不動産業界のオイシイ儲けの仕組み
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前回の記事は、レオパレスが債務超過に陥っており企業としてピンチだという話でした。
同社には安定した賃料収入がありますし、その後ファンドから支援を受けるというニュースもあり潰れることはありませんが、高収益をもたらしてきたビジネスモデルは変革を強いられそうです。
高い利益をあげるビジネスは「特許や既得権に守られている」「他者が真似のできないものを持っている」などがありますが、不動産業界の「高収益ビジネス」はこういう正統派とはちょっと違うことが多いです。
◆無知を前提としたビジネス
こちらのツイートをご覧下さい。
不動産というのは「年中、仕事としてそればかりしている」プロが、「一生に1度、取引するかどうか」という素人からお金をいただく仕組みです。
料理(素人だって作るし食べる)や美容院(何度も髪をカットされれば善し悪しや価格は分かる)とは根本的に違って、顧客に知恵がつきにくいんですよね。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) September 29, 2020
ファミレスっぽいお店でのランチ価格が3千円を超えていたり、ちゃんとした美容院で5千円払った仕上がりがQBハウスと変わらない感じであれば、顧客はすぐに「おかしい」と気付きます。
しかし、過去不動産取引をしたことがない人が、親から相続した戸建を売却しようとした際に「買取価格は●●●万円です」と言われても、それが正しいのかどうかを判断することは難しいです。
複数社に一括で査定を依頼できるようなサービスを利用したところで、自分の知識や経験が乏しいという事実には変わりがありません。
このような「取引相手との知識や経験、人脈の差」を利用して収益を上げるビジネスは、高収益を生み出すひとつのパターンだったりします。
簡単に言うと「顧客の無知を前提としたビジネス」ですね。
◆めっちゃ儲かる(詐欺ではない)
不動産における利益の出し方は、それ以外にもいろいろあります。
・新築やリフォームによって価値を創造する
・資金や信用力の差を活用して、相手の現金化ニーズを満たす
・「室内が見れない」「入居が決まるか分からない」というリスクを負う
・購入や売却、賃貸の相手を見つけてあげる
こういったことは、全て社会に必要な真っ当な商売だと思いますが、上述の「無知を前提としたビジネス」は儲かり方が桁違いに大きいです。
「もっと高く売れることを知らない人」から不動産を買い、「もっと安く買えることを知らない人」に売る。特に価値を生み出す訳ではありませんが、一番簡単に大きく儲かる方法です。
レオパレスでいえば「もっと安く建築できることを知らない人」から建築を受注したり、「粗悪な建物であることを知らない人」に高く貸すようなことをしていました。
詐欺では?と言う人もいますが、全然違います。
レオパレスのモデルをラーメン屋さんに置き換えると「10kg3000円で豚骨を売れることを知らない精肉業者」から、10kg1500円で豚骨を買い、「1杯700円くらいで同レベルのラーメンを食べられることを知らない」人に1杯1000円で売るようなビジネスです。
詐欺の要素はまったくありませんよね。
実際には、そういった精肉業者や顧客がいないというだけです。
ラーメン屋さんにとって「そんなことができれば面白いように儲かる」と羨ましがられるようなことが、レオパレスのような「無知前提ビジネス」では日常だったりするのです。
◆「差」が利益になる
消費者保護に反するような露骨なモデルは消滅していくと思いますが、不動産というのは取引相手と自分との「差」を利用して利益を得るもので、これは日本だけではなく外国でも同じです。
知識の差、ノウハウの差、資金力の差、人脈の差。
不動産での利益というのは、いわばこれらの差を換金しているようなものですから、継続して利益が生み出せるよう日々のレベルアップを怠らないようにしたいものです。