強気の物件紹介(決断から逃げる人たち)
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先日ぼくのところに届いた、楽待経由の提案メールに書かれている内容がちょっと面白くて、ツイートで紹介しました。
強気の物件紹介が来ました。 pic.twitter.com/9nxpeNlafg
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) September 11, 2020
非常に味のある文章なので、一度しっかり読んでみてください。
◆強気な文章の補足
「資料を確認する」「現地を確認する」「シミュレーションする」
こういった作業をしていると、良い物件は他の人に取られちゃいますよ・・・ということが書かれいる訳ですが、これを読んだ初心者の方は「強引に売りつけようとしてるんだな」という印象を持ったかもしれません。
ぼくも初見のときは、ちょっとどうなのかな・・と思いました。
途中に出てくる漢文(君子喩於義、小人喩於利)は「立派な人は正しいかどうかで物事を判断し、小物は儲かるかどうかで判断する」という論語の一節なんですが、ここで引用するのは最悪ですよね。
不動産投資は、儲かるかどうかで判断しなければなりません。ダメ物件を売りつけるための詭弁だよな、と感じる訳です。
◆2時間もかからない
でも、この文章はかなり良いことも言っています。
チャレンジ面談を受けてもらって指導をしている人を見ても、確認とシミレーションばかりやっていて全然進まないというケースは意外と多いからです。
まず、いくつも物件を購入してきた経験からすると、文章に載っている「(検討や調査を)するなら2~3時間で」というのは、むしろ長すぎます。
たくさん買っている投資家さんが、一棟ものを購入する場合の順序と時間のイメージは、下記のような感じではないでしょうか。
・エリアと利回り、価格の確認(2秒)
・土地の権利(所有権か借地か)、再建築不可などのNG項目確認(10秒)
・ざっくりとした積算チェック(1分、路線価調べるなら3分)
・レントロールを見て傾向をつかむ(2~3分)
ここまでで、ほとんどの物件情報がはじかれます。
・賃貸ポータルサイトで、需給や相場の確認(5~10分)
・当該物件の賃貸ポータル掲載状況の確認(3分)
・Googleマップ、ストリートビューのチェック(5分)
ここで業者さんに連絡を取り、価格交渉の感触や契約・決済スパンなどをヒアリングすることで、ほぼ検討は終わりです。
場合によっては、この段階で買付を提出することもあります。
あとは現地調査で「事前のリサーチが正しかったかどうか、建物や周辺環境に問題はないか」を把握できれば完了です。
ここまでの時間を足し算すると、現地に行くまでの検討時間は15分もあれば十分だということになります。
エリアを絞り込んで投資をしている人であれば、場所ごとの賃貸相場や需給関係については頭に入っているので、最も時間のかかる賃貸ポータルの部分を省略できますから、検討時間はものの数分で済むかもしれません。
◆家賃は欲しいけど、買いたくはない人
もっと時間が掛かるとすれば、購入直後に大規模修繕が要るような場合、先に現地へ行って修繕費用の目処をつけないといけないとか、高利回り空室だらけ物件の場合は、改善ポイントを考えたり現地でヒアリングをしたりといった作業が追加されるケースでしょうか。
先のチャレンジ生の事例もそうなんですが、「長く検討をする人」というのは、慎重なように見えて「購入の決断」という不動産投資でもっとも責任を伴うところを避けたり後回しにしているだけであることが多いです。
本音を言えば「家賃は欲しいけど、買いたくはない」のです。
(正確に言えば、家賃はほしいけど不動産を購入することによって生じる債務や自己資金の減少、その後の労力やストレス、様々なリスクを受け容れることができていない・・という状態です。)
上記ツイートの業者さんは、このような決断できないエア投資家をたくさん見てきたのでしょう。1円の売上もたたないまま振り回されることもあったかもしれません。
文章の書き方はアレですが、ぼくは何となく気持ちが分かる気がしました。