レントロールはしっかり読もう(罠がいっぱい)

2020年9月19日

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売り物件の資料において、物件概要書と同じくらい重要なのが「レントロール」です。入居状況と部屋ごとの家賃をまとめたものですね。

買うか買わないかの判断をするためだけであれば、この2つの資料があれば十分です。

 

やれ固定資産税の評価証明だ、公図や建築図面や・・とあれこれ資料を要求する行為は、何度か話している「リスクはないけど進んでいる気がする」ための畳水練的なものですので注意しましょう。

 

◆レントロールは「脚色」できる

今日はレントロールのチェックポイントについてお話しますが、この資料の特徴として「良く見せることができる」というのがあります。

優れた投資家さんが不動産を売りに出す場合、なるべくレントロールが良く見えるような取組を、売却の数ヶ月前から準備することも多いです。

 

物件概要書に載っている建築年や建物の面積を、事実と違った数値で掲載することはできませんが、レントロールでは「実態」と違った「事実」を短期間だけ作り出すことができます。

募集条件を大幅に緩めて実力以上の家賃で入居を決め、それによって物件の利回りを上げて売りに出すようなこともあるでしょう。

そういう意図がなくても、レントロールをチェックすることで「運営の実態」がかなり見えてきます。

 

◆入居期間による家賃の差

上記のツイートでいうと、入居率と空室数の確認は当然として「居住年数と家賃のばらつき」は、募集家賃がどのように上がったり下がったりしたのかを読み取ることができます。

 

レントロールには「契約日」が書かれていることが多いですが、この契約日は「2年間の賃貸借契約の始期」が記載されていることもあるので注意してください。

「去年入居した人がこの家賃なら、この数字を他の空室にも当てはめて大丈夫だな」と勘違いすると、実は載ってる契約日は「直近の更新日」であり、その賃料で成約したのは10年以上前だった・・ということもあり得ます。

 

こちらの画像は実際の売り物件から抜粋したもので、比較的良心的な会社が作成していると思われます。

 

全て同じ間取りのマンションですが、86400円で居住している部屋があるにも関わらず、空室の想定賃料は58000~60000円で利回りを計算しています

このように空きが多い物件だと、空室部分の想定賃料を恣意的に上げる(もちろんそんな家賃では決まらない)ことで、利回り=売値をガツンとアップさせられますから、欺されてはいけません。

上記のケースで、空室想定を7万円で計算するような会社もある訳です。

 

◆敷金から読み取る将来性

敷金を確認することは、非常に大切です。

同じ家賃であっても敷金2ヶ月での募集条件で決まっているものと、敷金ゼロで決まっているものでは、将来の家賃下落リスクが大きく違うからです。

以前に保有していたマンションでは、家賃が15%くらい上乗せすることで敷金をゼロにするプランというのを用意してましたが、敷金ゼロプランを選択する入居者さんもいらっしゃいました。

敷金を預かっている部屋は、その家賃での競争力が高い。言ってみれば「余力を残している」ような状態と言えますね。

 

もちろん、自分の保有中は売却時の利回り確保のために、家賃は極力落とさず運営します。

だから保有期間中には敷金をゼロにしたり、場合によってはフリーレントを付けたりしてでも、購入時と同じ家賃で募集を継続するようにしていました。

 

◆「いつの入居が多いか」は割と大事

入居時期の偏りを確認する目的は2つあります。

ひとつは純粋な意味での「入居が決まる時期」の把握のため。通年で同じように入居が決まる物件と、1~3月の繁忙期にしか決まらない物件があります。

 

後者が絶対ダメという訳ではありませんが、例えば学生向けで2~3月のみが勝負という場合は、繁忙期は相当力を入れて募集をしなければなりませんし、週ごとに反応を見ながら家賃などの条件を調整していく必要があります。

3月末になっても空いている部屋があるなら、賞味期限間近の安売り惣菜のように、大幅値引きしてでも埋めた方がトータルの収益は多くなるでしょう。

 

もうひとつは、売却直前の「無理やり入居」がないかどうかの確認です。

売る直前で急激に入居率を上げている場合、直近の入居者さんは審査を極端に緩めていたり、膨大な広告料を払って強引に決めていたりすることが多いです。

払った広告料はレントロールに載ってませんので、いくらでも嘘がつけてしまいます。

物件を買ってから仲介会社さんを周り「次もADは4ヶ月でいいですか?」なんて言われたらお先真っ暗です。

購入判断に必要のない資料を延々と要求するような時間があったら、レントロールをしっかり見て、上手く脚色されていないかどうかを見極めて下さい。

レントロールを正しく読み切れていれば、不動産投資の失敗確率は激減するはずです。

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