「相場の●割増し」って言うのをやめよう。
2010年12月14日 08:54
ぼくが、大家さんのブログや本を読んだり、
講演を聞いたりする中で、「いやだなー」と思うのが、
「相場の●割増し(の家賃)で入居を決めた」
というものです。
たぶん、ご自分の賃貸経営の手腕とか、
リフォームのセンスなどを評価してほしいという欲求が、
このようなフレーズになってるんだと思います。
何となく、言っててカッコイイですし。(笑)
ですが、この「●割増で入居を決めた」というのは、
言葉の使い方を間違っていると思うのです。
例えば、築10年、40㎡の1LDKの部屋があって、
賃貸系のネットで、この条件を検索して出てくるお部屋の、
家賃の最多価格帯が、7万円だとします。
そこで、同じ地域・築年数・面積・間取りが同じであるものの、
最新設備と無料インターネットを導入した結果、
なんと、7万7千円で成約させることができたとします。
でもこれは、「相場の1割増で成約した」ことにはなりません。
設備や内装が優れていたので、
7万7千円の家賃にふさわしい部屋だったという、
価値相応の家賃を得ただけです。
また、設備や内装は平凡であっても、
物件が非常に清潔であったり、日当たりがよかったり、
周辺が静かであることも、立派な「価値」です。
よくいう「相場の●割増し」で成約した物件の大半は、
価値を上げて、その価値なり(=相場)の家賃を取ってる訳です。
ですが、中には本当に、同価値または
それ以上の物件より、高い家賃をとってることもあります。
これは、広告料戦略によって、強引な営業をしていたり、
「物件の見せ方」が上手かったりする訳ですが、
本当に相場以上の家賃を取っている場合は、
そんなことを公言しちゃいけないと思うんですよ。
同じこと、入居者さんに言えますか?
経済誌に載ってる経営者のインタビューで、
「当社の製品は、ライバル会社と性能は同じなんですが、
宣伝戦略が上手なので、1割高い値段を取れてます」
とか読んだら、すごいイヤじゃないですか。
儲かってるのはとても良いことですけど、
内輪だけの話にしときましょう。
できれば、大家さんの工夫でしっかり価値を上げて、
価値以下の値段で賃貸して、世の中に貢献したいものです。