不動産投資の失敗をパターン化(自分がやらかした物件紹介)
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不動産投資において「融資をガンガン引いて物件を買ってリタイアする」系と並んで人気があるテーマが「失敗」です。
Googleの複合ワード検索でも失敗は根強い人気がありますし、満室経営新聞をやっていたときは、読者さんのアンケートでも「失敗の特集をしてほしい」という声が毎月たくさん届きました。
◆たくさん失敗しました
しかし、ぼくはブログでも満室経営新聞でも、望まれるような「失敗について」の話をほとんどしていません。あんまり意味がないからです。
なぜ意味がないかの話はまたの機会にしますが、ぼくもご多分に漏れず結構たくさん失敗してます。行動をすればするほど、失敗はついて回りますよね。
かつては自分の失敗経験「のみ」をテーマにしてセミナーをしたこともあります。
※ファイナンシャルアカデミーでお話させていただいた時の資料表紙
他人の失敗談から学べることはさほど多くはないのですが、いろんな失敗事例を知って自分の投資に活かしたいという方もいらっしゃると思いますので、これから何度かに分けてお伝えしていきたいと思います。
◆失敗にはパターンがある
不動産投資の失敗事例はネットで検索するだけでたくさん出てきますが、大別すると以下のように分類できると思います。
◆失敗のパターン
・空室が埋まらない
・計画した家賃が入らない
・想定外の運営コストが掛かる
・建物や設備の故障
・入居者や近隣のトラブル
・物件価格が想定以上に下がる
・事故と災害これで全部網羅できてると思います。
パターンが分かれば対処法も分かる訳で、これから研究していきます。— 投資家けーちゃん (@toushikakeichan) July 9, 2020
土地を購入して新築をする場合は、これに「建物が完成しなかった」というのが加わるくらいでしょうか。
事例はたくさんあれど、パターンとしてはさほど多い訳ではありません。なので、上記の視点で購入予定物件を「大丈夫かな」とチェックしていけば、ほとんどの失敗を回避できるのではないかと思います。
◆自分の失敗・・・ほとんどは○○の物件
ぼく自身も下の2つ(価格が想定以上に下がる、事故と災害)以外はすべてのパターンに苦しみました。それも、ほぼ全ての失敗が昔保有していたひとつの物件においてです。
空室が埋まらない、家賃が入らない、コストが掛かる・・・それら全ては「建物が古くて手入れされていない」ことが原因でした。前に書いた記事の「ババを引いた」といって良い状態だったと思います。
当時のぼくは「どんなに古い物件でも、リフォームによって蘇る」と思い込んでいました。それまでに読んだ書籍や大家さんのブログにおいて「自分に都合の良い解釈」をしていたようです。
昭和51年築、当時でも築30年という部件を激安で購入して、低予算リフォームで蘇らせそうと計画していました。
しかし、建物が古くてろくな管理をされていなかったことで、自分の「脳内リフォーム計画」はどんどん頓挫していくことになります。
和室を洋室に変えようとか、バランス釜のお風呂をユニットバスに交換しようとしても、駆体(壁を壊さないと新しい浴槽が入らない)元の構造(コンクリートの上に畳が直接置かれていて、床を張るために大規模な工事が必要)の問題で見積価格が跳ね上がります。
地方の築古物件は単位面積あたりの賃料が低いので、修繕に掛けられる予算が厳しく制限されてしまうという弱点があります。
このマンションは35㎡くらいの2DKを4万円くらいで貸していましたので、そこそこの規模でリフォームを入れると、家賃2年分くらいがあっとういう間に吹き飛ぶことになってしまいます。
◆何をやってもうまくいかない
結局、やりたかったリフォームの大半が「計画倒れ」で終わってしまい、空室を埋めるためには(価値を上げられないので)家賃を下げるしかないという状況に甘んじることになりました。
バリューアップで家賃は上げられるでしょうけど、費やした修繕費を回収できるまでの時間が長すぎるという判断です。「八方塞がり」とはまさにこういうことを言うのでしょう。
もちろん、価値が上がらない部屋の入居付けは苦労しまくりでした。
幸い、このマンションはすごい激安価格で購入できていたので、損失を被るというほどではありませんでしたが、自分の中では「苦労だけだったという物件」として思い出に残っています。
これが1億円以上の高額物件で、自己資金をはたいての全力購入であったら、売り抜けることも容易ではなく大きな損失が出ていたかもしれません。
日本は国民性もあり、また政府が新しい住宅を供給することに熱心で、既存住宅のケア(適切な管理とメンテ)が軽視されていることが多いです。
古くて荒れた物件(特にRC系)は家賃・入居率・修繕など様々な失敗パターンに直結する怖いリスクを抱えていますので、十分に気をつけて購入することをお奨めします。