自分で滞納を解決できる知識について
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◆保証会社が浸透したことのデメリット
滞納保証会社を利用することが当たり前になってきている昨今、大家さんにとって「家賃滞納」は大きな問題ではなくなってきました。
最近では、購入する一棟ものアパート・マンションの全入居者が保証会社に加入していることも珍しくありませんし、入居者さんも(反対意見はあるものの)「加入するものだ」という認識になってきました。
ただ、保証会社の浸透は利点だけではないようにも思います。ひとつは管理会社さんのレベルダウン、もうひとつは大家さんのレベルダウンです。
保証会社に任せていれば、確かに家賃の「取りっぱぐれリスク」は激減します。
ただ、賃貸業でのトラブルは滞納だけではありません。管理会社さんの中には「保証会社に通る=審査通過」という感じで丸投げになっているところもありますし、中には「未加入の入居者がいる物件は管理を受けない」なんて方針の会社もあるようです。
◆法律知識は「武器」になる
大家さんで多いのは、戸建を自主管理されている場合などで、こちらも「保証会社=審査」と考えていたりすると、他のトラブルを自分で解決しなければならないだけに、相当の苦労をすることになります。
家賃をきちんと払うかどうかは、「マナーよく住むか」を構成する要素のうちの何割かに過ぎません。
申込書の記載内容や書き方、面談時の印象など、しっかり見極めて優良な方に住んでいただくことは、とっても大事なことです。
ただ、滞納関連について業界全体がレベルダウンしている中、一連の法的なことについて知識や経験がある大家さんは、逆に強みとして活かすことができます。
ぼくも、最初に買ったアパートには悪質な滞納者がいましたが(買うまでは知りませんでしたが)、自分で内容証明を出したり裁判をやったりして、その経験は後に買う物件でもかなり役立っています。
特に、ファミリー区分マンションでは保証会社に加入されていない入居者さんも結構いますし、所有者が変わることで保証が引き継げないということもあります。
そんなときでも「いざとなったら自分で解決できる」という確信は、他の投資家さんがちょっと手を出しづらい物件を安く買う武器になっています。
◆知識を増やしていくステップ
滞納の対処方法については、また別の記事に書いていこうと思いますが、まずは賃貸借契約をしっかり読んで理解し、借地借家法の概要について理解しておくことが自力解決の最初のステップになります。
借地借家法は、めちゃくちゃ入居者寄りに作られているので、家賃を払わなくなってからどのように督促し、どういう条件が満たされれば「裁判で明け渡しを求められる」かを知っておきましょう。
内容証明や訴状は、ネットを検索すればひな形のようなものが出てきます。
訴状は自分で書いてもっていくと、結構な割合で裁判所の書記官に「ダメだし」を食らいますが、指摘されたところを直して出し直すことで、だんだん一発で通るようになります。
また、裁判の前に「調停」という制度を使って、「払う約束」をさせている大家さんも多いです。調停での取り決めは「債務名義」といって強制力があるので、守らなければ強制執行ができます。(裁判での判決と同じ効果です)
こういった知識は、本を1~2冊読むだけでほぼ網羅できるので、コスパの高い投資とも言えますね。法律系は「事実」のみが書かれているので、書籍によって内容が異なるようなことがありません。
◆勉強のモチベーション
とはいえ、全ての入居者さんが「保証会社加入済み」のような大家さんが、何もトラブルがないのに法律関連の勉強することはないでしょうから、
・トラブルがあって「追い出したい」と思ったら勉強を始める
・滞納者や不法入居者などがいる物件に、勉強しながらチャレンジする
というのが良いかもしれません。