高利回りでも「買うのを避ける」物件の条件
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ぼくが区分マンションと並んで積極的に取り組んでいる投資法は「空室の多い高利回り物件を購入して、満室経営に持っていく」というものです。
入居率(売上)が明確に上がることで物件の価値(=売却想定額)も必ず上がります。リスクが高いようで、実はコントロールできる部分の多い安全な投資法だと思ってます。
◆3点ユニットの部屋に住む理由は?
基本的には、どんな物件も価値を上げて満室経営に持っていくことはできるのですが、そんな自分でもスペックを確認した段階で「これはダメだ」とパスをするような条件があります。
今日はそんな「NG物件」についてお話します。
◆空室だらけ高利回りでも「避けるべき」物件
・家賃3.5万円未満の3点ユニット
・1㎡あたりの家賃が1千円未満
・家賃5万円未満で、室内に洗濯機置き場がない
・地方で駐車場がない
・2DK以上で洗面脱衣所がない東京に住むなら妥協すべきスペックも、家賃が低い地域では致命的な弱点になります。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) August 6, 2020
先日上記のようなツイートをしていますが、まさにこの5つが自分にとってのNG条件です。努力では超えられない欠点があり、欠点を克服する経済合理性がないからです。
3点ユニットの物件に住む理由ってなんでしょうか。
まさか「トイレの直後に全身を洗いたい過度な清潔意識の持ち主」ではないでしょう。答えは単純に「セパレート(バストイレ別)の部屋は家賃が高いから」です。
ぼくの経験では、セパレートの部屋に比べて5千円くらいは安くないと、3点ユニットで妥協する材料になりづらいですが、ワンルームの家賃が3.5万円を下回るようなエリアでは、セパレート物件と賃料5千円の差で設定するのが難しいです。
室内洗濯機置き場の有無も同じように考えることができます。
そもそも、洗濯機をベランダのような場所に置く手法は、土地が高くて広い部屋を作りづらい都会の苦肉の策であり、タダ同然の土地にそんなスペックの建物作って何を考えてんねんっていう話です。
洗濯機置き場はだいたい1㎡くらいのスペースですが、ぼくが物件を買うようなエリアの土地値なんて1㎡で3万円くらいのものです。
3階建ての建物であれば、洗濯機置き場に必要な土地値は1万円と換算することもできます。一方、洗濯機置き場を室内に増設しようとすると何十万円もの工事費用が掛かります。
なんでそんな費用をケチったの?と嘆くしかありませんが、とにかく田舎の「ベランダ洗濯機物件」に、逆転の道は残されていません。
◆低単価でまあまあ広い部屋の運営は地獄
以前の記事で説明したように、基本的には同じ家賃帯の中でビッグ3(駅からの距離、広さ、築年数)のスペックがライバル物件に勝ち越すような設定をしていくのですが、家賃を下げれば良いというものではありません。
あまりに賃料単価が低い物件を買ってしまうと、修繕や募集コスト(広告料など)の経費率はどんどん上がっていき、満室経営でも採算が取りづらくなってきます。
おおよその目安として、1㎡あたりの賃料が千円を切っていると危険です。
20㎡のワンルームで2万円以下の家賃というのは滅多に見ませんが、40㎡の2DK物件で家賃が3万円台というのは結構あります。
普通の原状回復をしただけで家賃1年分が吹っ飛び、家賃3ヶ月分掛かるエアコンを2台設置しなければならないなど、地獄の運営が待っています。
ここまで単価が下落していると、いくら設備や内装を良くしても上げられる家賃は知れていますので、こういう低単価物件で利益を出すのは難しいでしょう。
◆1部屋1台でも足りないことがある
あとは駐車場と脱衣所です。
車が必須のエリアで駐車場を作らなかったのは、「限られた敷地の中で部屋を少しでもたくさん作って利益を上げよう」という強欲な理由以外ありません。
1戸に1台分のスペースでも足りないと言われてしまうような地域で、戸数分の駐車場スペースが確保できないのは致命的。
物件資料のチェックでは、きちんと敷地面積と建物の延床面積を比較して、いわゆる容積率(延床面積÷敷地面積)が100%を超えているような場合は駐車場がない(足りない)ことが多いです。
たまに、隣地の駐車場と一緒に売り物件が写真に撮られていて、あたかも駐車場がついているように見せかけていることがあるので注意しましょう。
また、昔は日本人の生活様式が違ったのか、脱衣所がない間取りというのは平成初期あたりの物件でも割とよく見かけます。洗面台がなくてキッチンの流し台がそれを兼ねていたり、廊下のような場所に洗面台だけ置いてあったりします。
単身者用の部屋ならまだ良いのですが、2人以上が住む想定ではかなりキツいでしょう。後付けで洗面所を作るような工事は、家賃数年分が飛んでしまうので、実質的には改善の余地がありません。
スペックばかりに文句をつけて運営の努力をしないのはダメですが、努力ではどうしようもない弱点がある物件をわざわざ購入する理由もありません。
自分の中で明確な基準があれば、業者さんに希望を伝えるときも説得力がありますので、自分なりのNG条件を決めておくのはオススメです。