いです。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) July 6, 2020
まず、取引の手数料が超絶に高い(買って売るだけで6%+消費税)です。株式の売買手数超はネット証券の場合売買価格の0.1%以下が普通ですので、べらぼうに高いといっても過言ではありません。
要は「短期売買で収益を稼ぐのは難しい」ということです。
転売業は確かに儲かるのですが、相当大きなディールを恒常的にやらない限り、賃貸によるインカムゲインの効率性を上回るのは難しいと思います。(さらに言えば、やり過ぎると宅建業法違反にもなります)
◆怒りを覚えるほどの税負担
次に順序が違いますけど、税負担について。
不動産投資は本当に税金面で不利です。負担が大きすぎます。投資用マンションの勧誘では「節税になりますよ」なんて言われますが、これは低い利回りを隠すためのセールストークでしかありません。
株式は配当金にしろ売却益にしろ、分離課税として累進課税(給料や不動産所得など)の対象外となります。株式を購入しても取得税が掛かることはありませんし、保有していても固定資産性のような課税はありません。
特に取得税の負担は非常に大きく、積算評価の高いRCマンションを購入した際には、家賃3ヶ月分近い金額が課税されることも珍しくありません。(取得税は購入後6ヶ月くらいで支払いになることが多く、買ってからのキャッシュフローが全て吹き飛ぶことになります)
◆では、売買しないで超長期保有が良いのか
また、不動産は投資信託のように「運用で得た利益を合わせて運用し、元本がどんどん増えていく」というようなことがありません。ツイートの「複利の効果がほとんどない」というのはここに当たります。
また、以前の記事でお話したように、高いレバレッジを掛けて物件を購入していても、元本返済が進むにつれて投資効率が悪くなっていくという特徴もあります。
短期の売買を繰り返すのは手数料と高額な取得税の負担が大きくてメリットが出づらい。しかし借入を使って購入した物件をずっと保有し続けるのも効率面でイマイチ。
ということは、高いレバレッジをかけた不動産投資は「中期保有で売却する」のが収益面でも、運用効率(より多くの不動産を保有できるようになる)からいってもメリットが大きいように思います。
◆中期保有なら「売り時」を選べる
特に、普通の人の不動産投資初期段階は乏しい自己資金との戦いです。長期安定して運営ができるかどうかよりも、高い比率で融資を受けられることを優先せざるを得ないこともあります。
なんとか買って、難しめの物件を格闘しながら元本を減らしていきます。ツイートにもあるように不動産は流動性に乏しく売却までに時間が掛かりますが、しっかり運営しながら適切なタイミングで売却活動を行えば、良い価格で売れます。
そして、売却益をより大きな物件(または複数の物件)に再投資することで、複利に近い効果を自分で生み出すことができるという訳です。
バカ高い手数料と税金、乏しい複利効果、低い流動性。
これらのデメリットを最小限に抑えつつ、不動産投資のメリットを享受するための答えは「中期保有」ではないかと思いますし、実際ぼく自身もそうしています。
6~10年程度の保有を見越して不動産を購入し、その間は大規模修繕をしないでしのぎつつ、物件価値を高めて残債を大きく上回る金額で売却・・・これが、サラリーマン投資家の「典型的な勝ちパターン」のひとつです。