ノンバンクを使っても融資を受けるべきか
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何度もブログ記事に書いていますが、昨今の「融資が厳しい」というのは、不動産融資全般が引き締まった訳ではなく、
・サラリーマン向けに特別な取扱をする金融機関が減った
・必要な自己資金割合が高まった(LTV100=フルローンがなくなった)
というだけです。
従って実績と資金がある人や会社であれば、さほど融資環境は変わっていないはずです。
◆ノンバンクでもなんでも
とはいえ、不動産を買う前の段階で数千万円の資金を用意することは極めて難しいし、ぼくはそういうやり方を知りません。
しかしながら、融資の環境がいかに厳しいものであっても、不動産投資はするべきだとぼくは思いますし、ぼくが今の時代に所持金1千万円以下でスタートするとしても、諦めることはありません。
というか、ぼくが不動産投資を始めた頃は今よりも融資は厳しかったです。
ぼくが最初の物件を買う1年弱前に購入した不動産投資の教材で「ここで借りる」と明記されていたのは、当時の国民生活金融公庫とジャックスでした。一般の銀行で借りられる想定がなかったのです。
先日はこんなツイートをしています。
◆本当に融資が厳しいとき、不動産投資スタートはどうするか?
・ノンバンク利用。高い金利に耐えうる高利回り物件、積算耐用年数関係なし。埋まるか回るかで選ぶ。
・融資諦める。自己資金を増やすには転売必須なので、実需の人が買うレベルだけど荒れている戸建など。
やれること探して一歩ずつ。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) August 31, 2020
ぼくは「融資を活用したレバレッジ効果こそが、不動産投資の利点」だと信じているので、ノンバンクであっても借入を活用していくと思います。
金利が高ければ、それに見合った利回りの物件を買えば良いだけです。
◆金利に負けない利回りの不動産
金利が高い=高い利回りの物件を購入しないとキャッシュフローが出せません。
利回りが高いということは、その物件は田舎にあったり築年数が古かったりするので、当然のことながら入居の競争力は低いです。
ですから、しっかりとした賃貸経営の知識やノウハウを蓄積した上で、購入後も気を抜くことなく空室対策をし続けることが必須の条件となります。
ただ、購入対象となるような「パッとしないアパート」は、内装や設備の面で改善の余地がたくさん残されていることが多いので、基本的な価値向上策を講じるだけで入居競争力を上げることができると思います。
表面利回りが高い物件を買い、空室損や経費を考慮したネット家賃(NOI)利回りが10%以上の物件を購入した場合。金利4%の20年返済のシミュレーションは以下のようになります。
・購入金額4千万円(フルローン)の場合
・年間の実質家賃収入 400万円
・年間返済額 290.8万円
1年のキャッシュフローは100万円くらいということになります。
NOI利回りで10%となると15%くらいの表面利回りが必要なので、一筋縄ではいかない覚悟が必要です。
◆出口が読みづらい不動産の保有と売却
また、そういった物件は出口に弱くキャピタルゲインを取ることが難しいので、保有と売却戦略としては
・長期譲渡になる保有6年くらいのタイミングで売却
・10年超保有して、投資資金を回収してしまう
・「土地値で売れればいいや」というつもりで長期保有、完済をめざす
のどれかになります。
内外装を立派にやりかえても、スペック的に高値の売却は難しいと思われます。
上記の物件で返済を進めていくと、6年後の残債は3100万円。物件価格が10%下落して3600万円で売却したとしても税引前で500万円が残ります。
購入時に拠出した自己資金は既にキャッシュフローで回収できているので、堅めのシミュレーションでも当初の自己資金が6年で2倍に増えそうです。
また、予想以上に物件価格が下がってしまった場合でも、同額のキャッシュフローが維持できていれば、16年後にはキャッシュフローの累計が「購入時の自己資金+残債」を超えます。
ここまで来たら不動産をタダで手放しても損はしません。不動産を売った金額がそのまま利益ということになります。(ただ、16年後の残債は1千万円を割っており、実際にはドカンとまとまったお金を手にすることになると思います)
◆やはり早いスタートに限る
いくら積算超過でたっぷり耐用年数を残した物件を購入したとしても、そこで資金を使い果たしてしまったり、そもそもフルローンが出なくてそういう物件が買えないのであれば、積算も耐用年数も意味がありません。
であれば方針転換してノンバンクであろうが何でも活用し、高利回り物件を経営努力で高稼働させるというスタンスも全然ありでしょう。
「普通の銀行でフルローン」にこだわり何年も買えないままだった人よりも、上記のようにノンバンクコミットできた人の方が資産を積み上げるのは間違いありません。
不動産投資の根本的な購入スタンスが、変わりつつあるのを感じます。