融資に「裏ワザ」がない理由
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融資は、不動産投資家にとって最大の関心事の1つですし、これからブログでもいろんな話をしていきたいと思います。
まず今日は、根本的なお話を1つ。
どうしたら融資に通るかということについて、身もふたもないお話です。
◆融資に「裏ワザ」がない理由
・稟議書は必ず複数の目を通るから
・監督官庁がめちゃくちゃ強く、変な融資したら大変なことになるから◆融資に通る秘訣
・貸したくなるような人や会社になる
・貸したくなるような物件を持ち込む
・貸したい銀行に持ち込む
・日頃から銀行とは良い関係を保つ— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) May 12, 2020
こちらのツイートで結論出ているんですけど(笑)、ぼくの経験も踏まえて説明していきたいと思います。
◆融資の都市伝説
ぼくが初心者の頃には、「こうだったらいいな」というみんなの希望が生み出したであろう、都市伝説的なノウハウを聞くことがありました。
・銀行の担当者に手土産を持って行くと良い
・スーツ着用、国産の時計をしていく
・特定の言い回し(地域経済に貢献したいなど)を推奨
・不動産賃貸業に賭ける想いを長文にして提出
・とにかく熱意。断られても再アタック
もちろん、全部ウソです。
営業(「渉外担当」と言ったりします)の方が書いた稟議書は、融資課長、支店長、場合によっては本店審査部、役員会という流れで多くの人の目を通ります。担当者の面前で行ったパフォーマンスなどは、残念ながら稟議書のどこにも影響しません。
上記の都市伝説は、担当者が全てを決めているんだと勘違いすることから生まれたものなのかなぁと思います。
あと、実際に行員さんから聞いた話ですが、上席から突っ込まれそうな資料(上記でいうと「賭ける想い長文」)は、担当者の段階で握りつぶすことも多いんだそうです。
万が一、相当な上席まで巻き込んでイレギュラーなウルトラ融資を実現させたとしても、行内または監督官庁(金融庁や財務局)の監査によって問題が発覚し、より大変なことになります。
ツイートの後半にありますが、融資とは結局「財務内容をより良くする」「その銀行にとって評価の高い物件を持ち込む」「決算や返済実績を積んで信用を増す」といった、誰でも思いつくような方法こそが王道です。
だから、不動産投資のキャリアが長くなればなるほど、情報源の話と並んで融資の話は話題に出にくくなるのです。もちろん、今はコロナ関連の特別制度があるので、そういう話はされるでしょうけど。
◆融資を通しやすくなった理由
ぼくは、ここ6年間くらい融資特約付きの買付を入れたことがありません。
これは「必ず融資が通る」ということではなくて、融資が通りそうなものしか買おうとしていない、普段から銀行とコミュニケーションができていて、どういう融資なら通るかを把握しているといった理由からです。
これにより、あとちょっとの価格交渉に成功したり、他の買付から先んじて一番手に繰り上がったりするメリットがあります。
しかし、以前はなかなかそうもいきませんでした。特に、個人で不動産投資をやっていた頃は融資に落ちる率が高かったです。
断りの電話連絡をもらったりすると、自分がダメな人みたいに思えてイラッとしていたものです。特に銀行員の方が、上手いことやんわり伝えようと遠回しに言ったりするのがまたムカつきました。
会話の途中で電話切ったりとかも・・・ほんとごめんなさい(反省)
融資を通しやすくなったのは、法人化することで決算とか財務内容について関心が強くなり、そういった指標を常に良好に保つ工夫をするようになったことが最大の理由です。銀行と話をする機会が増えたのも大きいです。
原理原則で動く融資の世界ですが、それなりに工夫のしどころはありますので、そういったことも今後のブログでお伝えしていきたいと思います。