大家さんはなぜ「割が良い」のか
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このツイートは、大家さんが楽をして儲けているという世論に対し、
「そんなことはない。大家も借金の返済や修繕費用の捻出が大変、手間も掛かって全然儲からない」
ってつい反論してしまう大家さんの風潮について伝えたものです。
こういう話になると大家さんって「修繕費がバカにならない」「利益率は低い」「全く不労ではない」みたいなこと言うけどそんなことない。大家さんはイメージ通りのオイシイ商売ですよ。
普通の人が取れないリスクを取り、借りてもらえるか分からない不動産を買って世の中に価値を提供したご褒美です。 https://t.co/iFqOIgWJIM— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) May 12, 2020
「儲かってないんですよ」というコメントは、謙遜の部分もあると思いますが、やっぱり大家さんは非常に恵まれた商売であることは間違いありません。そうじゃないって感じている人は、賃貸経営が上手く行ってないのです。
家賃収入は、人の生活に必須の要素を月額課金している最強のサブスクリプションですし、不労所得とは言わないまでも、ほとんど何もしなくても安定した収益が入ります。
実際に世の中には大家さんの何倍もの時間を労働に費やしつつも、非常に小さな収益しか生んでいない人や商売はたくさんあります。
なぜ大家さんは、こんなに割が良く儲かるのでしょうか。
答えは「お金と経済のルールの中で”そういうポジション”にいるから」に他なりません。「そういうポジション」について説明しましょう。
◆ルール① 最後にしかもらえない。でも全部もらえる。
何らかのビジネスがあるとして、その中でいろんな人がお金を払ったりもらったりする訳ですが、もらう順番と金額にはルールがあります。それは
・最初にもらう人は確実だけど金額は少ない
・最後にもらう人は、残っている金額全部が自分のもの
というものです。金持ち父さんの本にも書いてあります。
事業が上手くいかなかった場合、固定資産税、従業員、管理会社さん、工務店さん、税理士さんその他いろんな人にお金を支払ったら全然残らないかもしれません。
しかし、最後まで残っていたお金は全て自分のものです。
大家さんという職業は意図せずとも、この「お金の流れ」の最終漂着地で、大きな袋を持って待ち構えているポジションにいる訳です。
「先に(職場に来た時点で権利確定)」「確実に(売上などに関係なく固定で)」お金がもらえるポジションにいる人ほど、経済的には成功しづらいのは、周りの職業を見てみるとすぐに分かります。
◆ルール② 仕組みが構築されている仕事は儲かる
高額な収入を得ている職業は以下の3パターンのどこかに分類されます。
1.特殊技能や独自性によって、希少価値がある
2.自分の仕事が複製(コピー)できる
3.労力ではなく、仕組み・システムで収益を上げている
大家さんという仕事は3番に当てはまってます。
人が住んだり仕事ができたりする建物を用意し、借りる人を探してくれる会社と管理契約を結び、不具合が発生したら修理をお願いできる会社もあらかじめ手配しておく・・。
そういった一連の仕組みを構築できていることが、大きな収益を上げられている理由のひとつです。もちろん、たくさん従業員を雇っている会社のオーナーとかも、ここに該当します。
仕組みによって構成されたビジネスは、外部のよく知らない人からは、とてもオイシイ商売に見えます。おいしく見えるほど、それだけ仕組みが優れているということです。
ちなみに「希少価値」はプロスポーツ選手やタレント、芸術家など。「仕事が複製」は作家やDVD教材を販売するような会社が、これに該当します。両方に当てはまっているビジネスも結構あります。
ルール③ レバレッジの威力は絶大
一般的な大家さんが、労力の割に大きな収益を得ている最大のポイントは、この「レバレッジ」にあります。
レバレッジというのは、言わば「お金による仕組み作り」であり、他人のお金で事業をしつつも、その収益によって元利の支払いがきちんとできるという「仕組み」を作っている訳です。
多額の借入を伴う収支をコントロールしながら、自分の作り上げた仕組みが正常に動くよう気を配り続ける・・。
確かに労働の時間は少ないかもしれませんが、不動産投資というのは相応の知識とスキル、決断力やリーダーシップが求められる事業であり、誰にでもできるという訳ではないのです。
「大家業はイイヨナー」なんてブツブツ言ってる人に、どこかの銀行の頭取が「ほれ、1億融資するから不動産投資せんか?」って話を持ちかけても、ほとんどの人はオファーを断るでしょうしね。
ということで、大家さんは別に既得権やギャンブル的な賭けに勝って経済的に恵まれたポジションを手に入れたのではありません。
知ってか知らずかは別として、「最終的な責任とリスクを取るオーナー」としての立場を選び、お金が入る保証はないけれど着々と仕組みを整え、そして多額の債務を引き受けることで得られた正当な報酬だ、ということです。
大家さんは結構すごいことをやっている。自信を持って良いと思います。