自社の融資環境も悪くなってきた
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昨日の記事で、今後不動産を増やしていくためのボトルネック(桶の短いところ)はについて「以前は社員さんのマンパワーだったけど、最近は融資になりつつある」という話をしました。
今日はそこについての補足説明をします。
楽勝で融資が受けられる時期もありますし、苦労する時期もあります。
◆融資が受けられなかった時代(その1)
これまでも、融資が受けづらい時期は何度かありました。
まずは不動産をスタートした直後、一棟目のアパートを買う際にはいろんな銀行で断られています。
当時はメガバンクなど相手にされるはずもなく、また購入物件が富山にあってぼく自身も富山在住だったのですが、自分が転勤族で数年後には富山を離れるだろうということで、地元の地銀・信金からは敬遠されていました。
結局、どこかの本に載っていた「国民生活金融公庫(当時の名称)」で融資を受けられるかもしれない・・という話を頼って支店に飛び込み訪問を実施、なんとか購入額の85%程度の融資を受けられたという訳です。
ひとつ物件を所有していれば、「そのエリアで事業をしている人」という扱いをされるのか、その後は少し状況が改善しました。
当時、サラリーマン向けに積極融資を行っていたSMBCや、地元の地方銀行から次々と融資を受けて、合計で3億円くらいの物件を買えました。
◆融資が受けられなかった時代(その2)
会社員を辞めてからは、またしばらく冬の時代が続きました。
日頃からブログでもお話している「サラリーマンのうちに事業者になっていく」というステップを全く踏んでいないどころか、法人すら作っていなかったので当時の属性はゼロ。
仕方なく、別のビジネスで自己資金を増やし、その後また公庫で区分マンションを購入したりといったことを繰り返して、遅ればせながら事業化を進めました。
IZUMI塾や当時からのメガ大家さんから学び、決算書対策をしっかり行った結果、また融資が受けられるようになって第二次となる規模拡大に成功。
その過程で、個人で購入してきた物件を売却することで常に自己資金をキープ。現在は、会社員を辞めた頃の3倍くらいの規模まで拡大しています。
◆その3が・・??
しかし、この拡大基調にも陰りが見えてきたような気がしています。理由は業績の悪化ではなく、単純に件数が増えすぎてきたから。
最近、割とコンスタントに融資を受けてきた地方銀行さんから「新規の融資はしばらく難しいかもしれない」という話をされました。
こちらの銀行はもともと不動産融資(特に長期)に積極的ではなく、自分の会社の決算指標が割と良いので、やや例外的に対応をしてきたとのこと。
この地方銀行は神奈川ではなく信越地方に本社があり、横浜は数ある支店の中でも最果ての地となります。いつ撤退するかも分からない・・ということで、長期の融資に消極的だということなのでしょうか。
それから、同じようなエリアに本社がある別の銀行を先日訪問したのですが、最近になってお断りの連絡が来ました。
こちらも、決算内容などが理由ではなく単純に「保有の件数が多いから」だそうです。
金額だけならそうでもないのですが、50戸以上の区分マンションを保有しているため、何か案件を持ち込まれる度に、そして何もなくても一定期間ごとに、持ち物件の再評価をしなければならないということで、「管理をしきれない」という結論になってしまったとのことでした。
◆めげずに開拓と深耕を続ける
ということで、既存の金融機関の融資が止まらないように関係強化に励む、新しい金融機関を開拓する、さらに上記のような断れてしまったような銀行にも、口座を開設して定期的に決算報告をするなど「いつかは・・」という取り組みを継続しなければなりません。
以前の記事にも書いたように、銀行はそうそう代わりがないのです。
社員さんが見つけてきてくれた、優良な物件をみすみすリリースしてしまうようなことがないよう、この部分だけは代表者の仕事として頑張らなければなりません。
できれば、冬の時代をずっと先まで経験しないで済みたいところです。