媚びた家賃より、気高い空室を選ぶ

2020年9月28日

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大家さんのほとんどは管理会社さんに日頃の業務を委託していますが、管理料として支払っている金額は家賃の5%前後であることが多いです。

賃料5万円の部屋でしたら、2500円+消費税ですね。

 

この2500円という金額を「家賃を集めて送金するだけ。しかもほとんどの入居者は期日までに自発的に払ってくる。管理料は高すぎる」というような人もいます。

まあ、本当にそういう人だけであれば管理料はもっと安くできると思いますが、実際の入居者さんには「個体差」があります。

入居してから退去の連絡をするまで、一度も管理会社さんとコンタクトを取らないような人もいます。逆に家賃を滞納して督促の電話を受けたり、本当にどうでもいいことで管理会社さんに連絡をしてくる人もいます。

2500円の管理料は、管理会社の社員さんが小1時間動いただけで簡単に吹き飛んでしまう金額ですから、こういう人が増えてしまうのは死活問題です

 

◆相手の仕事をイメージできない大家さん

大家さんのもとには毎月送金明細と一緒に家賃が支払われるだけなので、管理会社さんが日頃どういう感じで入居者さんの対応をしているか知りづらい立場にあります。

ですが「一戸あたりの管理料は、社員さんが物件と会社を一往復するコストにも満たないんだな」と思えるくらいの想像力は失わないでいたいところです。

 

賃貸住宅新聞に、写真&実名入りで管理会社さんの文句を載せてしまうようなオーナーにならないように気をつけましょう。

 

◆媚びた家賃をもらうオーナーのところに入居申込は来ない

上記に関連して、先日このようなツイートをしています。

 

空室がなかなか埋まらなかったり、入居率の減少傾向が続いていたりすると、とにかく目先の家賃収入が惜しくなります。

そのため、管理会社さんや他の入居者に迷惑を掛けているような人でも「家賃はちゃんと払ってくれているから」という感じで、対応が及び腰になるようなことがあります。

久しぶりに入居の申込があったのに、それが審査落ちしてしまったりすると「ええっ?なんとかならないの?おたく厳しすぎませんか?」と社員さんを責めるような大家さんもいます。

 

しかし大家さんのこういった言動は、中長期的には絶対にマイナスです。

媚びた家賃収入を得ようとする大家さんからは「苦労するのはあなた(=管理会社)であって、自分ではない」という気持ちが透けて見えます。管理会社さんからのイメージは最悪でしょう。

「この大家さんはタチの悪い入居者を放置しているので、管理料が労力に見合っていない」と判断されると、他のところで労力を減らそうとします。

労力を減らすのに一番良い方法は「入居者を減らす」ことです。新規の申込は止まり、空室がますます増えていくことでしょう。

 

◆カレー配りのおじさん

自分の中で、悪質な入居者には他の大家さん以上に厳しく対処しようと思ったできごとがあります。こちらの画像(管理会社さんからのメール)をご覧下さい。

 

隣に住んでいるらしき人が、初対面でいきなり手作りカレーを持参。

706号の人は、生活保護需給中の50代男性ということなので、これは確かに怖いです。

この件は、女性の入居者さんからの事前相談もなく、カレー配りや徘徊について管理会社さんが察知することはできなかったのですが、善良な入居者さんをひとり失ってしまいました。

 

ちなみにこのカレー男さんにはその後、管理会社の社員さんが市役所の福祉課の職員さんを連れて訪問し、「今後、他の部屋に訪問したり目的なく敷地内を歩き回っていたら生活保護を止める」という警告をしてもらっています

めちゃくちゃ恥ずかしかったでしょうけど、迷惑を掛けるような人には情けは無用です。(もちろん迷惑行為はなくなりました)

 

家賃を減らすようなアクションであっても、見合わない料金で頑張ってくれている管理会社さんのことを考えて決断できる大家さんは、きっと別のところで報われると思っています。

なにより、ストレスのない賃貸経営ができるのは良いことです。

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