リスクと対処法について その3
どんな対処法が適しているかは、リスクの種類によって違います。
間違ってしまうと余計なコストが掛かったり、重大なリスクを放置することになります。
怖いですね。。(。>_<。)
◆リスク対策を選ぶ
「予防」や「軽減」というのは、できるものについては全部した方がいいです。
リスクの種類に関わらずできることですし、最低限の予防と軽減は、
社会のルールであったりします。
大家さんは、入居者さんに安全な住居を提供する義務がありますから、
家賃が激安の物件であろうと、露出したアスベストは除去しなければなりませんし、
法定の耐震基準は満たしていないといけません。
難しいのは、保有と転嫁ですね。
「保有」できるリスクの条件としては、
「そのリスクが発生しても、大きな損害にはならない」ということです。
「火事でアパートが全焼した」
「地震で全壊した」
これは普通の人にとっては大きな損害ですよね。
火事に備えて、新築するための費用を積み立てておくことは難しいです。
ですから、火事や地震は保有向きではありません。
最初のページに出てきた「PML」が低いリスクが保有向きです。
それから、「発生が予測できるもの」も保有に適しています。
リスク発生によって被る損害を、予算化しておけるからです。
建物の老朽化に備えて、修繕金を積み立てておく。
毎年雑草が伸びるので、年に1度は草刈りをする。
発生が予測できる小規模なリスクは、
対策費を予算化しておいて保有するのが良いでしょう。
「5年後にこれくらいの費用が掛かるので、月に○万円積み立てる」
という感じです。
それから「転嫁」するべきリスクとしては、なんと言っても
「PMLが大きいもの」
です。予防できるに越したことはありませんが、
予防しきれず発生してしまったら、大変なことになります。
だから、コストを支払ってでも転嫁しておかなければなりません。
転嫁できるリスクは、「発生確率が低い」ことが条件です。
毎年必ず発生するとか、10分の1の世帯で発生するとか、
新築後15年以内に必ず発生するというのは、転嫁向きではありません。
発生確率が低いからこそ、転嫁のコストも低く抑えられるのです。
地震が今の2倍の確率で発生すれば、地震保険料も約2倍になりますから、
その分地震の転嫁コストが高くなるという訳です。
「発生確率もPMLも高いリスクはどうやって対処すればいいのか」
という質問がありました。
もし、不動産投資をする中で、確率もPMLも高いリスクがあるとすれば、
不動産投資なんかやめた方がいいですね。(^^;)
2年に1度の割合で全焼するとか、
10年以内に必ず公定歩合が20%になるとか(;_;)
そういうリスクがないからこそ、不動産投資が成り立つのです。
◆保有と転嫁のまとめ
まとめますと
確率が高くて、PMLが小さい = 保有向き
確率が低くて、PMLが大きい = 転嫁向き
一般的に、人は確率が高いリスクには目がいきやすい傾向があります。
PMLが高くても、確率が低いリスクには無頓着であることが多いです。
金利が1%あがることを心配する前に、震度7の地震のことを考えましょう。
首都直下型地震が発生・・・70% 交通事故で死亡する・・・0.2%
(これから30年の間に発生する確率)
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