10年保有した地方マンション
■不動産投資の羅針盤「プレミア投資部」はこちら
■大家さんのための無料Web情報誌「満室経営新聞PLUS」はこちら
一棟もの所有物件の中で、一番長く保有しているのが石川県能美(のみ)市というところにある重量鉄骨のマンションです。
敷地内に同じような建物が2棟あって、それぞれ平成4年と5年築です。25~30㎡の1Kで42戸あります。現在もありがたいことに満室。
取得の経緯は過去記事をご覧下さい。8棟目が当該物件です。
◆祝「完済」!
このマンション。利回りが高いのと(鉄骨造の割には)購入時の築年数が古めだったことおあり、返済が10年とかなり短めでした。
しかしその結果、2023年4月、つまり今月で購入時に借りたローンの返済が終わります。一棟ものを完済するのはこれが初めてですね。素晴らしい!
ですので、記念というか節目というかということで、何回かに分けてこのマンションについての記事を書いていこうと思います。
後述するように、このマンションは今月から更なる長期保有に向けて現在大規模修繕中です。修繕資金も結局融資を受けることになりましたので、借金が消えたという訳ではありません。
◆再生系の投資がやれない時代でも・・
ぼくは不動産投資をはじめて3年目から、空室だらけの高利回り物件を狙った「再生系」の投資を好んでやるようになりました。
パッとしないエリアにある普通のスペックの物件を埋めるのは大変ですが、満室にした瞬間に高値で売却できるようになる(=出口が見通せる)し、都会の物件ではあり得ない豊富なキャッシュフローが得られます。
しかし、震災の後くらいからはスルガ銀行を活用した「業者売主」の物件が増えました。
こういう業者さん案件は一定期間の空室保証が付帯されていることが多く、そのため空きが多いアパート・マンションでも極端に安くなるケースが減りました。保証が付くことで融資がちゃんと出るのですから、安く売る必要がないですもんね。
しかし、日本全国でじゃぶじゃぶと融資を出していたスルガ銀行も「人口が5万人未満の自治体」は融資の対象外という運用をしていました。
能美市は地方の割には人口が安定していますが、当時もその5万人の基準から外れていたので(現在の人口は4.9万人)、購入できる人がぐっと少ない状況でした。
このマンションは7300万円で購入していますが、おそらくスルガの対象物件であれば1.3億円くらいで売れたはずです。(これでも利回り13%超)
◆ロン特不可
すごい高利回り物件であるこのマンションも、別にレインズやポータルに掲載された瞬間に買付を入れてゲットした訳ではありません。さらに言えば一番手でもありませんでした。
ぼくの前に買付を入れたけど、融資が出ずに断念したという投資家さんも数名いたようです。なので自分がこのマンションのことを知った時点では、うんざりした売主さんが「ローン特約付きの買付は不可」という条件を付けていました。
おそらく、実際に契約までして流れたような経緯があったのでしょう。
いまはローン特約付きの買付であっても、金融機関のある程度の内諾が取れてからでないと実際の契約まで進まないことが多いですが、当時は自分も「融資通るだろうか・・」と不安いっぱいで購入契約をしていましたし。
◆2013年時点はどんな状態だったか
この時点での自分の投資環境は以下のような感じでした。
・不動産投資歴9年弱
・保有物件、90戸くらい(会社員時代の購入物件をいくつか売却済み)
・隣の金沢と、少し先の加賀に物件保有中
・事務所を開設して、社員さん2名(パート含む)を雇用
・少し前に人生初の短期転売を実施
・そのため当時としては過去もっとも資金余裕があった
いろいろと幸運要素が重なって、購入に進むことができました。
次回に続きます。