「この売主には勝てる」と見極めるポイント
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利回りの高い物件を買おうと考える際に、必須のスキルが「物件の価値を上げて入居率を高める」というものです。
場所も入居率も良い築浅の物件が安く売られる理由はなく、高利回りゲッターは安く売られている物件の「イマイチなところ」を、どう改善していくかという手腕が問われます。
◆上げられる価値を、上げていない売主さん
価値向上の取り組みとしては、「コストと効果を勘案して、より割の良いことをやっていく」というのが基本方針となります。
なので、改善の余地が高そうな物件を見つけられるということも、高い成果を得るためには必要なスキルかと思います。下記のツイートをご覧下さい。
◆内装写真を見て「この人には勝てる!」と確信できる売主さん
・ウォシュレットがついてない
・水栓が「お湯・水」に分かれている
・玄関床が剥き出しコンクリート
・写真の撮り方が雑
・受話器だけのインターホン簡単で効果の高い施策さえやれてないのですから、テコ入れすれば満室は十分可能。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) November 4, 2020
以前の記事にも書きましたが、不動産の「価値」というものはいろんな要素で構成されています。
立地のように変えられないものもあれば、比較的安いコストで変更ができるもの、中には1円も掛けずに上げられる価値もあります。
◆できない、という思い込み
上記のツイートで例に挙げているものは
「低いコストで簡単に価値を上げられるのに、それを放置している大家さんは賃貸経営が下手くそ(またはやる気がない)だろう」
という予想ができるという意味です。
今や、駅の公衆トイレにもウォシュレットが設置されている時代です。
家賃がいくらのアパートであっても、利用者(=入居者)は「付いててほしい」と思うはずです。
また、古い住宅の中にはトイレで電源を取ることができず、それでウォシュレットの設置ができないと思い込んでいる方もいますが、解決策はちゃんとあります。
(トイレの照明から電気を引っ張ってくる方法なんですが、漏電対策やトイレの照明をオフにしてしまうことで水が冷たくなってしまうことなど、全て解決できます)
水もお湯も吐出できる水栓を「混合栓」といいますが、これも今やシングルレバー式が当たり前。材料・工賃込みで3万円台前半で取付が可能です。(全部屋一括でやればもっと安い)
ただ、確かに昔はこういうタイプのシングルじゃない混合栓は、シングルレバーに変更できないという問題もありました。
これは、水栓が取付けられているキッチンのステンレス板が非常に薄く、レバーを上下させることによって水栓が外れてしまう恐れがあったからです。
※壁面に取り付けるこういうタイプはOKです(クリックで元ページ)
しかし今は、それも解決できるタイプが売られていたりします。知識は常にアップデートしなければなりません。
◆そのままで良いと思う感覚
玄関の床については、ウォシュレットや水栓が放置される「知識とノウハウ不足」が原因というよりは、センスの問題です。
こういう玄関床を見て、何とも思わないその感覚が大家さんとしてダサいですね。
私が先日購入した区分マンション、まさにコンクリート玄関でした!オマケに下駄箱もついてない。。
いまだにこんな物件あるのかと思って驚きました(笑) https://t.co/068ntTYsZK pic.twitter.com/pV4ODn4EJj
— 束田 光陽 (@koyotsu) November 4, 2020
こういう床にも、1㎡1000円程度のクッションフロアを貼れば、別物のようにキレイになります。こちらの施工例は、かなりセンスが良いと思います。
UR 暮らしの賃貸ホームページより。クリックで元ページへ。
◆写真そのものも大事な要素
賃貸ページに掲載されている写真の枚数やクオリティも、判断材料になります。
写真を撮っているのは売主である大家さんではなく、賃貸管理会社さんである可能性が高いですが、質の悪い写真が掲載されている状況は
・管理会社そのものとして業務の品質が低い
・または、管理会社に手を抜かれている
・売主さんはそういう状況に気付いていないか、放置している
といったことが容易にイメージできます。
そもそも、賃貸不動産の業界全体として、写真の品質はかなり低いと思います。
この画像は、ガリバーという中古車販売のサイトに掲載されていたマツダの車なんですが・・
30万円もしない車を売るために、26枚もの写真を丁寧に撮って掲載しています。
アパートの平均居住期間が4年だとすると、月の家賃が6233円の部屋と売上金額は同じです。それなのに、です。
◆「同レベル」では買えない
写真の撮り方については、また別の機会に考え方やコツをお伝えしようと思いますが、内装写真を見て「自分だったらもっと良くできる」というポイントをいくつ見つけることができるかが、高利回り物件を獲得するひとつの王道です。
写真を見ながら「パッとしないなぁ」なんてつぶやいているようでは、売主さんと同レベル。
パッとするような高利回り物件など存在しませんから、ないものを探すのではなく自分が変わるしかありません。