不動産会社へのヒアリングでハマってしまう理由
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不動産会社(主に賃貸仲介・管理会社)さんへのヒアリングは、物件を購入する際にも空室対策をするにも非常に大切なアクションです。
空室だらけでヤバそうな物件であっても、業者さんに話を聞くと「汚いから(部屋探ししているお客さんを)連れて行きたくない」とか「家賃さえ下げれば決まる」なんていうコメントを得て、満室への道筋が見えることも多いです。
ただ、地元のプロとはいえ不動産会社の社員さんも人間ですから、事実ではなく主観で話をしてしまうこともありますし、事実の捉え方が間違っていることもあります。
そこで今日は「間に受けてはいけない不動産会社さんのコメント」について考えてみたいと思います。
◆ほとんどは「主観」で「意見」を言ってるだけ
空室が多い物件は、ほとんどの場合地元の不動産会社さんから「ダメな物件」としてのイメージが定着しています。
サイトに載せてもアクセスがない(から載せなくなる)、内見に連れて行っても決まらない(から連れて行かなくなる)ということを繰り返し、月日を重ねてそのアパートやマンションを「感情として嫌い」になっていることが多いのです。
不動産会社さんは、別のその部屋でなくても案内する物件はたくさんありますので、決めやすいところを案内して淡々と成約数を重ねていくだけです。
青春ドラマなどではよく、本当は気の優しい良い子であっても、見た目が悪いとか人と接するのが得意でないような子が劣等生の烙印を押されているようなことがありますが、不動産でも似たような状況になっているものはあります。
そして、金八先生のように「真の姿を見抜いて、良いところを引き出す」ような不動産会社の人は滅多にいないのが実情です。
◆聞いている相手は不動産投資家ではない
これはとても大事なことなんですが「不動産会社の社員さんは、不動産投資家ではない」ということを理解していないといけません。
不動産投資家は「どうすれば決まるか」を考える人で、賃貸仲介会社の社員さんは「決まる部屋に力を入れる」人です。
「まずは全体的な清潔感を・・そうですね、外壁塗装は必須だと思います。それからこのエリアはWi-Fiが使えないと学生さんからの入居は絶望的なのでそこも・・あとは各部屋を再度きちんと清掃するとなると修繕費用込みで○○万円で購入すれば、十分な収支が見込める」
みたいなことは考えません。出てくるコメントは「ダメ」の一言に近いものに集約されてしまいます。
◆適当なことも言います。人間だもの。
あと、基本的に不動産会社の人はネガティブです。これは個人の資質がどうこうというより、業界のスタイルなんでしょうね。
富山の持ち物件で苦労していた頃を思い出したツイート。
◆コメントを真に受けちゃダメ
同エリアの持ち物件2棟の入居動向を、それぞれの管理会社さんに聞いたことがありますが
・シングル物件を管理しているA社
「今はファミリーしか動いてない」・ファミリー物件を管理しているB社
「今はシングルしか動いてない」ヒアリングは自分で下調べしてから。
— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) August 8, 2020
適当にコメントされることも十分にありますので、そういう前提で話を聞くことが大切です。というか、そうしないと心が折れます。
◆全ての方向は「どうしたら満室」を向く
なので、ヒアリングについて「これが正解だ」という結論を作るとすれば、まずは「全体的な意見を聞かない、聞いても真に受けない」ということだと思います。
そして、質問や会話はすべて「どうしたら埋まるか。どうしたら満室になるか」という方向に向かっていくべきでしょう。
「このアパートを買おうと思うんですけど、どう思いますか?」
「空室が埋まらなくて困っています。どうしてですか?」
こういう話になると、ここまで話したように主観(好き嫌い)で話をされたり、内心では「いや、この部屋じゃなくても他の部屋埋めればいいし」というスタンスで話をされたりします。
そうではなく
「どういう設備を追加すれば響きますか?これは?あれは?」
「アクセスが一定数取れる賃料は、この間取りだといくらですか?」
「広告料は、現状の1ヶ月で足りてますか?他の大家さんは?」
「内見して未成約だった時に理由を聞いて下さい。どうでしたか?」
というような感じ。結論は「埋める。満室にする」ということでFIXさせ、そのためにどうしたら良いのかをあらゆる方向から検討するイメージです。
聞き方ひとつで結果は大きく変わってきますので、今回の考え方はぜひ実践していただきたいと思います。
自分が長い期間苦労してきたことなので、誰かのお役に立てれば嬉しいです。