将来への不安を解決する考え方
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不動産投資に踏み切れない人がよく言う理由として「30年後までアパート経営が成り立つか分からない」というのがあります。
30年という期間に明確な根拠はありませんが、要するに「ローンの返済期間が終わる頃までちゃんと運営していける自信がない」というような意味合いでしょう。
確かに人口は減ってますし経済も不安定だし、将来はどうなるか分かりません。しかし、こういう発言をする方は少し勘違いをしていますので、今日はその解説をしたいと思います。
◆安く買えば、将来を不安視する必要はない
説明用のツイートを少し前に投稿していますのでご紹介します。
◆ひとつの物件において「勝ち(トータルで利益が出る)」と考えて良いのは
1. 購入翌日に転売しても15%以上高く売れるとき
2.キャッシュフローの累計が残債を上回ったとき
3.残債が「土地値−解体費用−最初の拠出金」を下回ったとき完済だけがゴールではないです。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) August 14, 2020
「先が見通せない」なんていう理由で不動産投資を躊躇している人は「買った不動産は売ることもできる」という、大事なことに気付いていないか、または忘れています。
売ることを考えながら不動産を選ぶことは、間違いのない購入をする上でも非常に重要です。
上記のツイートは「ローンを完済しなくても利益が確定するケース」をいくつか挙げたものですが、まず1番目の「市場価格より15%以上安く買う」ことは、不動産で利益を出す非常にシンプルな方法です。
往復の仲介手数料、不動産取得税、登記費用などの経費はおより購入価格の7~10%になります。
だから、15%以上安く買えれば損をすることはありません。すぐに売ってもいいし、しばらく保有して家賃を稼ぎ、さらに利益を拡大してもいいです。
買った価格より高く売れることが確定していれば、ローンの返済年数などどうでも良い指標になってしまいます。
◆下落リスクは圧倒的な利回りで対抗
高利回りの物件では「家賃で購入価格を完全回収する」ことが、比較的短い年数でもできることが多いです。
このような物件は、高い利回りと引き換えに価格や家賃の下落リスクを抱えていることが多いのですが、上記のツイートのように「キャッシュフローの累計 > 物件の残債」という状態になれば利益は確定していると言えます。
例えば、残債が1千万円ある不動産を持っているけど、これまでに得たキャッシュフローが既に1500万円になっている場合、極端な話としては不動産をタダで手放したとしても、手元にあるキャッシュフローでローンを完済できます。
価格が上がろうが下がろうが、自分がこの物件で「損失を出す」という結果にはなりません。
価値の下落が予想される物件は、それを上回る利回りで短期回収してしまうのが必勝セオリーだと言えます。
◆土地値ですべてを解決する
3番目はもう少し現実的な線で、簡単にいうと「残債が土地値を割り込んでいる状態」です。
所有しているアパートがどれだけ古くダサくなっていても、そのアパートを取り壊して土地として売ることでも利益を出せることが確定していれば、建物の老朽化を心配する必要はありません。
もちろん解体にも費用が掛かりますし、そのアパートを購入した際に拠出した自己資金についても既にキャッシュフローで回収しているか、土地売却での余剰金でまかなえることが前提です。
ちまたにはボロくて「運営大丈夫?」というような築古アパートがたくさんありますが、見た目の頼りなさとは違って既に利益が確定しているような物件がたくさんあるものと思われます。
むしろピカピカのRCの方が、「築浅=残債が減ってない」ということで、財務的には弱かったりするかもしれませんね。見た目と実態は違うことも多いです。
◆まとめの数式
上記のツイートをまとめると、不動産投資のトータル収支としては
[ 累計CF+売却予想額 ] > [ 自己資金拠出額+残債+各種諸費用 ]
という数式が成り立っていれば、その投資は勝ち(黒字で終わる)ということになり、不等号の向きが逆(<)であれば、今の段階で不動産を売ると負け(赤字で終わる)ということです。
買った直後から「>」になっているのが理想ですが、そうでなければ何年後に「>」になるのかを考えながら不動産を選んだり買ったりしましょう。
そうすれば、間違いのない購入ができるようになるのと同時に、誰も分からない何十年後のことが不安で買えなくなるようなこともなくなります。