ファミリー区分投資の収支
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今日から3月になりました。
賃貸の繁忙期は、なぜか去年以上に盛り上がっていない気がします。企業が転勤などを控えるようになったことと、大学の多くが対面での講義を完全には再開していない状況なので、入学生の部屋探しが減っているようです。
学生向けのワンルームなどは、今年は厳しくなりそう。
◆区分マンション投資のしくみ
さて今日は、ぼくがメインで取り組んでいる区分マンション投資についてお話してみようと思います。こちらのツイートをご覧下さい。
◆ファミリー区分投資の収支構造
・購入額1800万円
・手取り家賃108万円/年(ネット6%)
・借入1500万円、17年、金利2%・年間返済額104万円(CFほぼゼロ)
・5年後に退去→リフォーム200万円
・残債1110万円
・実需向けに2400万円で売却300万円&諸費用が1千万円くらいになって戻る想定です。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) February 27, 2021
同じ部屋でも、賃貸中の投資物件として売られている時と、リフォーム済み空室で実需向けに売られている時とでは価格に違いがあることに注目した投資です。
利回りが低いので、保有期間中にはキャッシュフローがほとんど出ません。
また、フルローンが出ることもほとんどありませんから、少額とはいえ毎回自己資金の拠出があります。
上記の場合は300万円と、仲介手数料や取得税であと100万円くらいでしょうか。1戸買うごとに400万円でも、50戸なら2億円の自己資金が必要です。そしてちなみに、現在の保有は54戸。
◆横浜で長期保有している部屋
実際の保有している区分マンションの収支をご紹介しましょう。
マンションA(横浜市保土ケ谷区、2014年2月購入)
・購入価格 1720万円
・毎月のネット家賃 127,360円
・毎月の返済額 98,998円
・キャッシュフロー 28,362円
購入して7年経過したマンション。ネット利回りは8.8%にもなり、かなり安く買えている事例になります。マンションのグレード自体は高くないので、価格の下落リスクは低くはないだろうな、、という感じです。
これを、マンションの簡易査定ができるサイトで確認してみると、売却予想価格として以下のような数値が出ました。
マンションの立地やグレードを考えると、ツイートのような「ネット利回り6%」という水準では買えないですね。実需相場は、購入額の2割増しくらいだということが分かります。
この物件を購入する際には、1500万円の融資を受けました。現在の残債は794万円です。
入居者さんが退去した場合、200万円かけてリフォームして2200万円で売却できれば、諸費用を支払っても手元に1千万円ちょっとのお金が残る想定ですね。
◆都内のほうが価格差が大きい(ことが多い)
物件ごとの詳細は、「プレミア投資部」で全て公開していますので、興味のある方はぜひチェックしてみて下さい。(プレミア投資部の詳細はこちら)
もうひとつ見てみましょう。
マンションB(東京都足立区、2016年10月購入)
・購入価格 1,370万円
・毎月のネット家賃 80,280円
・毎月の返済額 72,859円
・キャッシュフロー 7,421円
購入後4年半が経ちました。ネット利回りは7%を超えており都内の割には高めなのは、築年数が古めだからです(昭和63年築)
しかしキャッシュフローはほとんど出ていません。固定資産税を年に1度支払うと、手残りはほぼゼロでしょう。
しかし、こちらも売却想定を確認すると、かなりの乖離があります。
こちらの物件取得のために、1,100万円の融資を受けて現在の残債は782万円まで減っています。価格差は横浜の物件よりも大きくなる傾向なので、やはり都内のマンションは高いということです。
これも、退去→リフォーム→実需売却で利益を見込めます。
◆「相場が上がる」ことには頼らない
ひとつ前の記事で「キャッシュフローと融資条件だけで判断をすると間違う」という話をしていますが、上記の事例は融資条件も大して良くないし、キャッシュフローも出ていません。
もちろん、相場の上昇だけをアテにした投資は非常に危険です。
安定したキャッシュフローを確保しながら、安全圏(土地値を割り込むか、投資金を回収する)まで元金を減らしていくのが不動産投資の王道でしょう。
ただ、この区分マンション投資のように「価格が上がる理由が明確で、今後もその傾向は変わらない」ということであれば、比較的手堅いのではないかと思います。