不動産投資における「難易度」のジレンマ
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連休明け、最初の記事更新です。ゴールデンウィークは楽しめましたか?
ぼくはスーパーマリオの映画を観たり、会員さんを呼んで事務所見学会(飲み会付き)を実施したり、遠くまで歩いたけど遭難しそうになって途中で断念したりという日々を過ごしました。
昨日はGoogleマップで示された通りのルートで厚木方面に向かって歩いたのですが「ほんとに神奈川?」というくらいの場所でスマホの充電が切れてしまい、道が分からなくなりリタイア。タクシーで最寄り駅まで連れてってもらいました。首の後ろ(日焼け)と足が痛い。 pic.twitter.com/SRob3GO4Qt
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) May 3, 2023
人っ子ひとり通らず、ヒッチハイクも道を聞くのも無理でした。。
さて、不動産投資と難易度の話をします。
◆だんだん難易度は上がるもの(ただし不動産は例外)
世の中の大体のものは「最初は簡単・楽ちんだけど、経験や実績を積むことで難易度の高いチャレンジが必要になる」という傾向があります。
趣味でやってる筋トレは、最初は軽い重量を適当に挙げているだけでも筋肉が発達していきますが、何年も経つと自分の限界重量を限界まで挙げ続けないと進歩しません。
最初の会社に入った直後は、若手が一番大変で上司になるほど部下を使えるので楽になると思ってましたが、上に立って責任を負う重圧は下働きの比ではありません。
しかし、不動産投資はちょっと違う側面があります。
それは「楽で安全な投資をするためには、相応の資力が必要だ」ということです。
◆どこにも欠点がない物件は○○が欠点
楽で安全な不動産投資というと、以下のようなものを指すでしょう。
・長期に渡って安定した入居が見込まれる
・インフレに対応して賃料が順調に上がっていくと予想される
・建物が新しく、修繕リスクが低い
・立地や購入者層を勘案して、出口にも全く不安がない
ふむ。まさに誰もが納得する「優良不動産」かと思います。
しかし、不動産の世界では「V = I/R」という公式というか法則があることを無視する訳にはいきません。
V(Value・価値)は、I(Income・収入)をR(Rate・利回り)で割り戻したものになる。つまり価値は利回りと反比例するという意味です。
利回りが高い物件は、リスクが高く安定度が低いからこそ安く売られており、その結果利回りが高い。価値の高い物件は高く売れる=利回りが下がる。
上述したような優良不動産が、高い利回りで売りに出されるようなことはありません。不動産は相対取引であり他に同じ物はないと言うものの、こういうルールの例外はないのです。
スペック上の欠点がない物件は、価格と利回りが欠点ということですね。
◆楽な物件には「キャッシュ」が必要
ぼくも含めて、このブログ記事をご覧になっているような方は、別で築いた莫大な資産を背景に不動産を買うようなことはないでしょう。
となると、購入資金の大部分を借入によって調達する必要があります。
融資を受ける場合は「家賃収入の範囲内で返済ができる」ことが必須なので、利回りが低い優良物件が対象の場合は、物件価格に対する融資額の割合が下がります。
1億円・ネット利回り4%の優良物件を買う場合、25年返済でネット収入に対する返済割合を60%以下に抑えようとすると、金利1%(元利均等)と低めでも5300万円くらいしか融資が伸びません。
この条件で「やった!優良物件なので自己資金6千万円(諸費用込み)出して買いまーす」という人は多くないでしょう。
つまり、盤石安定ピカピカの優良物件を、このブログを書いたり読んだりしている方が買うことはできないのです。
◆社会一般とは逆のルール
なので、利回りを上げるために立地であるとか、築年数とか入居状況なんかを妥協していく訳ですが、その妥協が一切できない人はたくさんいます。
マインドだけ富裕層なのです。
もういい加減、
「資産も(不動産の)実績もない人が、買っただけで何もしなくても長期に渡って安定した収益&キャッシュフローを確保できて、買った時から出口を見通せる物件」
を探すのやめたらいいと思うんですよ。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) May 4, 2023
不動産投資は、一般的には初心者のうちに運営が難しい物件を購入することを強いられ、資産背景や経験が潤沢になっていくほど安全・安定した投資ができるという、一般社会とは逆のルールに従う必要があります。
もちろん資金と実績を引き下げて、中上級者になってもより難易度の高い物件にチャレンジしていくこともできますが、最初のうちは大した選択肢がありません。
まぁ、割と手堅い会社の建て売り新築アパートでしたら、安定度も高く利回りもそこそこであることも多いです。
それでも「え、都内じゃないの?なんか怖いです」みたいな人はたくさんいるので、そういう人はゲームのルールを知ってから取り組まなきゃいけませんね。