属性が低い人のメリット
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ものごとには全て二面性があり、完全に良いことも完全に悪いことも存在しないと言います。
例えば、誰でもそうありたいと思う「健康」でさえ、近しい人が先に死んでいくとか健康保険が払い損になるとかのデメリットがあります。
逆に一見マイナスに思えることでも、プラスの要素を見いだし前向きに行動できる人が、人生の勝者となるのです。
子供の頃に見ていた「愛少女ポリアンナ物語」を思い出しますねー。聖書には「嬉しさ」や「喜び」という単語が800も出てくるんだそうです。文句ばっか言ってる人は見た方がいいです。
さて、今日は不動産投資における一般的なネガティブ要素である「低い属性」について。こちらも過去にツイートしています。
属性が低い人のメリット
1.小振りの物件からしかスタートできないので破綻の確率が極めて低い。
2.難あり物件しか買えないので、賃貸経営のスキルアップが早い。
3.競争の少ない物件を狙わざるを得ないので、意外と高い利回りで買える。— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) 2018年2月27日
◆破綻の確率が低い
「戸建や区分は規模が小さいので、失敗の可能性が低い」「フルローンは失敗する確率が上がる」などと言われますが、これは間違いです。
物件の大きさや借入額によって、成否の確率が変わるようなことはありません。変わってくるのは成功か失敗かではなく「破綻・破産の確率」で、これはもちろん規模が大きく借入をたくさんしているほどリスクが大きくなります。
現金で購入していれば、仮に物件価値がゼロになっても破産はしません。
借入が増えてくると感覚がマヒしてきますが(笑)、普通の人であれば「自分のお金を損するのは仕方ないが、破産だけは避けたい」と思うものです。
属性が高くなくて借入額が伸ばせない分、手堅く地に足の付いた投資を続けて、スピードは遅いものの強固な財務体質を築けるようになると思います。
◆本当の「賃貸経営力=大家力」が身につく
属性を根拠に、サラリーマン向けに有利な融資をする金融機関では、融資できる物件種別がかなり限られます。積算や利回りの基準のほかにも「住居で購入時も高い入居率をキープしている」ことが求められます。
これは、賃貸経営の経験がない(浅い)人でも、ある程度安定して家賃を稼げるような物件を対象とすることで、融資の安全性を高めている訳です。
もちろん、属性が高くない人でもそういうう物件は融資が付きやすいのですが、残念ながらこの手の物件はエリサーと呼ばれる高属性会社員が、すぐに購入してしまうことでしょう。
なので、空室の多い小ぶりの物件を買い進めることになりますが、やはり地域的な問題や物件スペックの関係で入居付けには苦労します。
ぼくも富山の片田舎(当時は「富山県婦負郡」という地名だった)で不動産投資をスタートしましたが、なかなか満室になりません。
・リーズナブルで的確なリフォーム
・自家製マイソク、ポップなど販促ツールを自分で作る
・近隣仲介会社への熱意を込めた営業活動
・労働力投入(自分で掃除や除草作業などをやる)
公庫で物件を買ったぼくは、数年前のエリサーさんが絶対やらない(やらなくても済む)入居付け活動を頑張りました。さらに、最初の物件は滞納者がすごく多かったので、自分で解決すべく本を読みながら法的処置を断行しました。
そして次に買った物件は、築年数の関係でさらに入居が付けづらく、一棟目と同じように滞納者がいたので裁判をやりました(今度は本当に法廷まで行った)
そして、苦労しながら数年経った頃には、自分でもびっくりするほどの賃貸経営力が身についていたという訳です。
普通の人が買えないようなスラム物件でも高い確率で満室運営できる自信と、「経営力の高い人だ」という金融機関からの信用を得ることができます。これは、そういう泥にまみれた作業をする必要がなければ、自主的に得ようとは思わないものです。
◆高利回りの物件を手に入れやすい
融資が付きやすい物件というのは、当然ながら購入したい人が殺到するので、価格がさほど低くなくても売れてしまいます。
積算などの指標は良くても入居率が低い物件はありますが、ここ数年は仲介業者や売主による一定期間の家賃保証がつくことで融資が通り、事実上「売値が釣り上げられる」ことも増えました。
融資が通りやすい物件は、安く買えないのです。
しかし、融資が通りやすい物件「も」買えない場合は、
・融資を使わず現金で購入する
・フルローンじゃなくても、どこかで必死にお金を借りて買う
のどちらかになりますが、こういう物件は買いたい人が少ないので価格も高くなりません。結果として、保有物件の平均利回りは属性の良い人よりも高くなる傾向があります。
高利回り物件の運営は大変ですし、マジメにやらないと実質利回りの激しい低下を招きますが、頑張ればキャッシュフローはたくさん出ますし残債はガンガン減るしで投資のペースが加速します。
お坊ちゃまが楽な物件を買ってぬくぬくとしている間に、下級戦士は激しい訓練を重ね経営力と財務体質を強化し、いつしか見違えるようなスーパー大家へと成長するのです。
エリサーと下級戦士、それぞれの数年後イメージ。
あと、これは言っておきたいんですけど、保有規模が数億円とかの規模になると属性って関係なくなってきます。
いくらサラリーマン年収が高くても「サラリーマン大家」でいる限りは融資の枠が頭打ちになりますし、事業者になれば属性は決算書に取って代わられます。
属性など、投資初期段階における一時的な参考材料に過ぎないと考え、前向きに頑張りましょう。
そして、いつの日か「こんな属性で良かった」と笑顔で言い切って下さい!