積算にこだわる理由って?

2020年9月7日

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数年前に不動産投資を始めて規模拡大に成功したような方の事例が、いまから始める人の参考になりにくくなっています。

5年くらい前だと、

・スルガ銀行を使って、1円のお金も使わず物件購入
・2~3年保有したところで、他行への借換が成功。キャッシュフローが激増
・法人を設立して追加購入。1棟目は高値で売却

みたいなストーリーが普通にあったのですが、今では再現の余地もありません。

 

◆変わったのは2つだけ

融資が厳しくなったという言い方はしているものの、実は自分(の会社)をとりまく環境にはあまり変化がありません。

今まで通っていたような案件が否決されたことはありませんし、拠出する自己資金の割合が増えたということもないのです。

では何が変わったかというと、ズバリ2点。

1.サラリーマン(兼業の未経験者)への融資をストップした金融機関が増えた
2.必要な自己資金が増えた(=LTVが減った)

 

事業として賃貸業を続けていて、しかも物件価格の15%くらいの自己資金を毎回投入している自分のような立場の人(会社)は、上記のどちらでもないので特段の影響がないという訳です。

 

◆積算がなぜ重要だったのか

こういう状況を打開して、無事に不動産投資をスタートさせるためにどうしたら良いかを考えてみましょう。

これまでの「理想的なスタートを切るための物件」というのは、とにかく「積算超過である」ことが大切でしたが、これはなぜかというと「融資評価が高くてフルローンが出たから」と「与信を毀損しないから」にほかなりません

 

そうでなければ、積算の出る中古RCなんて維持費は掛かるし固定資産税はバカ高いし、そんなに良い場所には建ってないし、デカい物件は出口も見えづらいしで良いところなんてありません。

動画(Happy&Richチャンネル)の中で高積算のRC物件を「性格が悪くて浮気性で、金遣いも荒いけど巨乳の女」に例えてひんしゅくを買ったことがありますが、例えの精度としてはかなり高いはずです。

ただし、今は高積算のRCであってもフルローンが出るとは限りません。銀行の方針として「LTVは90まで」と決まっていれば、積算5億円の物件が1億円で売っていても、融資限度額は9千万円です。

それを9千万円に指値交渉できたら、融資額は8100万円に下がります。(それを打開するために二重売買契約などが横行した訳です)

 

◆どうせできないのなら・・

与信毀損については「物件を立て続けに購入する」という人にはある程度重要な指標ではありますが、

・一棟買うだけでかなりの自己資金を使ってしまうこと
・積算超過の物件であっても、無限に買い続けられる訳ではないこと

を考えると、やはりそこまで積算にこだわらなければならない理由はありません。

 

もちろん、高積算のRC物件で融資が受けやすいという事実には変わりがないのですが、フルローンが難しくなったご時世では以前ほど「絶対厳守」な指標ではなくなっていると思うのです。

 

かなりの自己資金を持っていて、さらに短期間で一棟ものをガンガン買っていきたいような人には積算は重要ですが、「一棟買ったらしばらくおやすみ」程度の人にはあまり関係なくなっているということですね。

 

そうなると、中古アパートや建売タイプの新築からスタートするというスタンスも検討に値するものになってきますし、不動産投資により多様性が出て来て面白くなるのかもしれません。

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