金融機関との関係は濃いほど良い
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法人化すること、金融機関と定期的なコンタクトを取ることの2つは、サラリーマン投資家から「事業者」となる上での2大重要事項です。
資産管理法人は作っているものの、融資はすべて業者さん任せで銀行には金消契約と決済の時にしか行きません・・・という状態では、会社員の枠を超えて規模を拡大することはできません。
◆日頃のお付き合いのご褒美?
なので、自分の法人では金融機関との関係を強めるため
・主要銀行には毎月、試算表と所有物件一覧を提出する
・金融機関から訪問希望があった場合、用件を確認せずに受け入れる
・預金や投信などの「お付き合い」もなるべく協力する
といった取り組みをしています。
時には本当にくだらない用事で来社したり、逆に何の用事もなかったりということもありますが、時間のムダとは思わずきちんと応対するよう心がけています。
先日、「最近、新規のお取り組みがないので、久しぶりに訪問したい」と取引の多い地銀さんから言われて時間を取りました。下記ツイートをご覧下さい。
銀行さんから「お会いしたい」って連絡あって時間取ったらお金貸してくれるお話でした。ラッキー。 pic.twitter.com/iZ8RWWcehu
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) September 10, 2021
保証協会付きの融資でもコロナ関連の特別制度でもなく、プロパーの運転資金で無担保・・というのは、ありがたいですね。
特に使い道がある訳でもありませんが、もちろん規模拡大中の賃貸業において現金はいくらあっても困るものではありません。5年で100万円程度の金利など、誤差の範囲でしかありません。
◆運転資金と不動産賃貸業
「運転資金」とは、会社の事業を回すために必要な「前払いの費用」をまかなうためのものです。
製造業や飲食業であれば原材料の仕入れだったり、業種によっては売上の発生から実際の資金回収までの期間が長いことがありますので、そういう場合に運転資金の調達は必須だったりします。
ただ、不動産賃貸業の場合は物件取得やリフォームなど、「売上発生前に支払う費用」はすべて「設備資金」であり、家賃は通常前払いですから通常は運転資金という概念がありません。
なので、こういうった余剰資金は「物件取得時の自己資金」に回されたり、または何も使わずキープされて、今後の設備資金融資を受ける際のプラス材料として活躍することになります。後者はいわゆる「見せ金」ですね。
「すぐに売れて2千万円の現金が残る不動産」と「現金2千万円」は、同じようで銀行からの見え方は違います。
現金があれば、本当にスピードが求められるような案件に飛びつくこともできますし、利息が掛かっても「あるに超したことはない」というのが現金です。
◆思い浮かぶ会社
なぜ、この行員さんが頼んでもいないのに2千万円を貸してくれるのかというと、それはもちろん、何らかのノルマのためでしょう。
塩対応をされ続けていると忘れてしまいがちですが、銀行は本来「お金を貸すことで利益を得ている」会社です。貸すのが仕事なのです。
行員さん「うーん、上半期末(9月)に向けて、融資の進捗が良くないなぁ」
行員さん「それなりに決算指標が良くて、資金需要が高そうな会社・・、そうだ。あそこ(当社)はコンスタントに不動産を買っているし、キャッシュが潤沢という訳ではない。業種的に運転資金の需要は小さいけど、うまくストーリーを作れば承認もらえそうだ」
と考えて、こちらの承諾前に行内の稟議をある程度通し、その上で上記の提案を持ち込んだのかと考えると、行員さんの優秀さが想像できますし、気に掛けてもらえたことが単純に嬉しいですよね。
◆もっとすごい世界があるはず
100億レベルの不動産を保有している大家さんもいますが、こういう規模になると取引金融機関の数も相当なものでしょうし、一行あたりの借入額もどんどん増えていきます。
そうなると、今の自分ではイメージできないくらいに金融機関とのやりとりも濃くなっていくでしょうから、運転資金の提案なんかをはるかに超えた、面白い話が日々持ち込まれているに違いありません。
例えば「こういった会社を買いませんか?」なんていうM&A案件が持ち込まれたり、気の利いた行員さんであれば、経営者同士をつなげたり、支店長とのゴルフに誘われたり、もちろん不動産案件を融資付きで紹介されたり。
銀行というところは、とんでもない情報とネットワークを持っていますから、親しく付き合っておいて損はありません。これからも頑張ります。