家賃滞納ブームによる「司法崩壊」

2020年5月2日

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緊急事態宣言は、おそらく5月末くらいまで延長されるとのことですが、この1ヶ月だけを見ても日本は大変なことになっています。

新規の感染者数は、グラフの通りきっちり減少傾向を示しています。

ピーク時は1日あたり700人以上が感染していたんですね。その時期に比べると、今は3分の1以下の水準まで落ちてきています。

 

ただし、経済はとんでもない領域に差し掛かっています。

 

緊急事態宣言前の1~3月の統計で67%減ですので、次の四半期は壊滅的な数字が出ることは間違いありません。失業、廃業、自殺者、経済的な理由による殺人を含む犯罪・・・がこれから多発します

「まだ収束とは言えないから延長しよう」という提言を政府にする人たちは、コロナによってご自身の経済環境が悪化しにくいので、今回のような杓子定規な判断になるんでしょうね。

 

大家さんも、当然のことながら無関係ではいられません。

飲食を中心としたテナント系は、既に賃料の猶予・減免交渉に本格的に乗り出していますが、住居系の入居者さんも収入が下がったり失業したりという理由で、家賃を払えなくなる人が増えます。

住宅確保給付金や生活保護などの制度も、かなり低い家賃帯の物件でなければ全額の給付には至りません。

 

また、怖いのは「家賃を払わなくても良いんじゃないか」というムードが形成されつつあることです。

本当に払えないような経済状態の人は仕方ないにしても、「これだけ滞納している人が多いのだから、自分がマジメに払うのは損だ」という意識が芽生え、意図的に支払を止めるような人が続出しかねないと、ぼくは心配しています。

 

医療崩壊という言葉が最近よく聞かれますが、病院だけでなく、裁判所も警察署もキャパシティを超えたニーズが生じてしまえば崩壊します。「パンクする」というやつですね。

 

日本の法律では家賃の不払いは完全に民事なので、入居者さんに出て行ってもらうには「建物明け渡し訴訟」で判決をもらわなければなりません。また、判決が出ても明け渡しに応じない場合は「強制執行」の手続きが必要です。

判決が出ているからといって

・入居者の荷物を勝手に出したり処分する
・シリンダーを交換して、入居者が部屋に入れないようにする
・入居者が恐怖を感じるような口調で退去を迫る

 

これらは全て違法です。裁判で勝ってるのに退去を迫ったら違法って、どういうことなんだろうとは思いますが・・。

 

ですから、滞納者が激増すると裁判所で明け渡し訴訟の処理がし切れず、結果的に相当な長期間居座られてしまうことになります。

裁判がスムーズに進んでも、滞納が始まってから合法的に退去させられるまでは半年くらい掛かります。「司法崩壊」で裁判所がパンクしたら、それこそ年単位で滞納を容認させられることになるでしょう。

 

医療崩壊の現場では、捌ききれないほどの患者が殺到した際に「生きる可能性の高い人から優先的に治療をする」という「命の選別」が行われるといいます。

同じように「裁判の選別」が行われたらどうなるでしょう。
「左うちわの富裕層」というイメージを持たれやすい大家さんが、経済的に困っている人へ処分を下す裁判。優先して処理されるとは思えません。

 

フルローンに近い融資比率で物件を購入している投資家さんは、だいたい満室時家賃の2~3割くらいがキャッシュフローとして手元に残っていると思います。

「空室率が3割になったら収支が赤字になる」という水準は、3割の人が滞納しても同じく赤字になるということです。しばらくは危機感を持って、手元の現金をしっかり確保しておくことをオススメします。コロナ関連の融資や給付金もちゃんと活用しましょう。

 

 

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