最初の不動産融資、成功の2パターン
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最初の物件で融資を受けることに成功するかどうかは、その後の不動産投資が順調に拡大するかどうかに大きく影響します。
少し前の記事で、あまり属性の高くない人はお金を借りて購入するのを(一棟目は)諦めた方が良いということを書きました。
融資を受けようと頑張ったけどダメだった・・という挫折体験は、その後のモチベーション低下の原因になりますし、安易に融資が受けられるダメな物件(新築ワンルームなど)や、高金利悪条件のダメな融資に飛びつくきっかけにもなりやすいです。
属性に関わらず、ひとつめの物件をキャッシュ購入するのは悪い選択肢ではないのですが、そうはいっても借入って魅力的。そこそこ属性の良い方でしたら、最初から融資を受けたいと思うはずです。
◆「手当たり次第」は、運の要素が大きい
こんなツイートがありますので、こちらの補足説明をしていきます。
最初の不動産融資のルートは2パターンありまして。
1.手当たり次第、金融機関を回る
2.不動産会社にサポートしてもらう結論、どちらでもいいと思います。
1の自力開拓は規模が増えれば避けて通れませんので、最初くらいは楽に進んでもいいと思う。もちろん収支が合う融資条件であることが前提。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) 2020年5月25日
最初の一棟目から自力で開拓できる人もいますが、実はこれ以外と「ラッキー要素」が重ならないと成立しません。
・属性などを勘案して、妥当な物件を持ち込んでいる
・最低限の勉強と情報収集(他人の事例など)ができている
・銀行の意見を参考にしつつ、購入条件の軌道修正をしている
・断られても諦めない根性の持ち主
・金融機関の選択肢が、それなりに多めのエリアに居住
「利回りは高いほど良い」「地方物件で成功」みたいな本を読んで、遠方の築古高利回り物件を地元の信金に持ち込んでも、成功するはずがありません。メガ大家の本に触発されて2億円の物件を持ち込んでも、今はかなり難しいでしょう。
書籍などで、自分と似たような属性(またはそれ以下)の成功事例を知りつつ、しかもその情報を鵜呑みにせず謙虚で控えめな物件を持ち込む必要があります。
そして、中には担当者との相性が悪くて、良い物件でも超絶塩対応をされることがありますが、それにめげずに他行アタックができるような人が上手くいきます。
難しいのは、塩対応が担当者のせいなのか他の要因(物件が悪かったり銀行自体が消極的だったり)なのかを、初心者の頃は区別できないということです。
ぼくは、前述したように1980万円の高利回りアパートを公庫に持ち込んだのですが、これが「少額&高利回り」の「公庫向け物件」であったのは、全くの偶然でしかありませんでした。
もちろん公庫にたどり着くまでに他行で塩対応されている訳ですが、最初に築浅10%くらいのアパートを買おうとしていたら、公庫でも融資が受けられず一棟も買えないまま終わっていた可能性もあります。
◆不動産会社経由の「良い融資」と「悪い融資」
それなら、業者さん経由で融資を付けてもらうのも良いでしょう。事実、メガ大家レベルの投資家さんでも、最初は不動産会社経由で融資を付けてもらった人は結構います。
業者さんは、「属性・物件・金融機関」のトライアングルの中で、融資の通し方を把握しており、また優良な会社は金融機関とのパイプがあって、一個人が飛び込みで行くよりも有利な審査をしてもらえることも多いです。
ただし、改ざんや嘘によって融資を通すテクニックはまた別の話なので、混同しないよう注意して下さい。こちらは「悪い融資」です。
この「業者さんに融資をアレンジしてもらう」のは、不動産投資初期の頃のみに許された特典のようなもので、残念ながらぼくは活用できませんでしたが、頼れるうちは頼ったらいいと思います。
自分の場合、全くの新規金融機関に融資の申込をしようとすると、物件資料以外に
・関連全社の決算書と確定申告書、それぞれ3期分
・全借入の返済予定表(借入は現在、50本以上あります)
・保有物件の固定資産税納付書または評価証明
など膨大な資料が必要です。
コピー代だけで7千円以上掛かりますし、百貨店とかの紙袋1枚だと重さで破れてしまうくらいの分量です。当然、業者さんがそれを預かって金融機関に持ち込んでくれるようなことはありません(笑)
融資アレンジをしてくれるような業者さんは、顧客に多くの投資家さんを抱えているため、良い物件は常にライバルとの取り合いになってしまうというデメリットがありますが、そこさえクリアすれば悪い選択肢ではありません。
これから初めての融資にチャレンジされる方は、上手に人に頼るか不屈の精神で数をこなすかの2択になります。挫折しないよう強い心で乗り切って下さい。